「買取価格」洋上風力は値上げ・太陽光は価格見直し頻度を上げることを検討

2012年7月から導入された再生可能エネルギーに対する固定価格買取制度(FIT)。急速に成長する再生可能エネルギー市場を受けて、買取価格に関して変更が加えられるべき点が徐々に明らかになってきています。

まず、買取価格の見直しは現在1年に一度の頻度で行われていますが、太陽光発電においてはそれを半年に一度の周期に変更することも検討する考えを、政府の「調達価格等算定委員会」委員長、植田和弘・京都大学教授が示しています。
太陽光発電は、設置のハードルが低く普及が進みやすい(「バブルが起こりやすい」)とし、消費者の電気代に上乗せされる付加金の負担をできるだけ少なくするようにという配慮からで、市場の動きを見ながらより早い段階での価格の引き下げに対応できる体制を整えるためとされます。

また、現在風力発電は陸上・洋上どちらにおいてもキロワットあたり22円が定められていますが、洋上の風力発電は開発コストが陸上に比べて多くなるため、価格を区別する方向で検討するそうです。
海外の例に倣って洋上の風力発電の買取価格を、陸上の価格の1.5~2倍程度にすることが考えられています。
設備利用率(稼動率)の面では陸上が20%なのに対し洋上では30%と、同じ出力の設備でも、より効率良く発電できるメリットもある洋上風力発電。
今後開発コストを引き下げて普及を進めていくことで、エネルギーミックスにおける再生可能エネルギーの割合の増加に大きく貢献することが予想できます。

フランスはFiT価格改定

現在12MW以上の太陽光発電システムに対してキロワット当たり€10.24セント(約10.4円)の買取りをしているフランスですが、10月から12月のFiT価格は前回から20%も引き下げたキロワット当たり€8.4セント(約8.5円)と決定された、とフランスのEnerplanは発表しました。
この決定は業界の競争力と生産力を削ぎかねないとしています。

フランスは四半期ごとにFiT価格を見直していますが、今年大統領に選出されたFrançois Hollandeが「原子力発電の割合を2020年までに25%減らし、代替のエネルギーの開拓に充てる」と言っていたにも関わらず、FiT価格はどんどん引き下げられています。

ちなみにフランスの電力ミックスの75%超を原子力が占めます。(総電力量と原子力発電量の数値から算出)

フランスの太陽光発電の累積設置量は8月の時点で3.28GW。毎四半期ごとに成長率は減ってきているのが現状です。

以前二大太陽光発電先進国のドイツ・イタリアと、日本の状況を比較していますが、フランスの電気代は(時間にもよりますが)日本の1/3程度
イタリア、ドイツ、それから日本などと比較すると、もう少し太陽光サーチャージを電気代に上乗せできる余裕もある気もしますが、そこは自国の方針を重視するんですね。

参考記事

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