壁面にもソーラーパネル、防眩性・意匠性を高めたモジュールをカネカ/NEDOが実証実験

2~3階建ての住宅において、ゼロエネルギー住宅の実現は5kWもあれば可能で、既に多くの太陽光発電搭載家庭がZEHを達成していることが予想されます。

対してビルの屋上は限られたスペースのため、階層の高い場合はビル全体をまかなうほどのソーラーパネルを載せられません。

ここで注目したいのが、ビルの壁面。太陽光発電は通常、日射を直角で受けるほど発電量が上がりますが、壁面はどうしても斜入射がメインとなり、発電量が伸びないのが難点でした。

今回カネカはNEDOとの共同事業としてこうした壁面を活用しながらより多くの発電量を得るとともに、弊害とされる反射光を低減させるモジュールを開発。

実用化のための実証実験ののち、2017年には商品化を目指すということです。

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ソーラーフロンティアとNEDOが共同で22.3%のCIS系セル開発、新記録!

NEDOがCIS太陽電池のリーディングカンパニーであるソーラーフロンティアと行った共同研究において変換効率22.3%を達成し、世界記録を塗り替えました。

宇宙用の太陽電池など特殊用途を想定した高価な多接合型セルでは30%台後半といった記録も出ていますが、この成果で重要なところは量産を前提とした技術での記録取得であったところ。

NEDOは2030年までに太陽光発電の発電コスト7円という目標を太陽光発電開発戦略(NEDO PV Challenges)において掲げており、この研究もその実現に向けたものでした。

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NEDOが発電コスト低減のための技術開発事業、新たに2件採択

NEDOは、太陽光発電システムの発電効率向上や維持管理に関する技術開発を新たに2件採択したことを発表しました。
同機構は、2014年度より太陽光発電システムの維持管理技術や周辺機器を対象とした技術開発を開始しており、開発テーマは既に採択されている6件と合わせて、8件となりました。これらの技術開発を通じて太陽光発電のコスト削減・発電量の増加・維持管理費の低減を目標としています。

1件目は、「PVモジュールの防水処理における太陽光発電システムの効率向上」です。防水被膜を太陽電池モジュールの裏面に設けることで、発電システムの出力低下を防止すると共に、故障率低減を図ります。ジー・エム・ジーエコエナジー株式会社との共同開発予定です。
2件目は、「太陽電池の抗PIDコート材料の開発」です。太陽電池モジュールの外周及び表面に塗布する、耐水性に優れた透明撥水コート材を開発し、PID対策と劣化予防を図ります。こちらは、株式会社MORESCOとの共同開発を予定しています。

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NEDOのアメリカでの実証実験で、日産自動車らEVの行動範囲拡大への有効性を検証

太陽光発電などの再エネ発電設備と組み合わせることで低炭素社会の実現に大きく貢献すると考えられるEV(電気自動車)は、現状で連続走行距離が短いことや、電源などのインフラの不足といった問題を抱えています。

EV(電気自動車)の普及に取り組む米国カリフォルニア州では、様々な優遇措置が行われ、全米内トップのEV普及台数ですが、その実態は、通勤や買い物といった近距離移動に限定利用されています。この課題を解消するため、カリフォルニア州北部都市圏において、調査を開始することが決まりました。

この事業では、特に都市間をつなぐ幹線道路における急速充電のインフラ整備と、誘導サービスシステムを導入し、その後、EVユーザーの行動を調査することで、対策の有効性を実証します。また、世界各国でのEV普及モデルが確立されることが期待されています。

同事業は、独立行政法人の新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が請け負い、日産自動車株式会社、Nissan North America社、兼松株式会社に委託して実施します。

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NEDOプロジェクトで日立製作所らが1.5MWハイブリッドの大規模蓄電システムの開発に成功、来年から伊豆大島で実証実験開始

株式会社日立製作所と新神戸電気株式会社はNEDOプロジェクトとして短時間で大電力の充放電が可能な1.5MWハイブリッドの大規模蓄電システムの開発を成功しました。

これにより出力変動の緩和や余剰電力の再利用、周波数の安定化が期待できます。2015年度より実証実験が行われます。この試験は東京電力株式会社の管内にある伊豆大島の電気系統で行われます。実証実験では、ピークシフトや短周期変動抑制の機能やそれの寿命などハイブリッド大規模システムの有効性について検証、評価する予定です。

同大規模蓄電システムは「高入出力・長寿命鉛蓄電池」と「リチウムイオンキャパシタ」を組み合わせたハイブリッド構成となっており、現行の製品と比べて1.7倍多い出力と、1.2倍もの寿命を実現する見通しを得ているということ。

気象に左右されやすい風力や太陽光発電などの再生可能エネルギーの大量導入時に余剰電力の再利用や電圧や周波数の変動を抑制することにより電力の安定供給を実現する有効な手段として注目されています。

この実証試験ではより実用に近い制御技術の確立と幅広いニーズに向けて柔軟に対応できる実現をはかります。

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ドイツで再エネ自家消費の実証実験にNEDO参画、日本の5企業が事業委託

再生可能エネルギーの開発が進んだドイツでは世界に半歩差をつけて太陽光発電のグリッドパリティを達成し、すでに再生可能エネルギーが国内全体の電気エネルギー使用量の約20%を占めるまでに浸透してきています。

日本の新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は、ドイツのシュパイアー市でマンションなどの共同住宅施設を対象として、太陽光発電を最大限に有効利用する「自己消費モデル」の確立を目指し実証実験を開始しました。日本からはNTTドコモNTTファシリティーズ野村総合研究所日立化成、日立情報通信エンジニアリングの5社が参加しています。

自己消費モデルは、太陽光パネルと蓄電池、ヒートポンプの3つを組み合わせることで成り立たせ、太陽光パネルは太陽光をパネルに受け、ヒートポンプは外気を利用した蓄熱型温水器として、それを蓄電池により蓄積し、住宅利用するものです。

最適な住宅エネルギーとして活用するために、家庭向けエネルギーシステム(HEMS)によるエネルギーのコントロールを行い、住宅全体の電力として供給およびサポートを行います。

このシステム導入の大きなポイントの一つとして、逆潮流量の最小化があります。系統への逆潮流を極力減らすということはつまり売電量を少なくするということ。すでに系統電力以下の価格でしか買い取られない現状のドイツの制度においては、売電するより自家消費を増やすことが収益上有利になってきますが、これに加えて系統への負担を減らし、系統電力の質を保つという上でも重要な意味を持ちます。

日本でもすでに系統連携の回答保留などの問題で再生可能エネルギーの容量が増えることにより生じる問題が浮き彫りになり始めていますが、ドイツでのこの実証実験の成果が問題解決の糸口となるのか、注目が高まるところです。

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NEDO発表の「太陽光発電開発戦略(NEDO PV Challenges)」まとめました

NEDOが「太陽光発電開発戦略(NEDO PV Challenges)」と名付けた膨大な文量の開発指針発表しました。
気になるところだけかいつまんで、まとめています。

発電コストは23円=従量電灯レベルでのグリッドパリティは達成

NEDOの計算では、2013年の時点で23円/kWhを達成し、グリッドパリティと明記はしていないものの、従量電灯と比較すると完全なるグリッドパリティですね。
(2014年10月現在の東京電力の従量電灯において、住宅に多い20A・30Aを契約した場合、基本料金も合わせて24円を切ることはない。)

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今後の指針としては2020年の段階で業務電力価格並の14円/kWhを達成、2030年までに基幹電源コスト並の7円/kWhを達成を掲げています。

具体的には現在最高で21%程度のモジュール変換効率を、2020年には22%、2030年には25%以上を達成するとし、
さらに運転年数(寿命・耐用年数に相当すると考えられる)を30年まで引き上げることを掲げています。

設備利用率15%で計算するとし、キロワット単価27.6万円を切れば達成できることになりますが、
2014年10月現在で26万円/kWの格安パネルの市場に出てきていることを考えれば手の届く範囲でしょう。

2013年度末までの国内の太陽光発電設置容量の累計は14.3GW


2014年1月末時点で13GW超
だった累積設置量は3か月でさらに1GW以上が加えられ、14.3GWとなっています。

日本メーカーの世界シェアの縮小

10ページには太陽電池の産業動向がまとめられています。

2006年までは発電容量ベースで世界一位の生産量を誇っていたとはじめながらも、2007年には全体シェアが中国メーカー合計(32%)>日本メーカー合計(25%)と逆転、2012年の日本メーカーの全体におけるシェアはわずか6%に減ったと報告。
世界のメーカーシェアは中国勢にどんどん奪われていった模様は、当サイトのメーカーシェアランキングでも詳しくご案内しています。

国内メーカーの約3割の製品が海外製

12~13ページにかけては国内メーカーでも海外に生産を委託しているパネルが増えてきていることが言及されています。
参考資料として平成26年1~3月期の容量ベースで「パネルの出荷量に占める日本企業のシェア(図2-6)」と、同期の「パネルの出荷量に占める国内生産のシェア(図2-7)」のグラフが掲載されています。

「日本企業のシェア(図2-6)」については住宅用/産業用が分けられているのに対し、「国内生産のシェア(図2-7)」は全体を総括した容量での割合になっているので一概には言えないまでも、

例えば容量ベースで多くを占める非住宅用の数字と照らし合した際、日本企業64%のシェアに対し、国内生産は44%と20%の差があります。
容量ベースでは約3割の製品が、「日本ブランド国外生産」である可能性があるということです。

さらに付け足しておきたいのが、この表では「セルが海外製、モジュール組立のみ日本」という製品が国内生産品としてカウントされていることです。

各メーカーのパネルの生産国一覧

各国のシステム価格比較と推移

14ページの各国のシステム価格比較は興味深いです。
日本ではシステム価格が2001年から今まで、6米ドル/Wを上下してほとんど変わっていないのに対し、比較されている米国、ドイツ、イタリアは価格がどんどん下がっておりドイツは2012年には2米ドル/Wに到達しそうなくらいまで価格が下がっているのだそう。

これにはちょっと疑問が残り、6米ドル/Wというとキロワット60万円になり、相場からかけ離れている感が否めません。

その次に出ていグラフでは2013年の住宅用太陽光発電のシステム平均単価が約400円/W(40万円/kW)となっており、出典は同じ(みずほ情報総研)にも関わらず内容がズレているのがなぜなのかは、この指標の記述で読み取れなかったのですが(万が一読み落としがあればご指摘願います)

どちらにせよ、欧米よりもまだまだ価格に対して下げ幅の余裕があると考えていいのかもしれません。

施工のシェアは自社開発を行うNTTファシリティーズなどが有利に

おもしろいな、と思ったのが、施工企業のシェアの変化です。
積水ハウスやパナホーム、高島など、新築住宅向け太陽光発電の施工が主であるハウスメーカーのシェアは2009年から2012年でぐんと減り、

自社のメガソーラーをどんどん建設しているNTTファシリティーズが2012年は11%超のシェアで業界一位になっています。

新規企業の参入が相次いだことで上位企業のシェア自体が減っているということですが、自社架台の開発も行っているNTTファシリティーズに関しては今後のシェア拡大もばっちり狙っていることでしょう。

いまだに結晶シリコン系が人気/10年間で太陽電池の変換効率が5%上昇

28ページでは、NEDOによる各種太陽電池のシェア等の比較と、
フランホーファーによる効率向上のグラフが掲載されています。

それによると、2013年の時点で

結晶シリコン系はシェア87%

といまだに大半が結晶系となっています。
2003年の時点で15%程度だったシリコン系の太陽電池の効率は2012年で20%超に(+5.5%)なっており、化合物系との差は埋まることなく、いまだにシリコン系太陽電池には性能的な優位性があることが読み取れます。

全体のシェア8%を占める化合物系は、主要の2社の動向に要注目

化合物系はプレイヤー(製造するメーカー)が少ないことが特徴的ですが、
ソーラーフロンティアに代表されるCIS太陽電池、ファーストソーラーが製造するCdTeはそれぞれシェアが2%および6%。
効率は若干CIS太陽電池の方が上ですが、ファーストソーラーは価格の安さで欧米を中心としたシェア拡大に貢献しています。

ファーストソーラーは日本にも進出し
一方でソーラーフロンティアは海外戦略でシェアの拡大を狙っています

日本の消費者としては、安価な「ファーストソーラー」が選択肢に入ったことで太陽光発電の敷居がさらに低くなることを願う一方で
日本メーカー「ソーラーフロンティア」のさらなる躍進で日本経済を活性化してほしいとも思います。
2社の動向に注目が高まります。

25年度には化合物系がシリコン系に追いつく?

35ページのNEDO PV2030+による性能目標は、結晶シリコン系のモジュール効率25%という実現可能性の高い目標に、CIS系も倣うことを目標としています。現在の1.5倍以上の性能を10年ちょっとで達成しなければいけないことになりますが、ソーラーフロンティアにはぜひ頑張ってほしいものです。

線路内に太陽光発電??今月から実証実験も

大規模な太陽光発電を設置する土地が少ない日本では、水上や廃棄場跡地など、他に利用できないような土地を有効活用する方法が日々開発されています。

鎌倉市にある太陽光関連のコンサルティング会社「フルーク」が開発し、特許出願も済ませたというのは「鉄道路線内にパネルを設置する」というもの。

鉄道会社による太陽光発電事業はこれまでにもいくつかお届けしましたが、”線路内”に設置するというのは聞いたことがありません。
同社によると、線路内への太陽光発電の設置には土地活用のほかにもメリットがあるそうで、整備された安定性の高い土地ゆえ設置の際の手間やコストが低減されること、さらには送電に既存設備を使えることなどを挙げています。
総工費は2,000kW(2MW)あたり5~6億円程度としており、発表によると”通常の半分の総工費”だそうですが、キロワット単価では25~30万円なので、実質7割程度でしょうか。

しかし多くの方が、振動などへの耐性、そして安全面、保守管理の方法などについて疑問を抱えていることでしょう。
それらを含めた実証実験がNEDO採択のプロジェクトとして今年度から実施され予定だということ。

まずは本数の少ない路線や使われなくなった路線などで、導入可能性を検討ということ。
同社の代表取締役は「売電により赤字の地方路線を救い、地域活性化にもつながる」と語っていますし、地方の鉄道会社の関係者の方、この実証実験は必見です。
というか、”使われなくなった路線”は電車走行時の耐性を考えな良いですし、実証実験をするまでもなく路線を持っている鉄道会社さんはどんどん建設を進めてしまえばいいのではないでしょうかね??

同社は「学校のプールにパネルを敷き詰める方法」なんかも考案しているということ。

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ソーラーフロンティアがCIS技術で変換効率20.9%達成

安価でキロワットあたりの発電量も多く、魅力がたっぷりのCIS太陽電池ですが、一番のネックとされるのは発電効率が結晶型と比べて低いこと。
そのためCIS太陽電池の発電効率を上げるための研究には期待が高まります。

今回ソーラーフロンティアが、薄膜系太陽電池で世界最高の変換効率20.9%を達成しました。

独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)との共同研究で、CIS系薄膜太陽電池のセル(約0.5cm2)において達成された記録。ソーラーフロンティアとしては2013年に19.7%の記録を出しましたが、この記録を大幅に塗りかえました。
さらにソーラーフロンティアのCIS太陽電池は、有害物質であるカドミウムを含まないことも特徴ですが、カドミウムを含む薄膜系太陽電池の世界最高変換効率20.8%も今回同時に更新したことになります。
成果の要因として、「セレン化硫化法による光吸収層の改良と透明導電膜の高性能化」を挙げています。

この成果は量産現場で順次適用されるという事。
現在はパネルの効率にして13.8%の「SF170-S」が、ソーラーフロンティアの出している製品では一番効率の高いものですが、開発されたセルを使ったらどれくらいの出力が出るパネルになるのでしょうか。楽しみです。

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NEDOが発表、2017年にはグリッドパリティ達成の予想

NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)が12月10日、改訂版「NEDO再生可能エネルギー技術白書」しました。その中に盛り込まれた太陽光発電の市場価格に関する展望について、まとめてご紹介します。

太陽光発電の発電コスト

26ページ参照)
住宅用:33.4~38.3円/kW(世界水準・18.2~36.5円/kW)
メガソーラー:30.1~45.8円/kW(世界水準・15.0~29.9円/kW)

特にメガソーラーに関して、世界水準の最高値が、日本の最低値よりも下回っており、差の大きさを実感します。
システム価格が高いのに加えて、日照条件がやや悪いのも理由だとか。
アメリカでは大きなまとまった土地が確保でき、さらに日照量も多いカリフォルニア州などで大型の太陽光発電施設が多く建設されているほか、ヨーロッパでもイタリアやスペインの地中海地域は太陽光発電の条件も良いようで、そうした地域の設備では発電コストも安くなる傾向があると考えられます。

グリッドパリティ展望

88ページからを参照)
グリッドパリティに関しては、

住宅用

2017年 − 家庭向け電力料金23円を達成(系統による出力変動の安定化による)
2030年 − 家庭向け電力料金23円を達成(蓄電システムを使って太陽光発電単独による)

産業用

2020年 − 業務用の電力料金単価14円を達成

という内容。

2016年には電力自由化が予定されますが、目標によるとその次の年にはグリッドパリティが完了。
各家庭で、クリーンなエネルギーを選択して購入できるようになるのも現実味を帯びてきたと言えるでしょうか。

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