東京メトロ、東西線の駅の屋根で計1.1MWメガソーラー

東京メトロが2012年から進めてきた東西線ソーラー発電所が完成しました。3月28日に8ヵ所目の駅で発電を開始したことにより、約3年間の導入プロジェクトが完結しました。

地下鉄路線のうち地上にある8つの駅の屋根に太陽光パネルを設置し、8ヵ所の発電能力は合わせて1.1MWになります。年間の発電量は、一般家庭の約322軒分の年間電気使用料に相当します。発電した電力は、駅構内の照明や空調、エレベーターなどに使われ、電力会社からの購入量の抑制に生かされます。

発電量の多い駅からは、余剰分を隣接する駅に融通することができます。電車に電力を供給する電車線を利用して、電車間や電車一駅間で送配電が可能になっています。複数の駅を組み合わせた発電設備ですが、駅の屋根を利用してメガソーラーを実現したのは初めてのことです。東西線ソーラー発電所の中で、一番発電能力があるのは妙典駅です。東京メトロは今後も環境への負荷を減らすため、再生可能エネルギーの導入量と回生電力の利用量を拡大していく方針です。

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東京メトロ「南千住」駅に9か所目の太陽光発電システム設置

東京メトロでは2月17日(火)より、日比谷線「南千住」で太陽光発電システムの稼働を開始しました。
同社は2020年度に向けた長期環境戦略として「みんなでECO.」を掲げ、地上駅の屋根上への太陽光発電システムの導入を進めてきました。今回の南千住駅での稼働により、これまで設置してきた東西線「西葛西」駅から「原木中山」駅までの7駅、千代田線「北綾瀬」駅の、合計9駅での太陽光発電システムの設置を完了したことになります。

今回稼働した太陽光パネルの出力は最大80kWであり、発電開始後の年間発電電力量は約80,000kWhと、一般家庭23世帯分を見込んでいます。これにより、年間約42.4tのCO2排出削減につながります。

発電した電力は、主に駅のエスカレーターやエレベーター、照明等の付帯電力に使用し、発電量が多い場合は「三ノ輪」駅等の隣接駅にも供給される予定です。

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近鉄が三重県に県内最大級のメガソーラー

近畿日本鉄道三重県の伊賀市ゆめが丘に容量15.5MWのメガソーラー「近鉄伊賀ゆめが丘ソーラー発電所」を完成させたと発表。
年間売り上げ約6億6千万円を見込んでいるとしているので、昨年度の単価37円が適用されていると予想します。

当初は公園や教育施設などを計画していた所有地の土地を転用して、23万㎡に同容量を設置したということ。パネルメーカーや施工会社などは明らかにされていません。

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同社は2013年9月にはじめの太陽光発電施設を志摩市に建設。これは同社が所有する娯楽施設に建設した「近鉄志摩スペイン村ソーラー発電所」です。中地方出身の筆者は子供時代に行った記憶もあるのでなんだか哀愁を感じていたのですが、スペイン村とはちょっと離れた同社所有地に設置されているようです。
三重県はエネルギー政策課が三重県次世代エネルギーパークの紹介を行っており、見学ツアーもできるようですよ。
地方のレジャー施設での太陽光発電の有効性はいかにというコラムも以前書きましたが、社会見学などで集団客を集めるのには、確かに有効かもしれませんね。
ただ、もともとの施設の魅力にちょい足し程度の効果な気もするので、もともとの施設に集客力がないのであればちょい足し効果もあまり無さそうな気もします。

脱線しましたが、近鉄はこのほかにも大分県、奈良県大淀町の太陽光発電施設が今年3月に稼働開始、そして4箇所目となるゆめが丘のメガソーラーの容量をすべて合わせると、約24・4MWになるといいます。

土地を持っているって、強いですね~。
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成田スカイアクセス沿線の未利用地に太陽光発電

千葉県の企業庁が、成田スカイアクセス沿線の未利用地を発電事業者に貸し付けることを検討しているのだとか。

同庁によると、県営の鉄道などが計画されながらも計画がぽしゃったような用地が、約24haもあるのだとか。これだけの面積があれば、15~20MW近くは設置できると考えられます。
平均幅員12.5m、全長は15kmという、線路を通す以外に使い道が無いような独特の土地の形状ゆえ、いままで特に使い道がなく放っておかれたようですが、太陽光発電をするにはぴったり!

線路内に太陽光発電を設置する実証実験なども行われている昨今、鉄道用に取っておいて使わなくなった土地は、結構多いようで、こうした土地が太陽光発電設備のために利用される例がどんどん増えてきそうです。

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線路内に太陽光発電??今月から実証実験も

大規模な太陽光発電を設置する土地が少ない日本では、水上や廃棄場跡地など、他に利用できないような土地を有効活用する方法が日々開発されています。

鎌倉市にある太陽光関連のコンサルティング会社「フルーク」が開発し、特許出願も済ませたというのは「鉄道路線内にパネルを設置する」というもの。

鉄道会社による太陽光発電事業はこれまでにもいくつかお届けしましたが、”線路内”に設置するというのは聞いたことがありません。
同社によると、線路内への太陽光発電の設置には土地活用のほかにもメリットがあるそうで、整備された安定性の高い土地ゆえ設置の際の手間やコストが低減されること、さらには送電に既存設備を使えることなどを挙げています。
総工費は2,000kW(2MW)あたり5~6億円程度としており、発表によると”通常の半分の総工費”だそうですが、キロワット単価では25~30万円なので、実質7割程度でしょうか。

しかし多くの方が、振動などへの耐性、そして安全面、保守管理の方法などについて疑問を抱えていることでしょう。
それらを含めた実証実験がNEDO採択のプロジェクトとして今年度から実施され予定だということ。

まずは本数の少ない路線や使われなくなった路線などで、導入可能性を検討ということ。
同社の代表取締役は「売電により赤字の地方路線を救い、地域活性化にもつながる」と語っていますし、地方の鉄道会社の関係者の方、この実証実験は必見です。
というか、”使われなくなった路線”は電車走行時の耐性を考えな良いですし、実証実験をするまでもなく路線を持っている鉄道会社さんはどんどん建設を進めてしまえばいいのではないでしょうかね??

同社は「学校のプールにパネルを敷き詰める方法」なんかも考案しているということ。

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「みんなで ECO 東京メトロ・エコプロジェクト」第4弾

JRは「エコステ」でしたが、東京メトロは「みんなで ECO 東京メトロ・エコプロジェクト」を遂行中です。

千代田線北綾瀬(20kW)、東西線南行徳駅(40kW)、東西線妙典駅(253kW)に続く4駅目となる東西線浦安駅で、太陽光発電システム導入すると発表されました。
浦安駅は今までに膜屋根や壁面緑化を導入しており、現在はLED照明の導入を進めており、環境配慮型のモデル駅として生まれ変わる予定だそう。

今後は東西線地上駅5駅(西葛西・葛西・行徳・原木中山・西船橋)に太陽光発電システムを新たに導入する予定です。

これらの太陽光発電施設で発電された電力は駅のエスカレーター、エレベーター、照明等の電力として消費されます。

メガソーラーの建設でパネル価格が落ちてきた事で、こうした駅などでの自家消費のための太陽光発電施設の普及もより進んでいくのではないでしょうか。

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売電の流れがいまだ強い中、JR東日本は自家消費用にメガソーラー

42円の売電価格が切り下げられる可能性が高くても、今だに太陽光発電施設を建設するならもっぱら「売電用」としている企業が多い中、JR東日本は売電制度を活用せず、あくまで自家消費のための施設を建設しています
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京葉車両センターの未利用地を利用して、1,050kWの施設を建設、年間年間約1,000MWhの発電量が期待できるそうです。
一日の発電量に換算すると、山手線(E231系)1編成が約4周走行する際に消費する電力量。
電力を多く使う鉄道会社は自社の発電所で発電された電力を使う事が多いですが、太陽光発電の設備費が下がってこういった動きもどんどん高まっていくことを期待したいです。

他業種でいうと、クラウドサービスで年々電力消費量が上がってきているIT企業の話題もありました。

現在売電や補助金による促進を行っている状態の太陽光発電市場ですが、その次の段階としてこうした企業のニーズに応えるような自然な発展や、太陽光発電に付随する蓄電池やEVといった機器類の発展へと、うまくつながっていってほしいですよね。

エコステ/太陽光でエコな駅

電車は、自家用車、バス、海運、航空と比べた場合、二酸化炭素排出量が一番(断トツで)低く、エコな移動手段であるといえます。それに加えてJR東日本では、の消費電力を再生可能エネルギーでまかなう、「エコステ」という取り組みで、より環境への負担を減らす努力を行っています。

四ツ谷駅

「エコステ」モデル駅の第一弾は四ツ谷駅です。2008年度比でCO240%削減を目標に、省エネ設備導入、駅社員の積極的な省エネへの取り組みを行っています。

具体案では証明器具をLEDに取り換えたり、太陽光発電(50kW)を設置することでCO2削減に取り組むほか、駅周辺の緑化や、エコ情報表示板の設置なども合わせて行い、利用者や従業員のエコ意識向上にも貢献する駅の実現を目指しています。太陽光発電システムはパナソニックのHIT、それに加えて蓄電システムやLED照明もパナソニックのものを導入しています。

パナソニックの太陽光パネルの詳細・最安値情報

2012年3月に本格稼働しました。

平泉駅

エコステ第二弾は岩手県の平泉駅です。史跡が多く残るこの土地は2011年6月に世界文化遺産にも登録されており、緑に囲まれた環境も踏まえてモデルに選ばれました。

四ツ谷駅同様LED照明や駅舎の断熱性を向上させることで省エネを、太陽光発電(四ツ谷の1.5倍以上の7.8kW)と蓄電池(240kWh)で創エネをし、エコ情報表示の設置でより意識、実感を高めることで、駅で消費するエネルギーの80%をまかなう計画です。

今年(2012年)6月28日に稼働開始。

海浜幕張駅

第三弾は千葉の海浜幕張駅に決まりました。海際の強い風力を利用するために、今回は風力発電も取り入れられます。この他にも「太陽光採光システムや「クールチューブ」といった設備も導入し、駅全体で現在の二酸化炭素排出量より2割を削減する見込みです。2013年から稼働できるよう、8月から工事が開始しています。

この他にも、中央本線小淵沢駅での検討がなされています。