福島のゴルフ場跡にドイツハンファQセルズの多結晶パネル26MW

ハンファQセルズは、福島県須賀川市で建設予定の「サニーソーラー福島中央発電所」に同社製の多結晶パネルである「Q.PRO-G3」を約10万5000枚、合計出力約26.2MWを納入したと発表。

健康食品や化粧品の販売等を行うサニーヘルス株式会社が事業主のこのメガソーラーは、震災後に閉鎖したゴルフ場跡地を利用して行われるもの。設計・建設にはJFEエンジニアリングが入っています。
2014年2月3日に着工開始しており、稼働開始は来年3月の予定。

Qセルズの選定には実地テストにおける発電量の多さが証明されたことなども一因となっているのだそう。

ハンファQセルズは国内で2013年中に520MW以上のモジュールを出荷しており、これは海外メーカーで最大量だったのだそう。
住宅用ではあまりみかけないQセルズですが、事業の信頼性が重視される産業用などで多く採用されたのかもしれませんね。
今後の躍進にも期待したいです。

参考12

秋田県の廃棄物処理場メガソーラ―は”故意的な無駄”で採算性を上げる

秋田県秋田市の総合環境センターという一般廃棄物処理場で太陽光発電を行うプロジェクト。

設備利用率の低い地域」である上に「積」もあり、「地盤の問題もある最終処理場跡地」という、太陽光発電には決して向かない地域で、どうしたら採算性の高い太陽光発電事業ができるかという、課題が盛りだくさんのこのプロジェクト。
公募型プロポーザル方式で見事選ばれた、東京センチュリーリースとJFEエンジニアリング、瀬下建設工業からなる企業団体によるこの事業での解決策は、「過積載」という方法でした。

過積載について

EPC(設計・調達・建設)サービスを担当したJFEエンジニアリング・発電プラント事業部の渡部朝史氏によると、やはりこの公募条件はかなりハードルが高かったそう。

設備利用率の全国平均と言われる12%ですが、ここでは「秋田市の場合、逆に設備利用率は11%を超えるのがやっとと見込まれた」とされています。

実際の稼働発電所の発電量および設備利用率を見てみても、秋田県は全国最下位の10.30%となっています。

このプロジェクトでは、最大出力1.5MWのパワーコンディショナーに対し、最大出力2.2MW分のソーラーパネルを設置しました。

「もう一台PCSを増やして容量を1.98MWにすれば売電量は多少増えるが、設備コストが上がってしまう。費用対効果のバランスを何度もシミュレーションしていまのPCSと太陽光パネルの出力に決めた」

という渡部氏のコメントにもあるように、パネル容量がパワコン容量の1.47倍とかなり出力差が大きいものの、この事業においてはこのバランスがいちばん採算性が高いと判断されたようです。

積雪対策としては、パネルを30度に傾けて設置し、パネルの最低地上高を1.5mまで上げたということ。朝夕に影が長くなることで後列のパネルに影がかかってしまうのだが、地面に近いパネルの1列には影がかかることを前提に設計し、地面に近いパネルだけ束ねて平行に直列配線して1つの回路にすることで、影がかかっていないパネルが影がかかるパネルの影響を受けないようにしたのだそう。

パネルの過積載や、影がかかるパネルをあえて作るこのメガソーラー、通常のメガソーラーと比べて無駄に見える部分が多いとはいえ、採算性を考えるとこうした無駄も必要ということですね。

ちなみにパネルは「韓国ハンファグループ製」とありますが、パネルの型番は公表されていないため、ハンファQセルズのものなのか、ハンファソーラーワンのものなのかは分かりません。同じハンファソーラーでも買収される前のブランドの性質が全く違い、価格も大きく違います。

参考

JFEエンジニアリンググループ太陽光発電事業に参入・国内6地区で合計40MW

これまで三井物産と東京海上アセットの事業など、多くの太陽光発電の施工に関わってきたJFEグループですが、今回グループの遊休地5地区に加え、日照時間の多い北海道釧路地区にもう1か所、全部で6カ所にメガソーラーを建設することになりました。

内訳

それぞれの場所はこちらで確認ください。

JFEグループが関わり、受注をしてきた太陽光発電プラントは全国で数十カ所にのぼり、2013年度までに約200MWの累積受注量に達する見込みです。

JFEエンジニアリング:プレスリリース