千葉県の山地に30MWのメガソーラー、パネルは東芝・京セラ

2015年3月、日揮は千葉県鴨川市内浦に「鴨川みらいソーラー太陽光発電所」を立ち上げたことを発表しました。出力は31.211MWで、想定年間発電量は、一般家庭9000戸分の年間消費電力に相当します。この施設は、千葉県内で2番目に大きいメガソーラーとなります。計画段階での総事業費は約100億円です。

この太陽光発電所の特徴は、建設地が海岸から約2.5km離れた標高約100mの山地であることです。最大限の発電出力を得るために、複雑な土地形状に合わせた設計・建設を行っています。太陽電池モジュールは

国産品にこだわり、東芝京セラの製品を合計約12万5000枚採用

したといいますが、
東芝のパネルはどれも国産ではなくOEM販売をしている点について理解の上かどうかは記事では触れられていません。

日揮が事業開発から、設計、調達、建設、事業運営に到るまでを単独で行っています。これまでの経過としましては、大蓉工業の所有地(36万平方メートル)を借り、2013年9月用地造成工事開始、2014年3月発電所本工事着工、2014年11月送電線への接続工事完了・試運転開始、2015年1月商業運転開始となっています。
運営は日揮の100%子会社である鴨川みらいソーラーがおこなっており、今後20年間は固定価格買取制度(FIT)を利用して東京電力へ売電します。

参考

千葉県に世界最大13.4MWの水上フロートメガソーラー計画

千葉県企業庁では2014年10月より環境負荷を目的に同県、山倉ダムの水面において水上設置型太陽光発電システムを設置、運営する事業者の公募を行っており、京セラ株式会社と東京センチュリーリース株式会社が共同出資する京セラTCLソーラー合同会社が応募し、事業候補会社として採択されました。それを受けて、2014年12月22日に同会社は山倉ダムにおいて水上設置型としては世界最大級となる13.4MWのメガソーラー発電事業に取り組むことを発表しました。今後は東京電力などと協議し、2016年3月の稼働を目指すことになっています。

この発電事業では山倉ダムの総面積はおよそ60万平方メートルのうち約3分の1にあたる水面18万平方メートルを使用し、京セラ製の太陽電池モジュールを約5万枚設置する計画です。
総発電能力はおよそ13.4MWにのぼり、年間発電量は一般家庭約4300~4700世帯分の年間電力消費量に相当する1564万kWh(15.64GWh、設備利用率は13.3%)となる見込みで、さらに年間約7800トンの二酸化炭素の削減にも貢献する予定としています。発電した電力はすべて東京電力に売電されます。

ダムの水上に太陽光発電パネルを設置するための浮体構造物は国内外で広く使用されているフランスのシエル・テール社製です。水上に太陽光発電パネルを設置する場合には陸上に設置する場合よりも浮体構造物が必要となる分だけ費用が必要になりますが、太陽光発電パネルの温度上昇を抑えることができるので発電効率を上げることができます。また太陽光発電パネルが風の影響を受けて水につかったり揺れたりすると発電効率に影響があるので浮体構造物の性能と設置方法が重要になってきます。

事業スキームについては従来どおり合同会社が事業運営行うことになり、発電所の維持や管理に関しては地元企業の協力を得ながら、発電所近隣に環境学習施設を整備して地元の子供たちにむけて環境学習を実施しながら地域貢献をしていくことなども事業計画に盛り込まれています。

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「F勝浦太陽光発電所」

各地でメガ単位の太陽光発電所の建設を行うNTTファシリティーズ
千葉県の勝浦市の、新電元工業株式会社が保有する土地に、
今月8日から1.253MWのメガソーラーの建設を始めると発表。
名称は「F勝浦太陽光発電所」です。

5か月の工期で完成を予定する同メガソーラーは、
NTTファシリティーズが独自で開発した発電診断システムを利用しているということ。

遠隔による自動診断で
ストリング(パネルが直列に並ぶ一回路分)/パワーコンディショナ/接続箱
といった単位ごとに発電診断を行い、さらに見える化することで、
故障や不具合に早急に対処できるというものだそう。

参考

インリーソーラーが2MWの屋根借り太陽光発電にパネル供給

インリーソーラーが株式会社日本ベネックスによる日本最大級の屋根借りメガソーラー「ベネックス流山ソーラーポート」にパネル供給をしたと発表。
使用されるのは単結晶PANDAシリーズののモジュールで、千葉県流山市で行われるということですが、どの施設の屋根を借りるかはリリースでは公表されていません。
2MWを一括で設置できるとなると、かなり大きな屋根だと思います。

成田スカイアクセス沿線の未利用地に太陽光発電

千葉県の企業庁が、成田スカイアクセス沿線の未利用地を発電事業者に貸し付けることを検討しているのだとか。

同庁によると、県営の鉄道などが計画されながらも計画がぽしゃったような用地が、約24haもあるのだとか。これだけの面積があれば、15~20MW近くは設置できると考えられます。
平均幅員12.5m、全長は15kmという、線路を通す以外に使い道が無いような独特の土地の形状ゆえ、いままで特に使い道がなく放っておかれたようですが、太陽光発電をするにはぴったり!

線路内に太陽光発電を設置する実証実験なども行われている昨今、鉄道用に取っておいて使わなくなった土地は、結構多いようで、こうした土地が太陽光発電設備のために利用される例がどんどん増えてきそうです。

参考

千葉県柏市で三井不動産の国内初・太陽光による電力融通スマートシティ

三井不動産が環境共生都市・健康長寿都市・新産業創造都市を目指して街づくりを進めている千葉県柏市「柏の葉スマートシティ」で、太陽光発電と蓄電池による施設間での電力融通が始まります。

現段階では太陽光発電を設置しても売電に回す事業がほとんどですが、三井不動産の柏市での試みでは、系統を通じた売電に頼らず自社施設内で消費され、しかも地域内の2つの施設で電力融通をする事で、地域単位でのピークカットに貢献できるといいます。

具体的には平日オフィスでの電力需要が高まる「ゲートスクエア」(オフィス・ホテルなど)から「ららぽーと柏の葉」(商業施設)に電気を供給、休日はその反対に電力融通を行い、地域レベルで約26%の電力ピークカットを行うということ。

このピークカットによりCO2削減だけでなく、両施設合計で電力料金削減など年間約1,000万円の経済的なメリットを見込んでいるそう。

「ららぽーと柏の葉」には、太陽光発電が約500kWと大規模蓄電池約11,850 kWh(出力約1,800kW、2014年6月下旬設置予定)を設置。
「ゲートスクエア」は現在開発中で、太陽光発電約220kWと蓄電池約3,800kWh(出力:約500kW)を設置。
さらに非常時に稼働させるガス発電機(発電出力:約2,000kW、設置済み)を設置する計画。

各施設や分散電源をICTネットワークでつなぐAEMS(Area Energy Management System)の構築で各施設の発電量や蓄電量、電力使用量、地域の気象情報や災害情報などのデータを収集・分析して今後の電力需要や発電・蓄電量を予測し、地域における最適な電力供給計画を策定します。

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今回、柏の葉におけるグリッドシステムがもたらした経済的なメリットは、主にピークカットによって契約電力を減らせることなどが貢献した結果で、昨今のメガソーラーとは区別されるもの。つまり、売電に頼らずとも太陽光発電による経済的なメリットを享受できる、先例的な事業と言えます。

スマートで災害に強い、エコな街づくりを実現した結果としての今回のような経済メリットは、企業にとっても、社会にとっても喜ばしいですね。

40MWの新事業も!売電価格下がるも、メガソーラーの建設の勢いは弱まらず

売電価格が改定されることがほぼ確定となっていますが、そんな中でも企業や自治体のメガソーラー建設のブームは続きそうです。
最近出ていたメガソーラー関係のニュースをまとめました。

事業主:士幌町(しほろちょう/北海道
場所:中士幌地区の町有地
規模:988kW
稼動予定:2014年1月
自治体が主体となって行い、地域への利益還元を図る。年間で1,000万円ほどの益金見込み。
収益金は、浄化槽の整備など地域の環境対策費用として活用していくほか、工事の施工や施設の管理も地元業者が行い、地域ぐるみで取り組む事業となる。
参考

事業主:徳島市
場所:名西郡石井町 第十浄水場敷地内
規模:750KW
稼動予定:2014年度完了(順次稼働)
徳島市は他にも、住宅用の太陽光発電への補助金に1,000万円(助金額1件5万円、募集件数200件)、市立保育所に太陽光発電設備を設置するための予算として1,000万円を計上し、様々な方向から市の太陽光発電の設置数増加に努める。
参考

「富津ソーラー」
事業主:株式会社富津ソーラー(リサイクルワン及びミツウロコグリーンエネルギーの出資法人)
場所:千葉県富津市
規模:40MW(40,000kW)
稼動予定:2015年夏
参考

事業主:西武グループ
場所:武蔵丘車両検修場屋根および宮崎県日南市
規模:2,400kW(2か所合計)
稼動予定:2014年1月・2013年10月に
西武ホールディングスでは、2015年度までには、全国複数箇所で太陽光発電設備を設置する考え。
参考

事業主:帝人
場所:三原事業所(広島県三原市)の遊休地
規模:1,990kW
稼動予定:2014年7月
参考

事業主:タカラレーベン
場所:栃木県塩谷郡塩谷町
規模:3MW(3,000kW)
稼動予定:2014年8月
同社は首都圏で初めて戸別売電可能太陽光発電マンションを企画販売するなど、自然エネルギーの活用を積極的に推進している。
事業の目標を2014年3月期中に出力10MWとしている。
参考

40MWの事業は結構大規模です。
固定価格買取制度での売電価格は下がるものの、ミツウロコ新電力事業者として小売事業も行っています。
通常20年間の売電後は、電力会社の「言い値」で販売することになりますが、自身が電力販売事業も兼ねていれば、売電期間が終わっても比較的安定した収入になるとも考えられます。

ap bankのメガソーラー

音楽プロデューサーの小林武史と、Mr.Childrenの櫻井和寿に、坂本龍一氏の3名を中心に2003年に設立されたap bank
apは「Artists’ Power」と「Alternative Power」からきています。

環境保全のための活動やプロジェクトへの融資に加え、音楽イベントや自身のプロジェクトを通して環境意識の向上、また2011年以降は復興支援などの活動も精力的に行っています。

そのap bankが、太陽光発電事業を始めると発表しました。

「木更津SOLAR FARM」

ap bankが融資を行った千葉県木更津市の農場「耕す 木更津農場」の土地に約1MW(999.36kW)のメガソーラーを建設し、売電を行うということです。
施工は日本エコシステムが担当します。

参考