ファーストソーラー、米建築メーカーとマイクログリッド向け太陽光発電技術の開発で提携

建設・鉱山機器の大手メーカーで知られるキャタピラー社(米国)は2015年4月30日、太陽光パネルの大手メーカーであるファーストソーラー社(同)と提携したことを発表しました。

今回の提携は小規模地域や鉱山など遠隔地のマイクログリッド向けの太陽光発電技術を開発するために行われたもので、ファーストソーラー社が設計からサポートまでを一貫で供給するパッケージ型システム「ターンキー」の開発を担当し、それをキャタピラー社が自社の建設機器ブランド「Cat」を冠した形で供給していく予定です。

キャタピラー社は2015年後半にもアジア太平洋、アフリカ、ラテンアメリカにおいて同システムの供給を開始すると表明しています。

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カリフォルニア州26MWの太陽光発電所に500万米ドル助成で米国最大のマイクログリッド構築

カリフォルニア州エネルギー委員会は、2月17日、米国の電力事業者であるSan Diego Gas & Electric(SDG&E)社に約500万米ドルの助成を与えました。
この助成はボレゴ・スプリングスにあるマイクログリッドに合計出力約26MWのメガソーラー(大規模太陽光発電所)を導入するための資金とされており、この拡張によってボレゴ・スプリングスのマイクログリッドは米国最大規模になると言われています。

拡張するマイクログリッドは太陽光発電をベースとしたもので、電力供給の信頼性を高めたうえに、効率を上げるための技術革新及び再生可能エネルギーの利用を優先させる制限技術の導入を検討しています。
このマイクログリッドは大容量のエネルギー貯蔵システムを備えており、日中はメガソーラーが発電した電力のうち使用されなかった余剰分を貯蔵し、夜間に放電する仕組みとなっています。上位の電力網に接続するとともに、地域の発電所やエネルギー貯蔵システムを融合した電力網となっているため、非常時の地域への電力供給源としても期待されています。

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米インフラ企業、ナイジェリアで合計1.2GWの太陽光発電所を開発

アメリカの再生可能エネルギー発電開発事業者である、New Generation Power(NGP)社は、Motir Seapire Advisors社と共同でナイジェリアに大規模太陽光発電所の建設を行う方針を明らかにしました。合計の出力規模は1200MW(1.2GW)。Motir Seaspire Advisors社はアメリカのインフラ開発関連の企業です。

現在ナイジェリアは、国民の約6割の人々に電力が供給できていないいわゆる無電化地域が大半を占める国であり、太陽光発電の有望な市場としても期待されています。今回開発する太陽光発電所は、約59万400MWhの発電量が見込まれていて、ナイジェリアの家庭の約100万世帯の消費電力が賄えるといわれています。

工事の予定としては、2015年までに着工して、その後2年以内に稼働を開始することになっています。投資額は、アメリカドルで約20億ドル以上にのぼると試算されています。今後の資金調達や計画の立案・建設についてはナイジェリア政府との協力しながら行われる予定です。

今回農村部を中心とした電化政策の先には、地域ごとのマイクログリッドミニグリッド構築を視野に入れているということ。

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来間島の100%電力自給自足の実証実験に、蓄電池2号目の建設が決定

県のスマートエネルギーアイランド基盤構築事業の一環として地域内での電力自給率100%を目指す実証実験を行っている沖縄県の宮古来間島ですが、自給100%を目指すには蓄電システムの容量が足りず、2号機が増設されることになったのだそうです。

来間島のピーク時(夏場)の消費電力量は、88戸(約100世帯)全体で220kWになるのだそう。
現在の蓄電池システムは176kW。(容量が176kWhなのか、出力が176kWなのか、記事では明らかではないので、分かり次第追加します。)

88戸の島で太陽光発電の電力を100%自給するにはいくらかかる?

この蓄電池システム、1基あたり1億8,126万円もかかるのだそう。
沖縄県と自治体の予算でまかなわれます。

興味本位で計算してみたのですが、
例えば各家庭で電力の自給自足をそれぞれ行おうとすると、約6kWのパネルと、約12kWh程度の蓄電池を購入するとして500~600万円程度かかります。
来間島の88戸それぞれに同様の設備を付けたとすると、4億4,000万円〜5億2,800万円くらい。

一方この実証実験では総システム費4億7,652万円程度がかかっていると予想します。
内訳は太陽光発電システム380kW×30万円と、
1基1億8,126万円の蓄電池システム×2台。
もっとも総事業費は公開されていないのであくまで推定の費用で、エネルギーマネージメントシステムなどでさらに増えるのかもしれませんね。

2台目の蓄電池を設置するための予算を捻出するのに県からの予算措置が取られたことから、市も特別会計補正予算の措置を行ったのだそう。
沖縄県内の太陽光発電の系統連携が、全量において新規申請の回答保留状態であるいま、県も同実証実験に期待を込めているということでしょうか。

今年度末でいったん運用の区切りが付けられるこの実証実験事業。運用報告には全国から注目が集まりそうです。

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カナディアンソーラー、拠点のカナダ、オンタリオ州でマイクログリッドセンター開設

マイクログリッドのための研究が世界中で始まっています。

カナダオンタリオ州に拠点を置くカナディアンソーラーは、オンタリオ州の一部資金援助のもと、マイクログリッドテストセンターを開設した発表。マイクログリッドの開発を進める優秀な専門家を集め、マイクログリッドソリューションテストや、システムソリューションの設計とスマートグリッドの評価サービスを行っていきます。

「公益事業、大学やカレッジ、コミュニティ、マイクログリッドソリューションの開発に従事する企業に共有可能なサービスを提供するため、共同研究者とともに取り組みます」ということですが、拠点のオンタリオ州での雇用創出などにも積極的に取り組んだカナディアンソーラー。拠点の自治体との関係づくりに積極的なのは、ソーラーフロンティアの姿ともかぶります。

カナディアンソーラーのプレスリリースから

新しいマイクログリッドソリューションは、再生可能エネルギーシステムを既存のマイクログリッド、オフグリッドインフラに組み込む為の試験や、開発を行うオンタリオ州のスマートグリッド産業の競争力を向上します。マイクログリッドテストセンターによって、ファースト・ネーション(カナダ先住民)、オンタリオ州北部の遠隔地や鉱山プロジェクトは、直接的な恩恵を受けるでしょう。

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ハワイ州の全公立校に太陽光発電、マイクログリッド統合なども計画

ハワイ州では、公立の学校の全てに太陽光発電システムを導入することを決定しました。
電気代の削減だけでなく、科学や工学、数学などの教材としても使用されるそう。

2011年にオアフの4校に太陽光発電を設置して以来、2012年には47校にまで拡大していったこのプロジェクト。州内の全校に普及することで、ハワイ州の人々が一丸となってエコ認識を高めて行く様子は、なんだか海と自然の美しいハワイに、似つかわしい姿である気がしますね。

計画では3校の太陽光発電システムはマイクログリッド統合され、系統から独立して地域の電力インフラとして使っていくことになるのだそう。
この先はマイクログリッドの規模拡大なども視野に入れているのでしょうか?

沖縄同様、世界各地域における島でのエネルギー対策に、今後も注目していきたいところです。

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北見工大の「マイクログリッド」実験、電力と熱の効率利用に着目

北見工大が行っているマイクログリッドの実験についての記事がありました。

マイクログリッドとは、太陽光発電などの再生可能エネルギーを含む分散型電源を、それぞれの発電設備の特徴(環境により発電量に差が出るなど)を融通し合えるようコンピュータ管理することで、小規模で地産地消が可能な電力網を実現させるアイデアで、大規模な電力会社によってほぼ独占されている電力事情からの脱却への貢献が期待されています。

北見工大が行う実験はさらにエネルギーの効率利用に加えて、積寒冷地における熱供給の融通も効くモデルをつくるために、国内初の模擬装置を導入しているところが特徴。

北海道は大規模太陽光発電施設の建設に適した環境をもっていながら、「系統のキャパシティオーバー」のために新たな大規模ソーラーの建設をの断念や、規模の縮小を余儀なくされている事業もあったため、こういったマイクログリッド設備が将来北海道のような地域いもたらす恩恵は大きく感じられます。