集光型太陽光発電


集光型太陽光発電:CPV(Concentrator Photovoltaic System)とは

太陽光パネルの効率を、セルの性能向上ではなく、「光を集める」というアプローチで実現しようというのが、集光型の太陽光発電のコンセプトです。

常に移動し、位置が変わる太陽の光を効率的に集める方法として、今までは自動追尾型のシステムがありました。これは、時間ごとに変わる太陽の位置に合わせてパネルの角度を変え、効率の良い角度で集光するという発想でした。しかしこの方法は大掛かりな設備にコストがかかることが問題視されていました。

そこで注目されているのが、特殊なレンズを使ってあらゆる角度からの太陽光を集めることができる集光型の太陽光発電です。

メリット:

  • 自動追尾システム以上の集光率
  • 集光による発電効率向上、その結果として、モジュール面積を減らしても十分な発電が望める=モジュールを作るための資源、コストを大幅に削減

これから解決すべき問題:

  • 集光での熱によるモジュールの効率低下、寿命低下→湯沸しなどに転用して解決できる
  • 曇天時の弱い光は集光できない

実際例

集光型の太陽光発電を実際に設置している例をご紹介します。

住友電気工業:集光型太陽光パネルを利用した業務用自家発電システムを2013年度中に販売開始を計画

住友電工は2012年7月に、100kWの集光型太陽光パネルを含む自家発電システムの試験運用を開始しました。発電効率は市販のパネルの約2倍とされています。

集光型太陽光パネルの他にシステムに含まれるのは、寿命の長さ、充放電の繰り返しにも強い「レドックスフロー電池」という種類の蓄電池、ガスエンジンコージェネレーションシステムで、それらをFEMS(工場向けエネルギー管理システム)で管理することにより、効率の良い運用を可能にします。

住友電工プレスリリース:自家発電システムの実証運転開始