ソフトバンクの孫正義社長率いる「自然エネルギー財団」の意見書の内容は?

経済産業省・資源エネルギー庁の平成25年の売電価格案の発表についてのニュースの時にもご案内した「パブリックコメント」の受付け。
これを利用して売電価格の設定と、政府のエネルギー政策についての意見書を提出したのが「自然エネルギー財団」。
会長はほかならぬ孫正義氏で、評議員には音楽家の坂本龍一氏なども参加しています。

この意見書の内容が以下のようなもの。

  1. 導入目標の設定
  2. 調達価格のきめ細やかな設定
  3. 回避可能原価の算出と設定
  4. 接続義務の厳格化・接続費用の妥当性の評価
  5. 委員会の検討項目について
  6. 効率的な事業実施」の定義

1の【導入目標の設定】は簡単に言ってしまえば「自然エネルギーの導入量目標が明確でないと始まらないだろ!?」というような内容。
ごもっともです。
調達価格(=売電価格)を決定するのに、現在は「平均的なシステム費用を元に、10年間で費用回収できる価格」を考慮し、設定されていますが、それに加えて「どれくらい普及させたいか」という目標を考慮する必要があるという意見です。
確かに、海外の環境政策では導入目標の提示が行われている事が多いですが、日本では聞いたことがありませんね。

2【調達価格のきめ細やかな設定】は、具体的には「太陽光発電は規模の区別を3段階にし、風力発電は設置場所の風況と、設置条件(洋上も含め)を考慮した区分を」という意見。
太陽光発電の3区分については、「10kW未満」「10kW以上50kW未満」「50kW以上」の3区分にすべき、としています。個人的には「10kW以上50未満のシステム費用はそれ以上に比べて高い」という意見には少々かけている部分もあるかと思いますし、資源エネルギー省の発表は十分それについても考慮していると思うのですが(記事)調達価格の細分化はなされるべきかと思います。
既に25年度の価格は決まってしまっているので、設定変更はかなり厳しいでしょうね。

3【回避可能原価の算出と設定】
「回避可能原価」と言うのは

電力会社が再生エネを買い取ることで、本来行うはずだった発電を取りやめる場合、燃料費などの支出を免れるコスト(回避可能費用)を算出する際の元となる単価。

の意味で、消費者への賦課金額にも影響するもの。
現在はかなり過少に算出されている事を指摘しています。
これについては、資源エネルギー省のしっかりとした反応を求めたいところ。