スイス エアライト・エナジー社、追尾集光型の持ち運び太陽光発電「サンフラワー・ソーラー・ハーベスター」を発表

太陽光発電と、海水の淡水化、温熱、冷却の全てを実現し、更には持ち運び可能なシステムである、「サンフラワー・ソーラー・ハーべスター」の開発が進んでいます。同システムを開発しているのは、スイス企業「エアライト・エナジー」。同社によると、2013年から始まったこのプロジェクトは、2016年までに世界各国での試験運転開始と、2017年半ばまでの商品発売を目指しています。

システムは組み立て式で、一つの容器に収容も可能な設計ですが、反射板も含めた全長は10mのものとなっています。いわゆる集光追尾型の太陽光発電ですが、電力だけでなく熱を同時に供給でき、その熱を利用して冷却システムを動かしたり、低温脱塩システムを通して海水を淡水化したりと利用価値を高め、砂漠や無電化地域など遠隔地での活躍が期待される製品となっています。

花弁状に配置した反射板には、お菓子の包装などに使われるホイル素材を利用し、コストカットを実現しました。その反射板が、米IBM社製の水冷式太陽光パネルに光を集約させ、パネルに搭載された太陽電池チップに電力を貯めていきます。このチップは水冷システムによって最適な温度に管理されるため、従来の製品よりも、75%も集約率が高まりました。

参考

フランスのソイテックら集光型で効率46.0%の新記録達成

2014年12月1日。集光型太陽光発電において、重要となる太陽電池セルの変換効率において、46.0%という世界記録が出ました。フランスの、soitecと、同CEA-leti、そして、ドイツの、FraunhoferISEが共同で実現させました。

この技術は、集光型太陽光発電にとって利用をする事が出来る技術です。快晴である日の比率が高い、そして、乾燥したエリアに適した方法です。これは、太陽電池セルを並べているような、シリコン太陽電池技術とは使い方において違っています。

太陽光電池セル開発の担当者、バイス・プレジデントのsoitecの、Jocelynewasselin氏はこう語っています。今回出た盛夏については、あくまで50%を目指している途中に得られた結果です。

近い内に、50%の太陽電池セルも公開でき、今回開発された技術については、フランス国内についての生産ラインに、もう組み込まれている旨も発表しています。

集光型太陽光電池セルを使った太陽電池モジュールについても開発が現在進行中です。

FraunhoferISEでは、変換効率を44.7%の太陽電池セル52枚について、ドイツの、ORAFOLfresnelopeticsが作ったフレネルレンズと組み合わせた太陽電池モジュールの開発に成功しています。
そして2014年には、集光型太陽電池モジュールの変換効率において、世界記録の36.7%を達成しました。
Soitecでは量産できるようになった集光型太陽電池セルを使用したモジュールの販売を始めています。

参考

IBMがスイス企業と開発のハイブリッドな集光型太陽光発電は太陽エネルギーの80%を利用可能

IBMは、CSP(集光型太陽熱発電)の製造で革新的な開発を続けているスイスのAirlight Energyと共同で、2000倍もの集光が可能な集光型の太陽光・太陽熱併用の発電システムを開発したと発表。

HCPVT(High Concentration PhotoVoltaic Thermal/冷却熱利用型超高集光太陽電池システム)と呼ばれるこのシステム、呼び名は小難しいものの考え方はシンプルで、太陽光を集めたら光も熱もどっちも集まるんだから、どちらか一方だけじゃなくて両方利用しよう!というものです。

従来製品としては、集光した太陽光を利用して太陽電池で発電する集光型太陽光発電(cpv)と、集光した太陽熱を利用して主にボイラーを回転させる方法で発電する集光型太陽熱発電(csp)がありますが、今回開発したのはこのハイブリッド型ともいえる発電方式。ちなみに追尾機能も備えており、「太陽放射を2,000倍集光し、その80パーセントを有用なエネルギーに変換」できるのだそう。ある意味変換効率80%ですね。(参考:集光型太陽光発電では商品化されているもので効率約35%
太陽のエネルギーをこれ以上に最大利用できる製品はおそらく今までなかったでしょう。2017年までに商品化して市場に出すことを目標としており、今からワクワクします。

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写真が今回開発されたHCPVTシステム。まさにひまわりが花咲くような形状をしています。
10メートルの支柱の上に40平方メートルのパラボラ状の台座が設置され、常に太陽の方向を向くよう追尾機能が備わっています。
台座の内部には36枚も楕円形の鏡が太陽の光を中心の発電システムに集めます。
ちなみにこの鏡は厚さ0.2ミリメートルのプラスチック・フォイルを素材としており、経年劣化によって交換が必要となる10~15年後にはリサイクルができるのだそう。

集光された光はレシーバーに実装された1cm角の多接合型の太陽電池チップ(1枚の出力は最大57W、これが何枚利用されるかは未公開)で電力に変換されます。

これだけ集光された日光をまともに受ければチップは1,500℃を超えることになるところを、85℃~90℃の温水を使って”冷却”してチップを動作温度範囲内の105℃に保つのだとか。ここで出た排水に使用方法は幾パターンかが考えられています。
例えばこの温水から飲料水をつくったり、空調に利用したり、海水を蒸留して淡水化したり。
飲料水をつくる場合だと、受光面積1平方メートルあたり一日30~40ℓを作り出すことが可能だといいます。

一台で大容量の電力・温水を作ることができる同システムは遠隔地を含めた多様な場面での採用を想定していますが、商品化に先立ってAirlightとIBMは、2015年12月までに2つの自治体を選定し、HCPVTシステムの試作品を寄贈するとのこと。

参考

住友電工、集光型太陽光発電装置(CPV)を製品化

住友電気工業株式会社が、集光型の太陽光発電(CPV)の製品化をし、宮崎大学の木花キャンパス内に設置、発電が開始されたそうです。

2010年から開発を始めたという住友電工のCPVは「薄型」かつ「軽量」なモジュールが特徴。2012年からは社内で実証運転をはじめていました。

今回宮崎大学に設置されたシステムの詳細はプレスリリースから抜粋

この設置したCPVは、64モジュール搭載システム 2基となり、2基を合計したモジュール定格出力は15kW以上となります。また、当社のCPVモジュールは、発電出力を落とすことなく「絵」や「文字」をモジュールに映し出すことが可能で、1基には全面に大学ロゴマークを表示しています。

【当社CPVの特長】

1.高効率、高出力でかつ高温度環境に優れた発電システム
CPVは、発電効率が極めて高い化合物半導体の発電素子を用い、太陽を正確に追尾しながらレンズで直達日射光を集め発電する仕組みになっています。発電効率は標準的な結晶シリコン太陽電池に比べて約2倍で、また発電素子の温度依存性がほとんどないことから、CPV は直達日射量が多く気温が高い地域で有効な発電システムとして期待されています。
2.薄型で軽量なモジュール
集光型太陽光発電装置業界でトップレベルとなる、厚み約100mm、重量10kg未満の薄型軽量モジュールを開発しました。薄型で軽量なモジュールは、輸送時のモジュール積載効率の向上や現地設置作業効率の向上、また、太陽を追尾する架台に多く搭載できるなどのメリットがあり、発電システムのトータルコスト低減に貢献できると考えています。
3.設置エリアの有効活用
太陽を追尾する架台の上にCPVモジュールを設置する構造のため、モジュール下のスペースを駐車場、花壇、農地等として活用することが可能です。

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土地の少ない日本では、追尾型や集光型の需要が徐々に高まっていく事が予想されます。

プレスリリース

フォードのソーラーパネル搭載車、2年で市販も可能?

アメリカのフォードモーターが、車体の屋根全面に太陽光発電システムを搭載したソーラーカーを開発。

同社の5人乗りプラグインハイブリッド車「C-MAX Energi plug-in hybrid」をベースにしたモデル「C-MAX Solar Energi Concept」は、従来モデルと同等のパフォーマンスを実現、屋根に搭載された太陽光発電システムからの充電も可能なバッテリー(8kWh)は、満タンの状態で約34km(21マイル)走行可能だということ。

車の屋根のように小さな面積でもバッテリーへの蓄電を速やかに行えるよう、ソーラーパネルは”世界最高効率”のパネルを生産するアメリカの太陽光発電メーカー、サンパワー社のものを採用。
さらに灯台などで使われるフレネルレンズによる集光技術と、太陽の向きを追跡する追尾技術を採用しているそうです。

フォードはジョージア工科大学と共同で量産のための実用試験を繰り返し、早くて2年で市販も可能だということ。

参考

シャープ、またまた新記録・化合物3接合型太陽電池セルの集光型で44.4%

4月に化合物3接合型太陽電池セルでで記録を更新したシャープですが、今回同じく化合物3接合型太陽電池セルで、今度は集光型で44.4%を達成し、記録を更新したそうです。

シャープは化合物3接合型でどんどん記録を更新していきますね。

化合物3接合型太陽電池セルで2003年に31.5%を達成して以来、10年で6.4ポイント以上、
集光型では2007年の40%から6年で4.4ポイントも性能を向上させ、間には衛星での化合物3接合型太陽電池の実用化もはさんでいます。

住宅用の太陽光パネルの人気も落ちてきている中、宇宙分野などで踏ん張っていきたい、といったところでしょうか。

日本のソーラーパネルの市場動向について

シャープがセル発電効率でさらに記録更新・化合物3接合型で37.9%

以前、シャープが研究開発している化合物3接合型太陽電池セルで、世界最高の37.7%を達成した話題をお届けしましたが、それから4か月半、またそれを0.2%上回る37.9%のセル変換効率を達成したことを発表しました。

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太陽光エネルギーの波長に合わせて3種類の化合物の層を組み合わせ、効率的に光を吸収できるようになったということ。

集光型発電システム用や人工衛星などの宇宙用、移動体用への実用にむけて研究をさらに進めるということです。

参考

シャープの太陽光パネルについての詳しい説明はこちら
商品展開や実績に加え、価格相場案内も行っています。

発電量が3割アップ!ハンファ・ジャパンの三角フレーム来年販売開始予定

固定価格買取制度売電収入を多く得るために注目されるのが、高出力であること、そして安価であること。
特に設置面積が限られた日本では同面積でより多く発電できる、高効率のパネルに人気が集まる傾向があります。

より効率よく、少ない面積で多くの発電量を見込むためにハンファ・ジャパンが提案するのは、高出力パネルでもなく、集光型パネルでもなく、三角の形をしたパネルフレーム!

このフレームは、”裏側”がカギなんです!

銀色の板になったこの面で受けた日光をその後方に設置されたパネルに当てることで、発電量を向上させることができるのだそう!
最大3割も発電量が増えるという事は、15%のパネルで20%近くのパフォーマンスを得ることが可能と言うことですね!

電気安全環境研究所の「JETPVm認証」を取得次第、2013年には発売する予定だそうです。

まさに発想の転換!

これと似た発想の集光型は、パネル自体が集光するためのガラスに覆われてしまうため、日射がある時の出力を上げることはできても、日射量が少ない時間帯や時期、地域などでは不向きという弱点もありました。

さらに反射板には特殊なフィルムが貼り付けてあって、発電に必要な波長の光だけを反射し、パネルのパフォーマンスを下げる、パネル温度を上げる赤外線などは反射しないようになっているそうです。

参照

シャープ、化合物3接合型のセル変換効率で世界最高の37.7%達成

シャープが開発する化合物3接合型太陽電池セルで、世界最高変換効率となる37.7%を達成したという発表を出しました。

化合物太陽電池セルは、インジウムやガリウムなど、2種類以上の元素からなる化合物を材料とした光吸収層を持つ変換効率の高い太陽電池です。今回、当社が開発した化合物3接合型太陽電池セルは、インジウムガリウムヒ素をボトム層として、3つの層を効率よく積み上げて製造する独自の技術を採用しています。この3つの光吸収層で、太陽光の波長に合わせて効率よく光を吸収し電気に変換することに加え、光吸収層の周辺部を最適処理することにより光を電気に変換する面積比※4を増やしました。これにより、太陽電池の最大出力が高まり、世界最高変換効率の37.7%を達成しました。

シャープは2001年から、NEDOの太陽光発電研究開発テーマへの参画をしていますが、今回の研究もこれの一環だそうです。
この研究の成果は住宅用などの大量生産目的ではなく、集光型への応用、人工衛星用など、特に宇宙開発の分野での実用化が目指されるという事です。

今現在で集光型のパネルというと、34.2%が製品として実用化されているようですが、もともとが37.7%のセルを、集光型にしたら、何%の効率になるのでしょうね!それこそ未来的な数字です!

記録更新や新製品の話題続きで、ちょっとウキウキしますね~。
シャープの太陽光パネルの詳細・最安値情報など
参照

集光型太陽電池の価格は2016年まで年平均16%ずつ低下する

IMSリサーチによると、集光型太陽光電池(CPV)は目覚ましい技術革新により2016年までに年平均で16%の価格低下ののち、世界累積設置量は1.2GWに上るだろうという予測を出しました。

一定の市場にとってCPVが今まで以上に魅力的な製品になるこの進歩の裏側には、Solar Junctionのセル変換効率の記録更新や、Amonixが34.2%の効率を持つパネルの製品化などがあります。

集光型太陽電池は南アフリカの再生エネルギー独立発電プログラム(REIPPP)にも使われたりイタリアのシチリア半島に供給を行ったりと、一定の市場を持っています。

参照元

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