太陽光発電のある家をつくる(新築一戸建て編)

新築一戸建ての住宅用太陽光発電システムについて、30秒で要点説明

新築一戸建て住宅において、光熱費ゼロも達成できる「太陽光発電の家」は標準化してきています。2015年度までは産業用太陽光発電が優遇されていたため屋根一面に10kW以上のソーラーパネルを載せるような住宅も売り出されていましたが、2016年以降は必要な分だけ載せて電気代削減の長期的なメリットを追及する方向へとトレンドは移行していく可能性が高いです。

住宅に適切なパネル容量は平均で約5kWです。オール電化の場合は平均値よりも多め、ガス併用の場合は少な目で設計してもゼロエネが達成できる計算です。電気自動車を使う場合は走行距離によって1~6kW追加することで自給自足に近い生活も可能になります。

暮らしの豊かさを向上させる省エネ型の住宅作りをする際も太陽光発電は強い味方となります。見た目が気になるという方には瓦屋根に溶け込む意匠性の高いパネルを使ったり、陸屋根に0度で設置して地上面から見えないような工夫をしたりといった方法もあります。また子世代への相続やおうちの売却などを前提とした長期優良住宅には耐久性と品質、そしてメーカーの長期信頼性なども考慮することが求められます。

住宅用太陽光発電のトレンド
全量売電よりも自家消費で長期的なメリット

2012年に固定価格買取制度が導入されたとき注目されたのはなんといっても産業用の太陽光発電における優遇的な売電単価でした。(売電単価の変遷)産業用とはいっても10kW以上が載れば住宅でも産業用の売電単価と期間が適用されるため、各ハウスメーカーが屋根一面にパネルを敷き詰めたいわゆる全量買取の家を商品ラインナップに加えました。(10kW以上全量売電)ところがこの優遇期間は2015年度をもって終了することが決まっており、それに先んじて出力抑制の問題も露呈してきたことから2016年度を待たずに住宅用全量のトレンドは減速していく可能性が高いと言えます。

一方住宅用太陽光発電は2016年度以降もこれまでと同等の利益率が保てるような売電単価が予想される一方で、売電単価と電力会社からの買電単価の差は確実に埋まってきており、今後はより自家消費率が高くなる中小規模設備の方がお得になる可能性も高いと言えます。また10kW以上のこだわらず必要な分だけパネルを載せることで、住宅購入の際の予算にも余裕を持たせることもできます。

車も含めてゼロエネも達成?
あなたのくらしに最適な容量を決める

さて具体的にはどれくらいのパネル容量が適当と言えるのでしょうか。一般家庭の消費電力は年間で約5600kWh、これは4.9kWh分の太陽光発電の年間発電量に相当します。ただこれはあくまで全国平均ですので、地域によってはガス併用の住宅で4kW前半でも足りることが多いです。オール電化で新築をお考えの場合や、家族人数が多い場合は5~7kWが必要だと考えられます。ご家庭の現在の電力消費量がお分かりであれば年間消費電力量を太陽光発電1kWあたりの発電量1140kWhで割ることで実際に必要なパネル積載容量を割り出すことができます。

生活に必要な太陽光発電容量(kW)=年間の消費電力量(kWh)÷1140(kWh)

おうちで使う分よりも多くの電力を発電することで理論的にはネットゼロ住宅が達成できます。ただ太陽光発電は一日の中でも時間ごとに発電量が変わるので、現状では太陽光発電でつくった電力だけを使った生活は非現実的と言えます。一般的には売電制度を使いながら系統電力とも併用して固定価格買取期間である10年の初期費用回収を目指し、10年後以降は価格低下が予想される蓄電池や電気自動車(EV)を活用しながらより家庭内で電力を使うような生活に切り替えるのが一つのゴールデンルートと言えます。特に電気自動車は昼間余剰の電力を充電しておけるようなH2V(ハウス・トゥー・ヴィークル)システムの商品化も進んでおり、買電期間終了後は需要の拡大や選択肢の多様化が進むと予想されます。

将来EV社の導入を計画している場合自動車が消費する電力も考慮に入れることをおすすめしますが、例えば日産のリーフの電費は約9kW/kWhとなっているので、一日の平均走行距離で30km程度のご家庭でパネル1.1kW、150kmのヘビーユーザーなら5.3kWのソーラーパネルで同等の電力を作ることができます。

EV消費電力相当の太陽光発電容量(kW)=年間走行距離(km)÷9(kW/kWh)÷1140(kWh)

  • 2015年10月にリーフ利用者が自主的に投稿した走行距離と消費電力のデータの平均値

瓦パネルや陸屋根設置、耐久性重視のパネルは?
おうち作りの方針に合ったパネルメーカーを選ぶ

外観にこだわった太陽光発電は?

日本の消費者は特に外観にこだわりをもつ傾向があり、何十年も暮らす住宅も例外ではありません。日本の住宅に多い黒い瓦葺きの屋根には、建材として瓦と並べて屋根に敷き詰めることで見た目に太陽電池と分からないような美しい外観を実現する京セラのヘイバーンやカネカのヴィソラなどがおすすめです。

現代風の陸屋根・箱型のおうちは架台で最適角度を合わせやすいメリットがありますが、見た目を重視する場合は角度を付けずにパネルを配置することも可能です。その場合は1割程度発電量が減ってしまうことは覚悟しなければいけませんが、地上面からパネルが見えないためおうちの外観に支障をきたしません。(太陽光発電の設置角度

おうちの価値を高められる太陽光発電は?

近年は長期優良住宅への税制優遇など、建物の長寿化に注目が集まっています。一代で建て替えが当たり前のように考えられている日本の住宅市場は、環境負担や国民の経済負担を軽減するため中古住宅の売買が当たり前な欧米の住宅基準に近づいていくことが予想されます。新築戸建てを購入する時点で既に売却する際のことを考えられる方は現状では少ないかもしれませんが、太陽光発電を含めて省エネでも快適な生活を可能にする住宅は、特に将来の価値に差が出てくると考えられます。

太陽光発電自体は期待耐用年数が20~30年とされており、住宅が長寿化するほど取り換えの可能性が高まってくるため、製品自体の耐久性はもとよりメンテナンス性の高さにも気を配るべきでしょう。

後ろ盾のしっかりした国内メーカーの国産パネルにこだわる理由は品質はもちろんのこと、取り換えの必要が生じた際に形状が同じパネルを容易に購入できる可能性が高いことも一つとして挙げられます。国内に強い拠点ネットワークを築いてきた国内メーカーはメンテナンスの受けやすさという点でもポイントが高いです。

将来の取り換えのことを考えると、上でご案内した瓦一体型を導入するとコストが余計にかかってしまう可能性が高くなります。住宅の売却をお考えの時は汎用性の高いシステム構成(屋根の上に設置するようなタイプ)の方が、のちのコストが抑えられるかもしれません。

太陽光発電は住宅と別途の見積もりの方が良い?

一般的には太陽光発電と住宅の発注は別々で行う方が良いといわれています。その理由は品質と価格の2つが挙げられます。実績の高い専門業者の高品質な施工は配線の無駄から生じる発電量ロスや雨漏りなどの事故といったリスクを低めます。パネルメーカーとの信頼関係の強い業者は卸価格も優遇されることが多く、より安く提供できる可能性も高いのが特徴です。

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