田淵電機、蓄電池付きパワコンを北米展開

田淵電機は4月中にもカナダ、米国の地域電力会社向けに蓄電池付きパワーコンディショナー(太陽光発電された電気を家庭などの環境で使用できるように変換する機器)「EIBS(アイビス)」の販売を始めます。

太陽光発電設備の普及に合わせて電力使用量の安定化による需要を狙い、5月頃をめどに栃木工場で順次量産開始2016年3月期に同製品による海外向け売上高で20億円超えを目指す見込みです。EIBSは出力5・5kWの蓄電池を組み合わせた製品で、太陽光で発電した電力を蓄電池にため必要に応じて出力することができます。蓄電池はパナソニック製円筒型リチウムイオン二次電池を1台あたり700本以上使います。近く米国製品規格(UL)を取得する予定です。

システムインテグレーターや設備施工会社を通じて地域電力会社に販売する予定で既にカナダではオシャワ・パワー(オシャワ市)が同製品を買い上げ一般家庭に貸し出す方法を検討中です。同市は積で送電線の断線が発生しやすいため、停電時バックアップ用として約5万5000世帯に導入提案をします。
5月にはオシャワ・パワーと協力して新築住宅30戸で実証試験を始めます。

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カナディアンソーラー、ブラジルで3つのメガソーラープロジェクト受注、出力は合計で114MW

カナダのカナディアン・ソーラーは、Solatio社と提携してブラジル連邦共和国のミナスジェライス州バザンテに3件の大規模太陽光発電所を開発と建設を行います。Solatio社は、早期からブラジルで太陽光発電技術の開発に着手していた、ノウハウ豊かな太陽光発電システムのリーダー的な存在の会社です。

3件の大規模太陽光発電システムの合計の発電量は114MWになり、1MWh当たり216.12レアルで20年間販売する契約をブラジル政府機関と提携しています。
カナディアン・ソーラーの会長兼CEOのショーン・クゥ博士は、カナダで培った太陽光発電の経験を活かして、ブラジルにて差別化のできるビジネスサイクルの拡大を狙いたいとコメントしています。また、カナディアン・ソーラーの技術力を証明し、世界中の太陽光エネルギーの需要拡大につながるだろうともコメントしています。
一方、Solatio社のベドロ・ヴァクー氏は、ブラジルの地域産業や国への深い知識を生かして、ブラジルのえねるびー分野での成功を狙いたいとコメントしています。また、カナディアン・ソーラー社とSolatio社の提携契約は、ブラジルでの大規模太陽光発電所の開発プロジェクトにおいて、完璧な組み合わせだともコメントしています。

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カナダ最大!オンタリオ州のサムスンによる140MWメガソーラーはカナディアンソーラーの施工

オンタリオ州で子会社のサムスン・リニューアブル・エナジーを通して再生可能エネルギー関連事業を進めるサムスン物産とカナディアンソーラーの連携事業について、以前もお届けしましたが、サムスン・リニューアブル・エナジーは今回さらに、140MWというカナダでは最大規模となる太陽光発電所「キングストン・ソーラーLP太陽光発電所」の建設を発表。そのEPCにはカナディアンソーラーが行うことになるそうです。

2015年第3四半期には稼働開始予定のこの大規模太陽光発電所の建設事業は、サムスンとオンタリオ州によるグリーン・エネルギー投資協定(GEIA)の一環で、昨年6月10日に発表された「グランド・リニューアブル・エネルギーパーク(130MW)」に続くものです。

カナダ、オンタリオ州の設備利用率

さてこの140MW分のメガソーラーは、年間発電量173,000MWhを見込んでいるのだそう。設備利用率は14.1%。日本の平均は13%といわれますが、オンタリオ州は高緯度でありながら日本よりも太陽光発電の発電量が多く得られる地域となっています。

年間の日照時間を見ると2,235時間と、日本で一番日照時間が長い山梨県に勝る天候の良さ。夏場も気温が日本ほど上がらず、熱による出力損失が少ないと予想されます。

カナダの電力消費量と世界の電力格差

太陽光発電に適した気候といえるカナダのオンタリオ州ですが、一方で一世帯当たり年間に10,500kWh超の電力を使用しているのだそう。
これは日本の平均(3,600kWh)の約3倍に相当します。
あらためて、各国の電力事情の違いの大きさを感じますね。

ちなみにアメリカは日本の約4倍ブラジルは日本の45%程度の電力が一般的な住宅で消費されているそう。
また、世界の他の地域には無電化地域もまだまだあります。

と、サムスンのメガソーラーの話からかなり話題が飛躍しましたが…

分散型で初期投資が比較的少なくて済む太陽光発電は、各地域でそれぞれの電力事情に合わせて普及することで電力格差の解消に役立つことが期待されます。
また既に電力が十分にいきわたっている国では、省エネや節電など、同時進行ですべきことがまだまだ残っているような気がします。

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ソニーがカナダの電力大手と合弁会社設立、電力系統用の大規模蓄電システムを開発

ソニーが、カナダ最大の電力会社であるハイドロ・ケベック社と、主に電力系統用の大規模蓄電システムに関して研究・開発するため、2014年6月に合弁会社を設立する予定だと発表。

今回の新会社設立は、大容量の電力を効率的に安定供給するために高い安全性と信頼性を持つ電力系統用の蓄電システムを開発する事を主な目的としています。

ソニーの安全性・信頼性の高いオリビン型リン酸鉄リチウムイオン二次電池と拡張性の高い蓄電モジュール・システムの制御技術、ハイドロ・ケベックの電力系統の運用・制御技術とリチウムイオン電池材料技術、それぞれの強みを生かして大規模な用途でも高い安全性と信頼性を実現するシステムに加えて、電力系統用に適した電池材料技術の研究・開発を行い、変電所におけるピーク対策や再生可能エネルギーの系統連系など、拡大するさまざまな用途への有効性の検証を行っていくとのこと。

ソニーは新会社の設立で、すでに進出している家庭・オフィス用蓄電システム市場に加えて、より大規模な蓄電システム市場への進出で、蓄電池事業を拡大していきたい模様。

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カナディアンソーラー、拠点のカナダ、オンタリオ州でマイクログリッドセンター開設

マイクログリッドのための研究が世界中で始まっています。

カナダオンタリオ州に拠点を置くカナディアンソーラーは、オンタリオ州の一部資金援助のもと、マイクログリッドテストセンターを開設した発表。マイクログリッドの開発を進める優秀な専門家を集め、マイクログリッドソリューションテストや、システムソリューションの設計とスマートグリッドの評価サービスを行っていきます。

「公益事業、大学やカレッジ、コミュニティ、マイクログリッドソリューションの開発に従事する企業に共有可能なサービスを提供するため、共同研究者とともに取り組みます」ということですが、拠点のオンタリオ州での雇用創出などにも積極的に取り組んだカナディアンソーラー。拠点の自治体との関係づくりに積極的なのは、ソーラーフロンティアの姿ともかぶります。

カナディアンソーラーのプレスリリースから

新しいマイクログリッドソリューションは、再生可能エネルギーシステムを既存のマイクログリッド、オフグリッドインフラに組み込む為の試験や、開発を行うオンタリオ州のスマートグリッド産業の競争力を向上します。マイクログリッドテストセンターによって、ファースト・ネーション(カナダ先住民)、オンタリオ州北部の遠隔地や鉱山プロジェクトは、直接的な恩恵を受けるでしょう。

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太陽電池のついたノートパソコンをアフリカ市場にむけて開発

先日キックスターターで資金調達が叶わなかったソーラーパネル×蓄電池付きのヘッドフォンの話題をお伝えしましたが、今回は是非うまくいってほしい事業です。

カナダオンタリオ州WeWi Telecommunicationsが開発したノートパソコンSol」。アフリカなどの地域に太陽電池でバッテリーの充電ができるノートパソコンを販売する事業を始めました。

アフリカなどの無電化地域では、固定電話のインフラが整わないために携帯電話の普及が進んだり、電力網の整備に先行して独立型の太陽光発電の設置が進められたりと、先進国のテクノロジーの歴史をそのまま繰り返さない形でのイノベーションが起こることが多く、今回の製品も電力インフラが整わないアフリカ地域に向けた製品として開発が進められました。

一台250~300カナダドル(約24,000~28,800円)のこのノートパソコンの初回受注分約20,000台は、まずはガーナの顧客に向け販売される予定。

以前にもサムスンがケニヤやアメリカなどの市場に向けて太陽光発電付きのノートパソコンの販売を試みたのですが価格や性能の面で思うように普及は進まず、WeWi Telecommunicationsの製品はそれを解決できるよう、より短時間で充電できることや、低価格化などの面で改良をしていったのだそう。

太陽光発電は、発展度の異なる国や地域の差を埋めるソリューションとなる可能性の高い技術だと感じます。

Samsungのエネルギー事業、オンタリオ州ロンドンでカナディアンソーラーと提携

サムスン物産(SAMSUNG C&T)のサムスンリニューアブルエナジーは、再生エネルギー事業に50億ドルを投資して、各地域におけるエネルギー事業でパートナー企業と提携、それぞれの土地にクリーンエネルギー事業の雇用を生み出すとともに、クリーンエネルギーの発電設備の建設を行い、世界全体で合計1369MWを再生可能エネルギーによって生み出す計画を進行しています。

これまでにカナダオンタリオ州において、ティルソンバーグでシーメンスと、ウィンザーでCS Windと、トロントでSMAと提携を結び、今回4社目の提携となるカナディアンソーラーとロンドンでの提携を行い、新たな製造拠点を開設。
サムスンとオンタリオ州政府との間で結ばれているグリーン・エネルギー投資協定(GEIA)に従って、ロンドンだけで200人、オンタリオ州全体では9000人の再生可能エネルギー関連の雇用を生み出すことになります。

今回ロンドンに開設されるカナディアンソーラーの工場では太陽電池モジュール(ソーラーパネル)と中電圧の発電装置が生産され、州内に3か所建設が予定されている各100MW、合計300MWの太陽光発電施設(ハルディマンド郡のGrand Renewable Energy Park、キングストンおよびロイヤリストのSol-Luce Kingston Solar PVプロジェクト)やGEIAによる未来のソーラープロジェクトを含む、サムスングループにおけるオンタリオ・ソーラー・プロジェクトに製品が供給されます。

またこの施設は、カナディアンソーラーの研究や製品開発の中心地としても使われる他、サムスンがエンジニアリングや調達・建設業務を行う際の拠点としての役割も果たします。

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各国の太陽光発電累積設置量・最新情報

各国の導入状況が発表され次第、随時更新していきます。参考までに各国の総電力需要に占める太陽光発電の割合も併せて掲載しています。なお、地域によって太陽光発電の設備利用率は異なりますが、平均的な設備利用率が把握できる国については表中の数字を使ってご案内しています。それ以外の国については日本の設備利用率13%(1kWあたりの年間発電量1140kWh)で計算してご案内しています。

国名 累積設置量 国の電力需要(MW) 設備利用率 太陽光割合 データ更新月 URL
中国 43,530 MW 5,463,800,000 16% 1.1% 2015年12月 参考
ドイツ 39,700 MW 582,500,000 11% 6.6% 2015年末 参考
日本 34,347 MW 859,700,000 13% 4.6% 2015年12月 参考
アメリカ 25,910 MW 4,686,400,000 17% 0.8% 2015年12月 参考
イタリア 18,920 MW 307,200,000 8.0% 2015年12月 参考
フランス 6,580 MW 462,900,000 14% 1.5% 2013年6月 参考
スペイン 5,440 MW 249,700,000 16% 3.2% 2015年12月 参考
オーストラリア 5,093 MW 2015年12月 参考
インド 5,048 MW 938,823,000 19% 0.9% 2015年12月 参考
イギリス 3,510 MW 323,300,000 10% 2.5% 2015年12月 参考
韓国 3,421 MW 2015年12月 参考
ベルギー 3,250 MW 84,780,000 4% 2015年12月 参考
ギリシャ 2,610 MW 59,530,000 7.4 % 2015年12月 参考
カナダ 2,500 MW 2015年12月 参考
チェコ 2,085 MW 59,260,000 3.5% 2015年12月 参考
オランダ 1,570 MW 112,500,000 1.2% 2015年12月 参考
タイ 1,444 MW 2015年12月 参考
台湾 1,176 MW 2015年12月 参考
南アフリカ 1,122 MW 2015年12月 参考
パキスタン 1,000 MW 2015年12月 参考
オーストリア 937 MW 65,670,000 12.7% 1.5% 2013年11月 参考
イスラエル 870 MW 2015年12月 参考
チリ 854 MW 2015年12月 参考
デンマーク 789 MW 32,070,000 10.8% 2.3% 2015年12月 参考
ポルトガル 454 MW 48,270,000 14.5% 1.2% 2015年12月 参考
アルジェリア 300 MW 2015年12月 参考
メキシコ 205 MW 2015年12月 参考
スロベニア 195.6 MW 14,700,000 1.5% 2012年11月 参考
フィリピン 156 MW 2015年12月 参考
サウジアラビア 100 MW 2015年12月 参考
ブラジル 69 MW 2015年12月 参考
アラブ首長国連邦 24 MW 2015年12月 参考
エジプト 16 MW 2015年12月 参考

イタリア、ドイツは全体から見た割合も高く、「太陽光先進国」と言われるだけあります。
チェコも、経済的に無理をしてでも導入促進をしているだけあって、割合的には日本を大きく上回っています。