反射鏡と追尾システムでさらに進化する?採光システム

紫外線関連機器や電子部品などの輸出入を行う東京都ユーヴィックスは、新しく米Sundolierの「Daylight Harvestor」および、カナダSuncentralの「SunBeamer」という太陽光採光システムの取り扱いを始めると発表しました。

採光システムとは、太陽の光を集める機器を野外に設置し、それを光ファイバーなどで室内に届けるシステム。
電力を使わないことから、究極のエコ照明などともいわれます。

大きい施設では三井不動産のららぽーとなどでも採用されています。

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写真は「デイライド・ハーヴェスター」。
今回ユーヴィックスが取り扱いを始める2つの商品はどちらも太陽を追尾するシステムを搭載していて、時間ごとに最大限に光を集められる角度を調整します。
そして集光や集めた光の伝達に鏡を使うという点も共通するこれらの商品。

日本にもすでに採光システムは商品としてありましたが、いろんな選択肢が増えることで採用できる建物なども増えていくかもしれませんね。

三井不動産の「ららぽーとTOKYO-BAY」、”環境対応をよりスマートに”

三井不動産の「三井ショッピングパーク ららぽーと TOKYO-BAY」が、よりスマートな環境対策を施して11月22日にグランドオープンします。

グループビジョンとして「&EARTH(アンドアース)~人と地球がともに豊かになる社会を目指して~」という理念を掲げ、1981年の開業当初から環境対策を積極的に行っていた「三井ショッピングパーク ららぽーと TOKYO-BAY」。
すでに採用されているものには、中水(雨水や排水のリサイクルシステム)、省エネ型照明器具などが挙げられます。

今回それらに加わった環境対策が、かなりすごい!
ただ施設に環境対策をするだけでなく、「体験型の設備」を設置することで利用客の環境意識を高められるなど、さすがによく考えられているなぁという印象を受けます。

環境設備
・400kWの太陽光発電パネル
・太陽光と風力で点灯する街灯の設置
・エコ照明「ソーラーマスター」(レンズによって太陽光を館内に送り込む採光システム
・電気自動車の充電器6台分
・歩行によって発電できる遊具「発電床」の設置

発電床、楽しそうですね~是非体験しに訪れてみたいものです。

参考

太陽光採光システム

太陽光採光システムとは

屋外に設置された集光機のレンズで太陽の光をあつめ、導線でつないで室内に直接送るというシステムで、究極のエコ照明です。

導入例としては、日中でも日が当たらない部屋などに自然光を入れたりする例が多いようです。その分昼間の電気代が浮くだけでなく、一番身近な光源からの直接の光が部屋に入るので、雰囲気がガラッと変わり、気分まで明るくさせてくれるというユーザーの声も多いようです。さらにレンズで光を集める際、紫外線、赤外線をカットしてくれるので、直射日光よりも体にやさしい、高品質な太陽光ともいえます。

製品紹介

現在販売されている太陽光採光システムの内容、価格などをご紹介します。

ひまわり

森ビルグループの森磯株式会社が株主のラフォーレエンジニアリング株式会社が販売している太陽光採光システムです。この製品の開発者は慶応義塾大学理工学部教授で、森ビル創業者・森泰吉郎の長男森敬博士です。

「ひまわり」の特徴は、太陽の位置によって自動追尾して一日中高効率で採光できるシステムであるところ。この稼働に必要な電力は一日あたり1円程度。太陽光パネルを付属すると完全に電源独立型の照明器具になります。採光から照明に繋がる導線には光ファイバーを使っていて、10m、15m、20mの商品展開があります。それ以上の長さについても相談できるとのことです。

価格は観に6眼(照明1つに接続)が350,000円から、12眼(照明2つに接続)で680,000円からの取り扱いで、それ以上の大型システムについても見積もりできます。

ソラチューブ

オーストラリアの「SOLATUBE」は、住宅用、産業用のデイライティングシステムおよび、特に大規模な産業用に「ソーラーマスター」を販売しています。導線には99%超という高反射率のアルミチューブを利用しています。

日本での総代理直販店は、このソラチューブの採光システムを軸に、日本の家屋に合った付属の施工部品などの独自開発で、日本専用の「スカイライトチューブ」として商品展開しており、海外製のスペックの違いによる不具合なども解消しているため、安心してお求めになれます。

参考価格として、住宅用の小さいサイズの採光器(160DS)に付属品と工事費を入れて157,500円程度です。お近くの施工店でさらに詳しい費用についてはお聞きください。

その他の太陽光採光システム

他にも3M™ が太陽光採光システムを販売しているほか、産業用にはミラーを使った採光システムなどもあります。太陽光採光システムの商品の紹介ページにメーカー紹介があります。

エコステ/太陽光でエコな駅

電車は、自家用車、バス、海運、航空と比べた場合、二酸化炭素排出量が一番(断トツで)低く、エコな移動手段であるといえます。それに加えてJR東日本では、の消費電力を再生可能エネルギーでまかなう、「エコステ」という取り組みで、より環境への負担を減らす努力を行っています。

四ツ谷駅

「エコステ」モデル駅の第一弾は四ツ谷駅です。2008年度比でCO240%削減を目標に、省エネ設備導入、駅社員の積極的な省エネへの取り組みを行っています。

具体案では証明器具をLEDに取り換えたり、太陽光発電(50kW)を設置することでCO2削減に取り組むほか、駅周辺の緑化や、エコ情報表示板の設置なども合わせて行い、利用者や従業員のエコ意識向上にも貢献する駅の実現を目指しています。太陽光発電システムはパナソニックのHIT、それに加えて蓄電システムやLED照明もパナソニックのものを導入しています。

パナソニックの太陽光パネルの詳細・最安値情報

2012年3月に本格稼働しました。

平泉駅

エコステ第二弾は岩手県の平泉駅です。史跡が多く残るこの土地は2011年6月に世界文化遺産にも登録されており、緑に囲まれた環境も踏まえてモデルに選ばれました。

四ツ谷駅同様LED照明や駅舎の断熱性を向上させることで省エネを、太陽光発電(四ツ谷の1.5倍以上の7.8kW)と蓄電池(240kWh)で創エネをし、エコ情報表示の設置でより意識、実感を高めることで、駅で消費するエネルギーの80%をまかなう計画です。

今年(2012年)6月28日に稼働開始。

海浜幕張駅

第三弾は千葉の海浜幕張駅に決まりました。海際の強い風力を利用するために、今回は風力発電も取り入れられます。この他にも「太陽光採光システムや「クールチューブ」といった設備も導入し、駅全体で現在の二酸化炭素排出量より2割を削減する見込みです。2013年から稼働できるよう、8月から工事が開始しています。

この他にも、中央本線小淵沢駅での検討がなされています。