追尾型で最大4.7倍の発電量が得られることを確認

太陽の動きを追う事でより常に最適角度での発電を可能にする「追尾型」太陽光発電。
大手のパネルメーカーではフジプレアムなども製品を開発しており、その能力については実証実験なども行われているところで、今後の需要の拡大が期待される分野です。

神奈川県平塚市のグリテックスインターナショナルリミテッドは、自社で開発した追尾式太陽光発電システムを使って神奈川県産業技術センターと共同で船上で実証実験し、実際に得られた発電量についての情報を公開。それによると、固定式に比べて春は1.8倍、夏は1.4倍、冬は4.7倍の発電量の増加を確認したのだそう。年間を通した平均で、発電量は1.7倍にのぼりました。

追尾型の魅力は、地上の発電設備で設置面積当たりで得られる発電量が増えるだけでなく、常に動いているような船や自動車への搭載でより大きな効果を発揮できる可能性を秘めていること。

今回開発されたグリテックスインターナショナルリミテッドの「傾斜駆動型ソーラー追尾発電システム」。直径30cm、高さ3.5mの支柱の上に、6.6m × 4m、容量にして4kWのパネルが載っているというもの。面積からパネル効率を計算すると約15%になります。効率で言うと、平均点くらい。(各メーカーのパネル効率比較

気になる価格は250万円を想定しているということでキロワット単価は62.5万円で、現在の相場価格からすると2倍近い値段ですが、1.7倍の発電量が得られることを加味すると6.8kW容量のシステムと同じという事になり、36.7万円/kW程度という事になります。売電収入で十分に回収できる程度の価格帯です。
今後、発電事業などでの採用が増えて価格低下が進めば、追尾型がスタンダードになり得るかもしれません。

ちなみに太陽を追尾するための消費電力は1日約5wH時と無視できる程度。

参考