NTTファシリティーズがメーカー別発電実証実験など、大規模施設を北杜市に建設

NTTファシリティーズが全国でもトップクラスの日照時間を誇る北杜市にFソーラーリサーチパークを建設し、太陽光発電の実証プロジェクトに取り組んでいます。海外製も含んだ主要メーカーの太陽電池モジュールを4万平方メートルの敷地に設置し、実際に太陽光を受けて施工性・耐久性をはもちろん発電性能などを検証しています。すでに2011年から開始しているプロジェクトですが、設備と実証テーマを大幅に増やした第2期プロジェクトが2015年から開始予定で、太陽電池モジュールは第1期と合わせ7か国のメーカーで25種類に拡大します。さらに40度の傾斜地にも27種類の太陽電池を設置し、合計では52種類の太陽電池を使う実証研究になります。

新しく拡張した実証サイトでは最新の製品を加えた太陽電池のモジュール評価の継続はもちろん、3種類の素材を使用した架台検証、複数メーカーのモジュールを組み合わせる設計技術検証、蓄電池を併設し出力抑制に対応する「スマートビジネス検証」の4つのテーマに取り組みます。モジュール評価には単結晶・多結晶・アモルファスの3タイプがあるシリコン系や化合物系など10kW程度・25種類の製品を対象に、太陽光の入射角による影響や性能の劣化などの実測データが比較されます。また架台の検証ではスチールとアルミを組み合わせたハイブリッドのほか軽量で耐久性の高いFRP(ガラス繊維強化プラスチック)、腐食に強く環境に優しい木製が採用され、施工のしやすさや設置コストも評価対象です。さらに設計技術面ではメーカーの異なるモジュールを直列に接続した際の発電性能の評価や影響が調べられます。スマートビジネス検証においては応答速度の速いリチウムイオン電池を採用し、翌日の発電量を予測して蓄電池を使った電力供給バランスの調整、予測誤差、出力全体を安定させる技術が検討される予定です。

同じく複数メーカーのパネルを同一条件化に設置してパフォーマンスを観察する実証実験を、ソフトバンクの子会社SBエナジーでも実施しており、当サイトでも同実証実験の結果を用いてメーカーの発電量比較を掲載しています。

余談ではありますが、NTTファシリティーズはSBエナジーに先駆けてこの実証実験を始めていますが、SBエナジーのようにデータを一般公開するのではなく、主に自社内の見地を高めることに用いられるようですね。企業色の違いの分かる一例でした。

参考