世界最大7.5MWの水上メガソーラーが埼玉県で着工

約2年前から実例が増え始めた水上太陽光発電。水上架台の汎用化も進むなか、埼玉県でなんと、世界最大級7.5MWのフロート水上メガソーラーが着工したというニュースです。

事業主体は「川島太陽と自然のめぐみソーラーパーク合同会社」。株式会社スマートエナジーらがこの事業のために特別に作った特別目的会社です。

武蔵野銀行とプロジェクトファイナンスを組みことで資金調達。
設備は、供給量世界一の中国メーカーインリーソーラー製の単結晶パネル、そしてシュナイダー製インバーターを使用するとのこと。
場所は埼玉県梅ノ木古凍貯水池で、この貯水池を管理する川島町土地改良区が事業者をプロポーザル形式で公募して同社に決定したのだとか。

公募の決定理由などは川島町からも、選定事業者からも公開はされていません。パワーコンディショナに、災害時の自立運転機能はついているのでしょうか?

自治体が太陽光発電事業者を公募する例は多いですが、選定する際には「貸付賃貸料」の比重はそこそこにし、「事業がどのように地域貢献できるか」についても一考するべきではないかとは思います。
例えば、災害時の利用方法や、地元の産業との協力など、ですね。

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名古屋市の公共施設134件の屋根貸し事業者募集中です

名古屋市の環境局は、市内の学校施設などを含む公共施設の屋根を太陽光発電の発電事業者に貸出すと発表。

市内の392施設を対象とした屋根貸しは事業者募集を3期に分けて行われ、2期目の今回は134施設の屋根への太陽光発電設置事業者を募集するとしています。

高等学校施設は特に屋根面積が大きく、4000㎡~5000㎡といった案件も少なくありません。大きいもので体育館など含め合計の屋根面積9622㎡の工芸高等学校には、1MW弱の太陽光発電設備の設置も可能かと考えられます。

愛知県は全国的に見ても太陽光発電の設備利用率(=発電量)が高い地域で、さらに補助金制度などの充実で既に多くの設備が設置されています。(参考:全国都道府県の発電量比較

今回の大規模な自治体の屋根貸し事業は、設備容量の増加にさらに貢献しそうです。

使用料は1㎡あたり年額100 円以上。これは他の自治体でも同じくらいの水準を設けて募集しています。とはいえ前回の名古屋市における屋根貸事業では、最大で472.5円/㎡を支払うというプロポーザルも見られます。一方、キロワット換算で年間900円弱の屋根使用料で勝ち取っている事業者もいるところをみると、単に屋根使用料を多くしたところで当選できるわけではなさそう。

募集要項には評価基準や選定方法なども明記されています。
事業者の財務状況や施工実績、屋根使用料の妥当性といったところはもちろんんですが、地域貢献性などの面もばっちり評価基準ですよ!
「売電だけではない、太陽光発電事業の在り方」の好例もカテゴリーページでまとめていますので、よろしければご参照ください。

屋根貸事業・募集詳細

成田スカイアクセス沿線の未利用地に太陽光発電

千葉県の企業庁が、成田スカイアクセス沿線の未利用地を発電事業者に貸し付けることを検討しているのだとか。

同庁によると、県営の鉄道などが計画されながらも計画がぽしゃったような用地が、約24haもあるのだとか。これだけの面積があれば、15~20MW近くは設置できると考えられます。
平均幅員12.5m、全長は15kmという、線路を通す以外に使い道が無いような独特の土地の形状ゆえ、いままで特に使い道がなく放っておかれたようですが、太陽光発電をするにはぴったり!

線路内に太陽光発電を設置する実証実験なども行われている昨今、鉄道用に取っておいて使わなくなった土地は、結構多いようで、こうした土地が太陽光発電設備のために利用される例がどんどん増えてきそうです。

参考

岡山市の屋根貸し事業者募集 – 選定されるためにはどんな提案が有効??

神奈川県の屋根貸し事業ではSBエナジーの存在感が圧倒的でした。

土地を賃貸するよりも安価に設置場所が確保でき、また自治体の施設は広い屋根を持っていることが多く、さらには傾斜屋根などの場合、地上設置に比べて設置単価が安く済むことが多いために、自治体による屋根貸しは事業者にとってはかなり「オイシイ」ことが多く、地元の太陽光関連業者さんなどは必見です。


今回は岡山市が、地域の9つの施設の屋根合計6180㎡分を貸し出して、太陽光発電を行う事業者を募集。

太陽光発電事業の実績(10kW以上)があり、岡山市内に本店や支店・営業所などがある法人などが対象。

使用料は年間100円/㎡以上で提案するということで、岡山市はこれにより年間約62万円の収入を見込みます。

これは神奈川県の例よりも高い金額設定であるとはいえ、この面積なら600kW以上は設置できると考えられます。
つまりキロワットあたり、年間1,000円程度で場所が借りられるということになります。岡山市、なんて控えめなんでしょう!

とはいっても単に「年間100円/㎡支払って、××kWの太陽光発電システムを設置します!」といった内容の提案ではおそらく当選できないと考えられます。
貸出しの建物は学校施設なども含まれているため、「生徒の環境教育」といった面や、「地域の災害・環境対策」面で独自性のあるプロポーザルが好ましく映るのではないのでしょうか。
蓄電池の採用や、一部のシステムを施設内で利用できるようにするといった提案はさらによさそうです。

興味のある業者さんはこちらから詳細をご確認ください。

新潟県の亀田郷土地改良区でソーラーフロンティアのパネルを採用

新潟県新潟市の亀田郷土地改良区において、2つの太陽光発電設備が設置され、パネルはソーラーフロンティアのCIS太陽電池が採用されたと発表されました。

この地域は新潟県都市部に近接した土地で、持続可能性の高い農村環境整備を目標に、農業用排水路の法面を使った発電設備368kWと、大規模発電所として432kW、2か所の太陽光発電所を設置。善良を売電の後、収入は改良区の揚水・排水施設等の管理費負担の軽減に役立てるのだそう。

特に法面を使った設備では、農村の景観にも配慮しており、ソーラーフロンティアのCIS太陽電池の採用も落ち着いた色調も評価される一因となったとのこと。

さらに、実発電量、部分的な影の影響の少なさというおなじみの「強み」に加え、積時の雪の滑り落ちの良さ、メンテナンスコストの低さなどについても言及されています。

新潟県は発電量が全国的に見てもかなり低い地域
ソーラーフロンティアのパネルなら、容量あたりで得られる発電量が多い(メーカー別発電量比較)ため、設備利用率を引き上げるのにも役立ちます。

参考

神奈川県の戸建てにお住まいの方、無料で太陽光発電が設置できるチャンスです

神奈川県がすすめる「屋根貸し」の事業者が決定しました。

この事業は、神奈川県内の複数の戸建て住宅の屋根を賃貸し、設置した太陽光発電の容量を合わせて全量売電をするというもの。
事業者に対しては最大1,400万円の補助金が神奈川県から交付されます。

屋根を貸す住民に対するインセンティブや太陽光発電における実績などから、事業者は横浜市の「株式会社横浜環境デザイン」に決定。

提示されたビジネスモデルは3パターンで、希望者が選べるようになっています。

パターン1:設置時に一時金を受け取り、売電収入の1/4弱を受け取る

設置する設備容量×4万円を設置時に受け取り、その後13年目から8年間、6割の売電収入を受け取ることができるプランです。単純計算で20年間の売電100%とすると、24%が受け取れる計算。

設置時の受取金も合わせて20年間で受け取れる金額は
4kWの設置で約81万円/5kWの設置で約101万円/6kWの設置で約121万円
設備利用率12%)
ただ、13年目からとなると、出力が初めの頃と比べると若干程度落ちている可能性もあります。(ソーラーパネルの寿命と経年劣化

パターン2:設置時に一部の工費負担をし、売電収入の4割を受け取る

設置する設備容量×6万円を支払い、20年間継続的に売電収入の4割を受け取るパターン。
自費負担がある割に、自費での負担が無いパターン3と比べて受け取れる売電収入が低くなる可能性が高いためこのパターンを選ぶメリットはあまり感じられませんが、あえて言えば20年間継続的に収入が入るということくらいでしょうか。

20年間を通して受け取れる金額は
4kWの設置で約84万円/5kWの設置で約105万円/6kWの設置で約125万円

パターン3:設置時の負担および受け取り金は無し、売電収入の7割を受け取る

単純計算ではこのパターンが一番、受け取れる金額が大きくなります。
契約時は一時金の受取および負担金が無く、売電開始14年目から7年間は売電収入のすべてを受け取ることができます。
20年間を通して受け取れる金額は
4kWの設置で約94万円/5kWの設置で約118万円/6kWの設置で約141万円


神奈川県からの補助金もあり、単に屋根の賃貸をするよりも多くの収入を期待できます。
補助金の範囲内では50軒程度が設置できる見込みなので、当選すればラッキーですね!

6月後半には住民を対象に説明会もあるそうなので、興味がある方は参加してみるとよさそうです。
その際は20年後の取扱いについて、もうちょっと詳しく聞くといいかもしれません。
発表内容には「発電設備は屋根の賃貸借期間(20年間)終了後は無償譲渡(希望すれば撤去も可)」となっていますが、例えば自己負担でも、配線をし直して自宅の電力源として使うようにできれば嬉しいですよね。

それから、シリコン系のパネルよりもCISパネルの方が経年劣化が少ないと言われているため、事業で使われる予定のパネルやブランドなども聞いてみると良さそうです。

参考

山口県でのり面発電の実証実験

のり面での太陽光発電は各地で行われていますが、山口県は農道や水路などの法面でフィルム型のアモルファスシリコン太陽電池を組み込んだ防草シート「防草発電シート」を使う実証試験を始めました。

柳井市の農業用ダムの管理用道路の法面約80㎡に、出力2.7kWのシートを設置したということで、電力を農業用ポンプでまず使用し、余剰は売電されるという事。

2.7kWというと通常の住宅用太陽光発電と比べても小規模と言える容量なので、余剰売電すると言っても収入としては微々たるものかもしれません。

とはいえ除草作業の必要が無くなったりと、副次的なメリットを考えると、活用例は今後も増えていく可能性もあります。3年の期間を設けて発電および除草効果を検証するということ。
今月24日には現地見学会も予定されています。

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兵庫県の水上太陽光発電、水を抜いても稼働順調

水上に浮かべる太陽光発電の実証実験が各地で行われていますが、一足早く水上太陽光発電に乗り出していた兵庫県が、実証実験の途中経過について公表しました。

小野市浄谷町の農業用ため池の上の2つの浮きに、それぞれ80枚のソーラーパネルを設置し行われているこの実証実験。
農閑期にはため池から水が抜かれますが、今年2月下旬から3月初めにかけての水を抜いた状態での稼働でも、順調に稼働を続けているそうです。

水上の太陽光発電は、土地の有効利用以外のメリットも多いと言います。
パネルの温度上昇が水に浮かべる事よって防げることで、通常より多くの発電量が期待できるとも言われますが、この実験は2013年7月から続く兵庫県の水上太陽光発電では、実際県社総合庁舎(加東市社)屋上の発電設備と比べて約1.1倍の発電効率が得られていると言います。

とはいえ、この一例だけでは水上太陽光発電のメリットを裏付けるに足りるとは言えません。兵庫県では、東・北播磨地域のため池でも民間企業による水上太陽光発電の計画がいくつか浮上しているということ。

兵庫県の事業に民間への発展が見られ、自治体による実証実験としては好例と言えそうです。

参考

北九州市の電気バス稼働開始

北九州市による電気バスの運行のニュースを以前おとどけしましたが、バスが実際に稼働を開始したということです。

72人乗りの電力駆動のバスは、エコタウンセンター(若松区)とJR戸畑駅(戸畑区)を結ぶ路線を1日2往復するのだそう。
高性能リチウムイオン電池一回の充電で、最大80kmの走行が可能ということです。

バスの稼働は今月26日に開始。
今後の展開としては、今年10月をめどに若松区響灘地区の9haの土地に7500kW(7.5MW)の太陽光発電を稼働開始、同時に発電所付近に設置する充電器によって電力バスへの電力供給を開始し、来春には大型蓄電池の運用開始で完全に太陽光発電による駆動を開始する予定。

参考

富山市、太陽光活用のエゴマ栽培で地域活性化

昨年9月に発表された富山県による「農業の6次産業化プロジェクト」は、農業と売電の双方の収入を確保する「ソーラ−シェアリング」とはちょっと違いますが、太陽光発電を活用した地域活性化の例としての好例だといえます。

富山県の「農商工連携による環境と健康をテーマとした多様なビジネスの推進」事業の一環で建設されるエゴマの植物工場。

温泉熱での室内温度調整で一年中の栽培を可能にし、太陽光発電からの電力を一部利用したフィリップス製のLED照明を使う事で栽培期間の短縮と収穫量の増加を可能にしたということ。

3月29日に完成する工場を中心に富山市ではエゴマを路地栽培としても広げていき、地域の特産品としていく計画を立てています。

参考