新たに韓国パネルメーカーが日本市場に参入

固定価格買取制度では10kW以上の買取価格が大幅に引き下げられ、住宅用では補助金も廃止されたことから、一時落ち着きを見せていると考えられる日本の太陽光発電市場。
しかし、比較的高価なパネルでも採算が十分に取れた今までとは違い、これからは”安い”パネルへの需要がさらに高まってくるとも考えられます。

こうした流れを狙ってか、海外メーカーの日本進出が相次いでいます。

4月9日、韓国シンソンソーラーが、日本のハウスメーカー「アサヒアレックス」と、2016年までの2年間のパネル供給契約を結んだと発表。

シンソンソーラーは2012年に、すでに日本支店を設置していたということですが、今年に入ってさらに営業体制を強化していきたい狙いだということ。

シンソンソーラー

>参考

新たに日本進出の中国のパネルメーカー

新たに中国メーカーが日本の市場に参入してくるようです。

中国のソーラーパネルメーカー、フォノソーラー(Phono Solar)が日本の認証機関、電気安全環境研究所(JET)で、自社の156種類の単結晶太陽光発電モジュールにおいて、認証テストに合格したと発表しました。

余剰電力買取制度の申請をする際、この認証があるパネルを使う必要があることから、認証テストの合格により、日本の太陽光発電市場に参入するための準備が整うことになります。

中国メーカー、アメリカのメーカーなど、海外メーカーの参入が続いていますが、パネルの価格低下に貢献すれば嬉しいですね。

参考

出遅れでも自信満々の米ファーストソーラーの日本戦略とは?

2012年のモジュール供給量・世界ランキングにおいて、世界2位ファーストソーラー

“率直に言って、もっと早く来るべきだった”としながらも、昨年11月に進出を果たした日本での戦略は、他のメーカーとは一線を画すように見えます。

ファーストソーラーの日本責任者ブルッツァート・カールのインタビューを参考に、日本の太陽光発電プロジェクトにおいてファーストソーラーが優位になりうるポイントをまとめています。

製品力

ファーストソーラーは価格の安さが特徴の薄膜型のソーラーパネルの製造において世界をリードしています。
さらに日本の市場に合わせて2013年4月には高品質高効率な結晶シリコン系太陽電池を製造する、テトラサンを買収しています。
国内での販売にはJX日鉱日石エネルギーも協力しているということ。


パネルからメンテナンスまでカバーする垂直統合型ビジネスモデル

パネルの供給からプロジェクトの建設、EPC(設計、調達、建設)、さらには運営・メンテナンスまで、自社内で完結できる垂直統合型のビジネスモデルを持っています。
これによって、日本でのメガソーラー事業における優位性を持つと考えられます。
楽天ソーラーが狙う「承認済・未着工」の案件を狙った事業も視野に入れています。


財務の健全性

太陽光発電業界は安価な中国製品の影響などにより、倒産や経営不振が多いイメージがあります。
しかしファーストソーラーは、「太陽光発電に対する長期的なニーズがある国に投資」を基本としており、今回の日本進出もFIT(固定買取価格買取制度)による需要を見込んで殺到した海外メーカーとは足並みを揃えず、先述したように日本の市場に合わせたパネルメーカー買収など、ステップを踏みながらの慎重で着実な経営を基本としています。
さらに太陽光発電の世界市場に合わせて、パネル製造から垂直統合型にビジネスモデルを変えていきました。

持続性を重視した経営によってソーラーパネル市場を襲った急速な価格低下による打撃を免れ、ファーストソーラーは財務の健全性の高さを保っていると考えられます。

ブランドの信頼性を高く評価する日本の市場には強くアピールできるポイントとなりそうです。


中国ブランド「レネソーラ」”国産パネル”の生産を始める

中国の太陽電池モジュールメーカーの日本進出が進む中比較的出だしが遅かったレネソーラですが、大きく出ました。
日本のバイテックという半導体などの販売を行う企業と連携し、バイテックグローバルソーラーを設立し、レネソーラブランドのパネルを日本国内で生産すると発表。
レネソーラはこれまでにバイテックの開発するメガソーラー事業へのパネル提供なども行っています。

日本の企業と連携して国産パネルを生産する海外ブランドは、伊藤組モテックの先例があります。

気になるのはやはり価格帯でしょうか。
中国で生産するものと比べるとコストは高くつく事になるとは思いますが、市場に出回ってくる「国産」の中国メーカーパネルの価格に、今後注目したいところです。

太陽光発電メーカー別価格相場表

参考

中国のレネソーラが日本進出第一歩を踏む

2012年成長を見せた中国の太陽光パネルメーカーとしても取り上げられていたRenesola(レネソーラ)。
日本でのシェアを狙う関門の1つとなるJETPVm認証の取得を発表しました。

この認証は太陽光パネルの数々の性能・安全の検査、及び製造工場の査察を行うもので、同等の国際基準に準ずるものだということ。

「JPECのシステム登録同様、外国企業が日本の住宅用太陽光パネル市場に参入するに当たり、最重要事項と考えられています。」といことで、レネソーラが今後日本進出を進めたい意向を示していると考えられます。

今のところ日本国内の中国メーカーではトリナソーラーが優勢かな、というのが個人的な印象ですが、サンテックの勢いも落ちてきた今、さらに中国メーカーが日本市場にどんどん狙いを定めてくるのでしょうか。

2010年世界シェア2位のJa Solar(中国)が日本進出

2010年、世界の太陽光市場において、サンテックに続き2位のシェアを誇るJaソーラーが東京にオフィスを構え、日本進出への布石を打ちました。
品質と信頼に重点を置く日本の顧客に対し、満足のいくサービスを提供するためのサポートを日本オフィスが全面的に行うことになるということです。

中国のメーカーの勢いが強く、2010年のシェアでは50%以上が中国のメーカーに占められています。
EUでは、中国製品が市場価格よりも低価格で販売を行っているとして、アンチダンピング調査を開始しています。

日本でもサンテックが中国メーカーとしては多く売り出されていますが、価格は日本製品の格安製品と同等か、それよりも少し高いくらいで売り出されているところが多いです。
メーカー別価格比較を参照)
ヨーロッパの市場がピークを過ぎたといわれ、日本にビジネスチャンスを求める多くの中国メーカーがどんどん進出してくることとなりそうですが、価格低下はどこまで進むのでしょうか。