太陽光発電事業の評価基準は?ヒューリックの事業に学べる事

太陽光発電でつくった電力を商用電力を比較して高額で買い取る、固定価格買取制度
これを利用してさまざまな業種で太陽光発電事業をはじめる企業が多いのですが、それらの事業は決していっしょくたにできるものではありません。

産業用太陽光発電事業をはじめたい方のための簡単な手引きをまとめたページでもすこし触れていますが、売電の支払源が一般消費者が支払う賦課金であることも考えると、売電が主な目的である多くの産業用大規模太陽光発電事業のニュースリリースに「環境貢献」の側面を強調する記述があったりすると、違和感を覚える人が少なくないのではないでしょうか。

ここで紹介したいのが、ヒューリックによる福島県広野町のメガソーラー事業。
ヒューリックは、福島第一原子力発電所から25kmに位置する採石場跡地の約3万8000㎡(3.8ha)に建設中の2.3MWのメガソーラーの権利を取得しました。

地上権と発電設備を合わせて12億円ということですが、設備認定を平成24年度中に済ませた設備と仮定し売電をした場合で初期投資を回収するには11〜12年。
売電のための事業では、自社の土地などに建設をする例などで、中には7〜8年で初期投資を回収できるようなものもあることを考えると、安い買い物ではない事が分かります。

しかも注目したいのが、ヒューリックはこれらの電力を売電にまわさず、東京の本社ビルで利用することを考えているのだそう。

実際に発電分すべてを自家消費に充てるのかということや、送電方法などの詳細は公表されていませんが、多くの大規模太陽光発電事業と比べた時の、ヒューリックの事業における環境貢献CSRの側面は、もっと強調されてもいいと思います。

来年度には売電価格が引き下げられる事もあり、売電収入を追求する事業よりも、本気で環境貢献を考える企業による独自の太陽光発電事業の存在感が、もっと強まってくると期待したいですね。

プレスリリース