Qセルズとハンファソーラーワンが合併、生産能力は3.28GWに

韓国ハンファグループは、中国の太陽電池メーカーハンファソーラーワンに加えて、ドイツの最大手Qセルズも買収し、傘下にいれてきました。

2014年12月19日、この2社が正式に合併して新会社を設立すると発表。この合併により太陽光セルの生産能力は3.28GWになり、世界最大の太陽電池メーカーが誕生することになりました。

今回の合併は世界の太陽光ビジネスの多様化に対応すべく行われたもので、事業規模の拡大によるコスト競争力の向上、技術力・経験の差別化、そしてセル・モジュール製造に留まらない幅広い太陽光ビジネスを展開する基盤の整備実現を目指すとしています。さらに財務基盤の強化により、ナスダック上場企業として市場での高い資金調達力の確保など、長期的な成長の追求する体制が確立される期待も持たれています。

ハンファQセルズのCEOであるチャールズ・キム氏は「ハンファソーラーワンとの合併により、事業規模の拡大と太陽光ビジネスの重要市場参入のための事業基盤を獲得することが可能になりました。新しい体制でこれまで以上に卓越したサービスをお客様にお届けしていきます」のコメント。
また、ハンファソーラーのCEO、ナム・ソンウ氏も「ハンファQセルズの高い品質と革新的な研究開発力により、製品群の強化、ダウンストリーム分野の専門性をグローバルに展開できることが期待されます。ハンファソーラーの持つコスト効率の高い生産能力も併せて、さらなるコスト競争力の向上、事業規模の拡大、財務基盤の強化を実現させ、世界に向けて事業をアピールしていきます」と意気込みを語っています。

私たちが期待したいのはやはり、品質重視のQセルズがより身近になる可能性です。今後もハンファソーラーの動きに要注目ですね!

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秋田県の廃棄物処理場メガソーラ―は”故意的な無駄”で採算性を上げる

秋田県秋田市の総合環境センターという一般廃棄物処理場で太陽光発電を行うプロジェクト。

設備利用率の低い地域」である上に「積」もあり、「地盤の問題もある最終処理場跡地」という、太陽光発電には決して向かない地域で、どうしたら採算性の高い太陽光発電事業ができるかという、課題が盛りだくさんのこのプロジェクト。
公募型プロポーザル方式で見事選ばれた、東京センチュリーリースとJFEエンジニアリング、瀬下建設工業からなる企業団体によるこの事業での解決策は、「過積載」という方法でした。

過積載について

EPC(設計・調達・建設)サービスを担当したJFEエンジニアリング・発電プラント事業部の渡部朝史氏によると、やはりこの公募条件はかなりハードルが高かったそう。

設備利用率の全国平均と言われる12%ですが、ここでは「秋田市の場合、逆に設備利用率は11%を超えるのがやっとと見込まれた」とされています。

実際の稼働発電所の発電量および設備利用率を見てみても、秋田県は全国最下位の10.30%となっています。

このプロジェクトでは、最大出力1.5MWのパワーコンディショナーに対し、最大出力2.2MW分のソーラーパネルを設置しました。

「もう一台PCSを増やして容量を1.98MWにすれば売電量は多少増えるが、設備コストが上がってしまう。費用対効果のバランスを何度もシミュレーションしていまのPCSと太陽光パネルの出力に決めた」

という渡部氏のコメントにもあるように、パネル容量がパワコン容量の1.47倍とかなり出力差が大きいものの、この事業においてはこのバランスがいちばん採算性が高いと判断されたようです。

積雪対策としては、パネルを30度に傾けて設置し、パネルの最低地上高を1.5mまで上げたということ。朝夕に影が長くなることで後列のパネルに影がかかってしまうのだが、地面に近いパネルの1列には影がかかることを前提に設計し、地面に近いパネルだけ束ねて平行に直列配線して1つの回路にすることで、影がかかっていないパネルが影がかかるパネルの影響を受けないようにしたのだそう。

パネルの過積載や、影がかかるパネルをあえて作るこのメガソーラー、通常のメガソーラーと比べて無駄に見える部分が多いとはいえ、採算性を考えるとこうした無駄も必要ということですね。

ちなみにパネルは「韓国ハンファグループ製」とありますが、パネルの型番は公表されていないため、ハンファQセルズのものなのか、ハンファソーラーワンのものなのかは分かりません。同じハンファソーラーでも買収される前のブランドの性質が全く違い、価格も大きく違います。

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ハンファソーラー、中国の小学校に太陽光発電を寄贈

中国中部の湖北省のYuyangguan小学校に、ハンファソーラーが30kWの屋根設置型太陽光発電を寄贈したと発表しました。
ハンファグループが中国のYouth Development Foundation(青年開発基金)とCCCME(電子機器貿易議会/China Chamber of Commerce for Import and Export of Machinery and Electronic Products)とともに行っている「ハッピーサンシャイン」キャンペーン。
ハンファソーラーが太陽光発電設備の設置を担当し、湖北省のYuyangguan小学校のものは今年の11月に完成する予定です。
このほかにも今後10年の間に500か所にこういった設備の提供を行い、中国の貧困地域の子供に教育の機会を提供しようという計画です。

中国は世界をリードする太陽光発電メーカーを持つ国であると同時に、大きな市場でもあるので、国内で作ったものを国内で消費できるというのが強いですね。
そして中国政府が、こうした公共事業にハンファソーラーを採用している、ということも、見逃せないポイントです。

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ハンファQセルズの快進はQセルズの技術力にあり

昨日もお伝えしたハンファQセルズ快進撃
こちらの記事ではさらにその成長の様子が詳しく書かれています。

韓国のハンファグループは、もともとハンファソーラーワンというグループ企業において太陽光事業を行っていましたが、2012年10月にQセルズを買収してハンファQセルズが発足してから「コスト競争力を獲得」したということ。その背景にはQセルズの製造工場における技術と品質の高さが大きく貢献しているのだそうです。

ウェハーから太陽光を電気に変える素子に変えるまでの工程を、ほとんどの中国企業が半自動で行っているところ、全自動で工程を管理できるシステムを持ち、不良率がなんと世界最低の平均0.0025%に抑えられているそうで、価格が10-20%も高いにもかかわらず注文が相次いでいることから、製造能力を増大させる計画をしている事は、昨日の記事でもご紹介しました。

太陽光発電の話題で名前を聞く機会が増えそうなハンファグループですが、ハンファQセルズの開発・製造部門は、買収されたドイツのQセルズのものがそのまま受け継がれ、ハンファは市場開拓という構造がこうした成果につながったと、金熙チョル(キム・ヒチョル)ハンファQセルズ代表は説明します。
目標は「2015年に太陽光で世界トップになること」だそう。営業赤字も昨年の2,527億ウォンから大幅に減り今年は上半期の時点で618億ウォン。「今年は損益分岐点を超え、来年は必ず利益を上げる」という意気込みを見せています。

太陽光発電市場の回復を受け、ハンファQセルズは日本でも販売量大幅増加!

ハンファグループは、太陽光事業部門のハンファQセルズが、太陽光発電市場の回復を受け、境石が回復しつつあることを発表。

ハンファソーラーは昨年10月にドイツのQセルズを買収し、ハンファQセルズ(Hanwha Q CELLS)として新たな出発をしましたが、買収当時メインの製造拠点であるマレーシア工場は、稼働率20~30%、セル販売量で四半期あたり平均60MWという状況でした。これが最近では稼働率90%、今年の第一四半期のセル販売量で173MW、第三四半期で150MWまで回復しているということです。

今後はモジュールになる前のセルから、より付加価値の高いモジュールの生産に比重を移し、セル:モジュール=45%:55%の製造比率を今年第二四半期にはセル:モジュール=28%:72%に変えていくとのこと。
来年には3,000万ドル(約326億ウォン)を投資して、生産ラインを約200MW増設すると発表しています。(現在はドイツに200MW、マレーシアに800MWのセル製造容量)

この躍進は日本における成長も大きく寄与しているということ。昨年は年間で11MWだったモジュールの年間販売量は、今年は上半期だけでも108MWの販売量があったということです。

ハンファQセルズ(ソーラーワンおよびQセルズの双方を含むハンファグループの太陽光発電事業)のCEOであるKim Hee cheolによると、今後も日本や欧米における(住宅用及び産業用の)屋根設置型太陽光発電市場に加え、タイやトルコ、チリのような新規市場への参入も推進していくという事。

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発電量が3割アップ!ハンファ・ジャパンの三角フレーム来年販売開始予定

固定価格買取制度売電収入を多く得るために注目されるのが、高出力であること、そして安価であること。
特に設置面積が限られた日本では同面積でより多く発電できる、高効率のパネルに人気が集まる傾向があります。

より効率よく、少ない面積で多くの発電量を見込むためにハンファ・ジャパンが提案するのは、高出力パネルでもなく、集光型パネルでもなく、三角の形をしたパネルフレーム!

このフレームは、”裏側”がカギなんです!

銀色の板になったこの面で受けた日光をその後方に設置されたパネルに当てることで、発電量を向上させることができるのだそう!
最大3割も発電量が増えるという事は、15%のパネルで20%近くのパフォーマンスを得ることが可能と言うことですね!

電気安全環境研究所の「JETPVm認証」を取得次第、2013年には発売する予定だそうです。

まさに発想の転換!

これと似た発想の集光型は、パネル自体が集光するためのガラスに覆われてしまうため、日射がある時の出力を上げることはできても、日射量が少ない時間帯や時期、地域などでは不向きという弱点もありました。

さらに反射板には特殊なフィルムが貼り付けてあって、発電に必要な波長の光だけを反射し、パネルのパフォーマンスを下げる、パネル温度を上げる赤外線などは反射しないようになっているそうです。

参照