寄棟屋根でも大容量設置可能の「スマートパワーステーションGR」(積水化学工業)

積水化学工業は、寄棟屋根でも大容量の太陽光発電を設置できる「スマートパワーステーションGR」の販売開始を発表しました。

一昔前の流行った「住宅で10kW以上の(産業用)太陽光発電の家」との違いは、大容量の太陽光発電を基本的に自家消費できるよう蓄電池の搭載を標準化しているところです。

また今回は屋根の形状にもバラエティが得られるよう、寄棟屋根の商品ということで、トップ部分の地上と平行になる面にも太陽光発電を設置しています。
設置面数を複数にすることで1日を通しての発電量の時間差を少なくできるメリットもあります。(参考
もちろん、南一面の方が年間を通しての発電効率は良く、設置費用も抑えられるという利点がありますが、家を建てる時太陽光発電最優先の方ばかりではないことを考えると、片流れ一面や切妻屋根のようないわゆる太陽光発電に適した屋根でなくても容量を増やせるオプションは嬉しいかもしれません。

気になる価格ですが、
パネルメーカーは京セラで、太陽光パネル9.09kW、蓄電池5kWh、HEMSなどを含めて坪単価74万円ということ。(38.5坪のモデルプラン)

これが高いのか、安いのか、ですが、
京セラは太陽光発電のメーカーの中でも、実のところ競争力が落ちているメーカーと言え、
価格競争力の高いソーラーフロンティアや、変換効率の高いパナソニックシャープなどのパネルと比べると価格のお手頃感がいまいちな場合が多いので、設計次第でもうすこし価格を抑えられる可能性もあるかもしれません。

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新京成電鉄、BCP(事業継続計画)として太陽光発電とEVを活用

新京成電鉄は災害発生した停電時でも鉄道やバスなどの機能の一部を維持して早期復旧の検討を進められる給電システムを構築し3月から運用を開始したことを発表しました。災害発生時の対策本部などの維持に太陽光発電と電気自動車(EV)を活用し、停電時は太陽光発電からの給電と蓄電池への充電を行い夜間には蓄電池で給電、電力が無くなればEVからも給電ができるという仕組みで各拠点間の通信や夜間照明も数日間運用が可能です。

新京成電鉄は大規模地震発生で被害を受けても中核事業として可能な限り鉄道事業を継続・早期復旧させることを目的に2014年8月より事業継続計画(BCP)運用を開始し、防災訓練も毎年実施しています。さらにBCP遂行のため非常事態に備え防災用品の備蓄や書庫の転倒防止対策などの対策も進めています。

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NEDOのアメリカでの実証実験で、日産自動車らEVの行動範囲拡大への有効性を検証

太陽光発電などの再エネ発電設備と組み合わせることで低炭素社会の実現に大きく貢献すると考えられるEV(電気自動車)は、現状で連続走行距離が短いことや、電源などのインフラの不足といった問題を抱えています。

EV(電気自動車)の普及に取り組む米国カリフォルニア州では、様々な優遇措置が行われ、全米内トップのEV普及台数ですが、その実態は、通勤や買い物といった近距離移動に限定利用されています。この課題を解消するため、カリフォルニア州北部都市圏において、調査を開始することが決まりました。

この事業では、特に都市間をつなぐ幹線道路における急速充電のインフラ整備と、誘導サービスシステムを導入し、その後、EVユーザーの行動を調査することで、対策の有効性を実証します。また、世界各国でのEV普及モデルが確立されることが期待されています。

同事業は、独立行政法人の新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が請け負い、日産自動車株式会社、Nissan North America社、兼松株式会社に委託して実施します。

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オランダで自転車用道路に太陽電池

少し前にアメリカのBrusaw夫妻によるSolar Roadwaysのニュースが話題になりました。クラウドファンディングで100万米ドルの目標額を220%も上回る資金調達に成功したこのプロジェクト、どこかで読んだことがある方も多いのではないでしょうか?もしかして、出資した方もいるかもしれませんね。

なんとオランダでは実際にこの太陽電池を道路に埋め込むアイデアを実際に形にし、実証実験を開始したのだそう。

SolaRoad_visualWeb

SolaRoad」と呼ばれる太陽電池の道はオランダのアムステルダム北西約15kmの位置にある、自転車専用道路100mに設置され、既に稼働が始まっているのだそう。
現在は系統に送電していますが、将来的にはEVや電動自転車に道路からそのまま充電できるようにすることも考慮に入れています。まさに、地産池消

パネルはBrusaw夫妻が開発したような特殊な形のものではなく、通常の太陽電池を強化ガラスで覆ったもので、5年間の開発費350万ユーロ(約5億円)を投じたとしているものの、20年の寿命の間に投資費用回収は可能としています。

三菱電機、世界初のEV用パワーコンディショナ「SMART V2H」を発表

三菱電機が7月1日に発表した新製品「SMART V2H」は、太陽光発電の電力とEVからの電力、系統からの電力の3種類を混ぜて使用することができる、世界初のEV用パワーコンディショナー

いわゆるV2H(Vehicle to Home)といわれるこのシステム、EVが蓄電池の役割を果たし、家庭内への供給とともに、太陽光発電からの充電も可能。
まさに、「スマート」なV2Hシステムですね。

停電時はEVを蓄電池として活用、6kWを安定供給

太陽光発電は停電時にも使えるとは言いながら、出力はパワコン1台につき1500kW。しかも太陽の日射量によって変動するために供給は安定せず、限られた用途にしか使えませんでした。

しかし「SMART V2H」はEVに充電してある電力と太陽光発電からの電力をシームレス充放電で切り替えができ、停電中も6kWの出力を安定して供給(供給可能な電力量はEVの充電残量と太陽光発電の出力に依存)できます。もちろん太陽光発電の余剰分をEVに充電することもでき、災害時の利用価値がかなり高まります。

販売開始は7月31日から。
現時点では日産の「リーフ」のみ接続が可能となっており、三菱自動車の「MiEVシリーズ」にも順次対応予定とのこと。
また製品の購入にあたっては電力会社との個別の系統連系協議が必要なため、現在はモニター販売に限定されています。

今後の汎用化に期待したいですね。

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BMWの太陽光カーポート

日本では、家屋の屋根でパネル設置容量が増やせない場合などにカーポートにパネルを設置して売電を行う例も増えています。この場合はあくまで売電するための装置だから、EVを持っていなくても関係なかったり、EVを使っていても発電分は全量売電をして、夜間の安い電力でEVを充電をする方が、お得っちゃお得。

しかし、こんなカーポートをお家に取り入れようとする方は、売電とかせこい事は考えずに、当り前のように発電したらEVで使おうとするのでしょうね。
そんなかっこいい生き方を選ぶ方のための、美しさも機能性も兼ね備えたソーラーカーポートはBMWが提案するコンセプト。

image via openers.jp

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EVを主軸としたサスティナブルモビリティを提案するBMWの新ラインナップ「i シリーズ」の発売に合わせ、BMWはソーラー発電をおこなうカーポートをデザインした

素材はカーボンや、日本でもなじみの深い竹を使用。
発電した電力を蓄電し車に供給したり、余剰を住宅に融通したり、足りない時はグリッドから電力を引いたり、と言ったことはもちろんすべて自動で行ってくれ、快適で美しい、スマートな未来のエコ生活には必需品と言えるかも。

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ファミマ、EV充電器を全国の500店舗に設置

コンビニ業界のエコ化が進む中、太陽光発電の店舗設置は他のコンビニに比べて一足遅い印象だったファミリーマート

EVの急速充電器については大きく一歩先に出たようです。

既に34店舗に急速充電器を設置しているファミリーマートですが、今回全国の500店にいっきに導入することになったその方法は、経済産業省の補助金と、自動車メーカー4社(トヨタ・日産・ホンダ・三菱)の支援制度を、使えるだけ使ったのだとか。

この充電器を使えるのは、基本的にはファミリーマートが提携するジャパンチャージネットワークの会員登録を済ませた人だけということ。
なお、上記の自動車メーカー4社によって今後新たに会員制充電サービスが開始される予定で、開始次第そちらの料金形態などに移行する予定だとか。

充電場所がまだまだ少ないこともあり、せっかく新設の充電器があっても使えない、なんてことがあるとEVのハードルを上げてしまいそうですよね。

そのあたりは新サービスの内容に期待したいです。

ちなみに、店舗に急速充電器を設置すると、充電中にお店に寄ってくれて買物をしてくれるメリットもあるので、太陽光発電の後はこのEV急速充電器の設置がコンビニ業界で流行りそうですね!

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ソーラーフロンティアのCIS太陽電池、トヨタホームのスマートハウスSINCÉ Cada(シンセ・カーダ)に採用

日本人の美的感覚の繊細さは随一ですよね。
「ソーラーパネルは付けたいけど、見た目があまり好きじゃない」
という方は意外に多くいらっしゃるのかもしれません。

トヨタホームの新商品「SINCÉ Cada(シンセ・カーダ)」はそんな方のニーズに応えるために、陸屋根にフラットにパネルを設置。また、シリコン系に特有の光沢をもった”いかにも”なパネルではなく、黒いマットなデザインが特徴なCIS太陽電池のソーラーフロンティアを採用しているので、グーグルマップで上から見られても恥ずかしくない!(?)

この「シンセカーダ」は2004年から発売開始された商品で、グッドデザイン賞も受賞しています。ソーラーフロンティア製のパネルを採用したモデルは4月26日から全国発売される予定。
(ちなみに見た目はかっこいいですが、設置角度0°だと南向きの場合の90%弱程度しか発電しないため、発電量売電収入を増やしたい、という場合は南向き片流れの屋根にしたほうがいいです。)

「スマート・エアーズ」・「在宅演出システム」・「リモート換気システム」など機能も充実のスマートハウス、気になる”エコ”部分では太陽光発電システムに加えて、リチウムイオン蓄電池やHEMSも搭載、そしてもちろんトヨタホームという事で、EVにも対応しています。

ちなみに10kWを搭載したい場合は、屋根面積が最低75㎡、22.5坪以上あれば、載せられる可能性が高いです。

デザイン性とともに、国産にこだわっているところなども評価されています。ちなみに積水化学のスマートハウスにもソーラーフロンティアが採用されています。おしゃれでエコな家を建てたい方はぜひ!

ちなみに後付でソーラーフロンティアのパネルを10kW家につけて全量売電をした場合、20年で560万円程度の収益が見込めるようです。

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北九州市の電気バス稼働開始

北九州市による電気バスの運行のニュースを以前おとどけしましたが、バスが実際に稼働を開始したということです。

72人乗りの電力駆動のバスは、エコタウンセンター(若松区)とJR戸畑駅(戸畑区)を結ぶ路線を1日2往復するのだそう。
高性能リチウムイオン電池一回の充電で、最大80kmの走行が可能ということです。

バスの稼働は今月26日に開始。
今後の展開としては、今年10月をめどに若松区響灘地区の9haの土地に7500kW(7.5MW)の太陽光発電を稼働開始、同時に発電所付近に設置する充電器によって電力バスへの電力供給を開始し、来春には大型蓄電池の運用開始で完全に太陽光発電による駆動を開始する予定。

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豊洲新市場に太陽光発電2MW、運搬車に電力を供給

東京都は、中央区築地から移転を計画する江東区の豊洲新市場の青果棟と水産卸売棟の屋上に、2MW(2,000kW)の太陽光発電を設置すると発表。
この発電施設で作られた電力で、構内を走る電力駆動の運搬車の電力を100%まかなう方針を明らかにしました。

自治体による環境対策が進む中、豊洲新市場の太陽光発電は、屋根の上に載せる設備としては大規模であることと、売電に頼らず、自家消費をするということでユニークだと言えます。

売電価格が下がる来年度は、こうした売電に頼らない事業が多様になることを期待したいですね。