アンチダンピングに関して割れるEU内の意見


市場調査会社EuPDリサーチによると、ヨーロッパ圏内の太陽光施工業者でアンチダンピングによる輸入関税に対する賛成は44%にとどまったということです。
この調査は、ヨーロッパの主要な太陽光発電市場のドイツ、イタリア、イギリス、フランスの、合計875社の太陽光業者に対して行われた調査で、賛成とほぼ同数の42%が市場介入に反対しました。

ヨーロッパの企業団体European Alliance for Affordable Solar Energy(AFASE/敢えて訳すと「ヨーロッパ低価格太陽エネルギー同盟」?)はヨーロッパとアジア両方の企業が参加していますが、この団体が忠告するところによると、防御的な関税の導入でヨーロッパ国内では3万人の雇用を奪う事になるとされています。

アメリカの中国製品に関する関税導入も、米国内では賛否両論ありましたね。さらに関税に対する中国メーカーの報復的処置もあり、課税のハードルはさらに上がっているとも考えられます。

日本でも中国製品はサンテックなど比較的安めの製品が出回っていますが、日本に関しては楽天ソーラーシャープ製パネル使用)などが安さでは勝っていますし、他にもパナソニックのHIT、ソーラーフロンティアのCISなどのような製品の人気が大きいので、アメリカやヨーロッパなどのようなピリピリした雰囲気はまだ無い印象。

参照

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速報!「EUvs中国」アンチダンピング抗争

中国の安価な製品がEU内の太陽光発電業界を圧迫しているとし、9月にアンチダンピング調査を開始したEUですが、13カ月程度かかるとされる調査の進行状況です。
調査の一環として、EU委員会は関係者(中国政府、輸出関係者、輸入業者や協会など)へのアンケート調査を送付しています。

これらの調査から中国政府から輸出関係企業への補助金の給付などが証明できれば、9か月のうちに補助金を規制する義務を課すことができます。

EUはこれまでに、4種類の製品に対してアンチダンピング申請を出し、うち”上質コート紙”の取引には法規制が実効中です。
EUに増してアンチダンピング調査の行使が多いアメリカは今までに24製品に対して法規制を実施してきています。
(太陽光モジュールに対しても10月に規制を決めています。)

参照

今度は中国が海外製品にアンチダンピング調査!

9月にEUが開始した中国製品に対するアンチダンピング調査ですが、これに対する報復的措置で中国商務部がEUからのソーラーグレードシリコン(太陽光モジュールに利用される精度の高いシリコン)のアンチダンピング調査を開始したという。

欧州委員会側からのコメントはまだ出ていない。

これに加えてアメリカや韓国からのポリシリコンへの調査も開始したとしている。
米国と韓国の調査に関しては、2013年まで分析結果は待たないといけないが、予備的な調査結果は今月にも提出できるかもしれないと漏らした。

2011年にはEU加盟国から中国へのポリシリコンの輸入は少なくとも8.7億米ドルはあったと言われていて、その中でもドイツがポリシリコンの最大の輸出国だそうです。
EUからの中国のアンチダンピング調査も、ドイツのメーカーが大きく関与していたという話があるので、中国は特にドイツを狙っての報復的調査であったとも考えられますね。

中国のポリシリコン製造企業4社が8月にヨーロッパからのソーラーグレードポリシリコンのダンピングと補助金の調査を依頼していたが、それに先立って中国商務部はモジュール価格の下落はその原料であるポリシリコンの価格低下によるものであり、中国メーカーのセルによるものではないという声明を出していた。

もう、それぞれの強みで分業すればいいのに、というのが素人の意見ですが、そういうわけにはいかないのでしょうね。

pvマガジンの記者Oliver Ristauは、この価格抗争の背景に、市場から一旦姿を消した中国のシリコン製造業者の影が見え隠れしているとも言っています。

参照元

EUから中国にまたもや圧力。中国政府による不正な太陽光企業への援助はあったのか?

今月6日、中国に対するアンチダンピングの申し立てに続き

24日の会合で一度協調の姿勢を見せた中国とEUですが、またもやEUのソーラーパネルメーカーが25日、中国に対して「中国の太陽光メーカーに不正な補助金を出している」と申し立てを出しました。

EUの業界団体プロサンのMilan Nitzschkeに言葉によると、
「多くの中国の太陽光パネル製造会社は中国政府からの度重なる補助金を受けていなければ、とっくに倒産しているところだ」
ということです。

また、政府の補助金と介入によって、国内需要の20倍、世界的な需要のおよそ倍ものソーラーパネルの生産が行われたとのことです。

欧州委員会によると今や世界の65%の太陽光パネルが中国製という事。
それらがこのような政府の大規模な介入による大量生産だとしたら、他国の企業は太刀打ちできるはずもないですね。

申し立てから調査の有無の決定には、前回のアンチダンピング調査決定と同様、45日間もかかるそうです。

貿易額にして過去最大のこの申立て、EUはどうにか調査にこぎ着けたいところでしょうね。
しかし、これらの調査に対して中国製品に関税が課せられるとしたら、価格低下のスピードはさらに緩まることになるのでしょうか。

参考サイト

もうひとつ気になる情報が同日に出ています。中国政府の直属のChina Development Bank Corp.(国家開発銀行)は、中国の太陽光パネルメーカー大手3社のサンテックトリナソーラーインリーソーラーに対して経済的支援を強化するようです。また他にもHareon Solar、Chaori Solar、Sungrow Powerの名を挙げ、他にも名前を挙げてはいないもののあと6社、合計で12社に優先的な支援を行うつもりらしいです。
北京のブルームバーグ・ニュー・エナジー・ファイナンスのアナリストであるJessica Ngは、「12社に絞った支援は、中国が業界の強化を早急に計りたい意図が見え隠れしている。構図的にはサンテック、トリナ、インリーがこの支援で生き残り、LDKソーラーが苦戦することになるだろう。」と言います。

New Energy Financeのデータによると、CDB(国家開発銀行)はこれらの12社に対して2010年から432億ドルに上る貸付を行ってきたそうです。

Bloomberg

この国家開発銀行の支援の事実が、前述の「政府の介入」の申立てにどう影響するのか気になるところです。

EUに続いてインドも 中国製品へのアンチダンピング

EU、アメリカ、中国、日本に続いてインドでも太陽光発電の設置が進んでいますが、未熟なインド国内の太陽光産業を、すでに価格で圧倒しつつある中国製品に対して保護を求める声が上がっています。
HHV Solar TechnologiesのPrasanth Sakhamuriが認めるところによると、「インドの太陽光産業はまだ始まったばかりであり、その基盤を固めるまで、対外の安価な製品から守られるべき。現在インドで生産されるパネルの生産コストよりもはるかに低価格で販売されている中国製品にダンピング防止税を課すことができれば、とても前向きな動きになる。」とのことです。

PV Tech News

EU、中国製品をアンチダンピング調査開始

今年7月25日、EUの業界団体プロサンが中国製品に対するアンチダンピング調査要請を出したことを受け、9月6日ヨーロッパ連合(EU)は調査の開始を報告をしました。

EUは中国の太陽光産業にとって主要な輸出先で、輸出高の約8割がEUでの売り上げです。
2011年、中国はEUに対して太陽光発電パネルと周辺機器を含め210億ユーロの輸出をしており、EUにとっても非常に重要な申し立てとなります。

 

15か月の調査期間ののち、十分な証拠が得られれば、暫定で9カ月のダンビング防止関税が課される予定です。

EU:プレスリリース