次世代を担う「有機系太陽電池」に世界中が注目

太陽電池の市場では、効率ではシリコン系がまだまだ主流、いやいや費用対効果は化合物系の方が上、と意見が分かれますが、最先端の研究の場では有機系の原料で作られる太陽電池「色素増感太陽電池(OPV/organic solar cellなどと呼ばれる)」に注目があつまっている模様。

環境ビジネスオンラインでは「次世代太陽光発電システムの本命の一つ」とも紹介されていました。(参考

効率の記録更新も日々進む中、(Heliatekが12%の有機系太陽電池セルの開発に成功した、などNEDOはこの色素増感太陽電池の早期実用化のために、実証試験を開始すると発表しました。

具体的には3種類の有機系太陽電池を使った製品を実際に利用し、その結果を測定するというもの。


一つ目は「デザインソーラーランタン」
日本写真印刷に助成を行い、京都市内2カ所にこのソーラーランタンを設置します。


2つ目は色素増感太陽電池を壁面に取り付けるもの。
少ない日射量でも発電できたり、入射角に依存しない有機系太陽電池の特徴を生かし、壁面を利用した太陽光発電の実用化に有望だそう。
いまでもパナソニックから垂直設置できる製品が販売されていますが、どうしても高くて実際に設置する例は少ないよう。
生産コストが抑えられる有機系太陽電池の使い道としては一番期待できる分野なのではないでしょうか。
シャープとフジクラにそれぞれ助成が行われ、実証実験をします。


3つ目は軽量・フレキシブル・シースルー型の有機系太陽電池をサンシェードとして使用した屋内実証実験。
これは家庭や小さな店舗などでも簡単に取り入れられそうなので、はやく製品化されるとよさそうですね。

サンシェードで発電できるだけでなく、遮光効果によって部屋の中の気温調整にも役立ち、さらなるエコ効果が期待できます。
実証実験は三菱化学が行います。