無垢材のフローリングにリフォーム
素材の種類や色味、価格比較など

無垢材とは

室内の床材にフローリングは一般化していますが、フローリング張替えのタイミングに無垢材の利用を考えてみるのはどうでしょうか。無垢材フローリングとは、小さなパーツ等を接着して製造した集成材と違い、厳密には単一の木材からそのまま切り出す形で作られたものを指すことが多いですが、突板で表面の数ミリだけにそうした木材を使っている場合でも「無垢材」や「天然木」という名称で販売されることがあります。いずれの場合でも表面部分が無垢材でつくられていれば、ある程度の調湿効果や断熱効果、日光の反射を和らげる効果などが得られます。(ウレタン塗装をしていないものの場合)こうした効果はカビやウイルスの発生を防止し、より健康的な空間作りに寄与すると言われます。木目の視覚効果や香りによるリラックス効果も大きな魅力です。

こうした快適性に加えて、適切なメンテナンスをすることで耐久性が高まり、経済性も上がることもメリットの一つと言えます。施工時が最良の状態で、経年ごとに劣化していく塩ビシートやカーペット、そして同じ木質でも合板のものなどと比べると、無垢材は傷や汚れが付いたら薄く削り取って美しさを保つことができ、ワックスがけなどのメンテナンスによって色の深みも増していきます。業者さんの話ではダンススタジオのように大勢で動き回るような使い方をしても、30年は持つと言います。

メンテナンスをきちんと行うことや、そもそもご自宅の断熱性能がある程度あるということが前提ではありますが、せっかく予算を割くのであれば、より良質で長く付き合える無垢材のフローリングがやっぱりおすすめです。以下ではフローリング材の選び方などをまとめています。

素材の種類とバリエーション

素材の色味と質感

フローリングを敷く際、色味や木目の出す雰囲気、そして手触り、温かさのような質感から自分の好みに合った素材を選んでいきます。質感を決める大きな要素と言えるのが気乾密度です。以下の図ではフローリングによく使われる素材の硬さ(気乾密度)と色味、そして価格帯についてまとめています。

フローリングによく使われる素材の硬さと色味

気乾密度は比重とも言われますが、この値が大きいほど重くて硬い床になるため店舗などにもおすすめ。室内でも靴で過ごすことが多い海外ではオーク材のフローリングが使われることも多く、日本でも価格の幅が広く選べる製品が多いオークはよく使われます。表には記載されていませんが、気乾密度が1.0近くあるウリンや1.2のイペ材はその耐久性から屋外のウッドデッキなどでよく使われますが、室内用フローリングを用意している店もあります。

気乾密度が小さいほど空気を多く含んでいるため、断熱・調湿効果に優れ手触りが柔らかく温かく感じます。子供部屋やリビングなど、床に近い場所で過ごすことが多い場所などにおすすめです。柔らかい素材には針葉樹が多く、冬に温かい日差しを室内で活用できる機能を持つ日本建築の縁側にも、針葉樹の一枚板「縁甲板(えんこういた)」が使われてきました。

なお、価格については、以下でもご案内していますが同じ樹木でもグレードが分かれている場合は価格幅が広くなります。また塗装の有無やその種類によっても価格が変わります。より詳しい樹木の説明や、グレード、サイズ、また産地による価格の違いなどは以下でご案内するそれぞれのページでご確認ください。

  • JAS規定では縁甲板はフローリングの中の単層フローリングに分類されます。縁甲板は洋室に使われるフローリングよりも長く加工されているのが形状的な特長と言えます。

材木のグレード

多くの木材には枝跡である節や、白太(しらた)と呼ばれる木の辺部(辺材)の白い部分がある程度含まれます。(以下図)

木材の白太と節によるグレードの仕分け

節の中でも死んだ枝が巻き込まれてできたものは周りの組織をのつながりが弱く抜けやすいので、木片を入れて補修されます。白太は色ムラによる見た目のバラツキだけでなく、多少虫が付きやすかったりする点も指摘されます。しかしいずれも構造上、フローリングとしての使用に影響が出るほどのものではなく、近年はこうした特長を「味」として捉えながら歓迎する向きもあります。一方建材としては、節などの混じり具合によってグレードを分けて取り扱うことが多く、節が多い(=より味のある)ものほど安価に手に入る傾向があります。例えば見た目に均質なもののみを集めた高グレードのものは、節などが自然な度合いで含まれた中グレードのものと比べて2~3割高く、逆に節や白太が多く含まれる低グレードのものは2~5割程度安く手に入ることが多いようです。特に製品に節が出やすい針葉樹(杉、ヒノキ、パインなど)は価格差が大きくなりやすく、グレードによって2倍も価格が変わる場合もあります。

突板・挽き板マルチレイヤーのメリットとデメリット

フローリング材を一枚で切り出したものに対し、合板等の基材の上に薄くスライスした天然木を重ねて張り付けたものは、マルチレイヤーや突板(つきいた)仕上げ、挽き板仕上げなどと呼ばれます。厳密にはこれらは複合フローリングと言った方が適切ではありますが、慣習的に表面に無垢材が使われている場合、特に2mm以上のより厚い単板を加工してある際は「無垢材」や「天然木」の木が商品説明に含まれていることもあります。購入の際には違いに気を付けながら選ぶ必要があります。

突板と挽き板の違いはその薄さで、突板(薄単板と言われることも)は0.2~0.3mmの薄い膜を合板に貼り合わせたもの、挽き板(厚単板と言われることも)は2~4mm程度の厚さに切った板を合板の表面に加工したものです。突板の複合材は膜が薄くて傷が付きやすいので、鏡面仕上げなどにして家具や楽器などに使われることが多くあります。あまり種類は多くはありませんが突板を使用したフローリングも販売されており、かなり安価に手に入ることが多い反面、しっかりとコーティング加工が施されるため無垢材としての素材感や調湿性能などは大きく損なわれることになります。

挽き板(マルチレイヤー)のフローリングは剥がれる

挽き板を使った複合フローリングは製品の種類も多く、よく採用されます。挽き板は一枚板と比較した場合価格的な魅力は実はあまり高くありません。単板を加工する際のおがくずなどのロス分や合板との加工のコストを合わせると一枚板よりも若干高くなる場合もあります。挽き板複合材の魅力は無垢材としての魅力(質感や調湿性能など)をそのままに、無垢材のデメリット(湿気の変化で伸縮が起こりやすい)を引き継がず、比較的安定して使用し続けられることです。一般的な合板フロアの厚み(12mm)に合わせたものなどもあるので、リフォームなどでもよく使われます。一方経年により突板の層が剥がれてきた時は補修が難しく、そのままにしておくと危険でもあります。これが一枚板であれば、傷や汚れをサンドペーパーで削り取ればほぼ元通りの質感を取り戻すことができます。(無塗装もしくは自然塗装の場合)日々のお手入れがおっくうで、できるだけ手軽に無垢材の質感を楽しみたい方は挽き板の複合材、経年で深みを得ながらより長く付き合っていきたい方は無垢材など、ニーズに合ったフローリング材を選んでみてください。

板の形状(レイアウト)

フローリングの敷き方(レイアウト、形状)は長さが定尺の一枚もの(1PやOPCなどと記載されることもある)の他に、長さがバラバラのものが混ざった乱尺、そして乱尺を組み合わせて2~4mの長さにくっつけてあるユニタイプ(UNIなどと記載されることもある)があります。

フローリングのレイアウト①

ユニタイプのメリットは施工性の高さ。また素材によっては1枚ものよりも安く販売されることもあります。巾の広さは75mm、90mm、120mm、150mmなどがありますが、100mm以上のものは幅広サイズとして取り扱われることが多いです。一般的に幅が広いほど素材感がより味わえ、価格も高くなりますが、膨張収縮によって反りや隙間ができやすいというデメリットも持ち合わせています。

長方形の板を平行にレイアウトする標準的なフローリングの他に、以下の右の図のようにデザイン性の高いレイアウトもあります。

フローリングのレイアウト②

ニシンの骨の意味があるヘリンボーンは日本語では矢羽貼りや杉綾とも言われますが、欧米のインテリアなどでよく見かけます。ヘリンボーンを含むデザインフローリングはパーケット(寄せ木細工の床の意味)と呼ばれます。図に示している例のようにすべて同じ形状の板で構成できるものであれば比較的手に入れやすいですが、施工に手間がかかるので全体的な予算は少し高くなりがちです。

塗装

無垢材のフローリングは、素材感を損なわないよう無塗装で使う場合もありますが、メンテナンス性を考えて何かしらの塗装を施したものが選ばれることも多いです。塗装の種類はオイル系の浸透性塗料(自然塗装などどする販売店もある)ウレタン系のコーティング系塗料に大別されます。

浸透性塗料は表面にほぼ膜を作らないので、質感はもちろん無垢材の特長である調湿性能などを大きく損ないません。ただ、塗料の種類にもよりますが1年に一度程度の塗り直しが必要であったり、少し価格が高いこともあります。

コーティング系塗料は表面に合成樹脂の膜を作るため光沢のある仕上がりになり、耐水性や汚れに強くなりますが無垢材の質感が損なわれることが多いため、床暖房用など特殊な事情がある場合以外は採用される例は少ないと言えます。

このほかに、表面の保護の目的ではなく色味を変えるための塗装材もあります。素材の色味と質感のところでご案内した図でもお分かりのように、より高級なウォールナット、カリン、チーク、マホガニーなどは他の樹種と比べて独特の深みのある、濃い目の色合いとなっています。色を付けるための塗料はこうした樹種の自然な色味を真似たものも多く、より安価なカバ(バーチ)などに塗装されます。

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用途・ニーズ別おすすめフローリング

床暖房にも無垢材は使える?

天然の木を使用する無垢材は気温や湿度の差によって膨張・伸縮し、ひび割れや反り、毛羽立ちといった不具合が起こりやすい特長があります。床暖房を使用する環境はさらに無垢材にとっては厳しい環境と言えますが、近年は特殊な熱処理を施して安定性を高めた商品も販売されるようになってきています。熱処理後、さらにウレタン加工されたものは安定性が高いと言えます。

ダンススタジオなどに使えるものは?

ダンススタジオなどでは硬すぎても脚に負担をかけすぎてしまいますし、柔らかすぎると傷がつきやすくなりますので、気乾密度は0.6前後のサクラやチークなどが選ばれることが多いです。飛び跳ねるような動きは少なく、逆にフロアに身体が近づく動きが多いヨガ専用スタジオなどでは、より柔らかく、空気を多く含んで表面が暖かく感じるヒノキなどの素材もいいかもしれません。ダンススタジオでは木屑の飛散をふせぎ、汗などが染み込みにくくなるようウレタンかワックスで表面を仕上げるのが通常です。

ダンススタジオなどでは素材の他に表面の滑らかさに気を使う必要があります。特にヒールの細い靴を履いて踊るような場合は板と板のわずかな溝でもつまずきやすくなります。こうした溝は糸面と呼ばれる特殊な加工によってできますが、無垢材が伸縮、膨張をした場合に反りやひび割れにつながらないように余裕分を確保する意味があります。しかしダンススタジオではあえて糸面の無いものを使い、板と板がピッタリくっつくように施工します。寸法安定性の高いチークは、余裕分のスペースを無くす事による反り等の影響を最小限に抑える意味でも選ばれることが多いようです。

より環境に優しい無垢材フローリングは?

自分の住まいの快適性を高めるために無垢材を使うというのはよくある話ですが、環境を守る目的で無垢材を使うという方はあまり多くないかもしれません。

切り倒しても再び育てることができる木材はいわば再生可能な素材。適切に管理された人工林では、二酸化炭素の削減量がピークの樹齢20~40年(針葉樹の場合)のものを伐採し、また植林するサイクルを繰り返すことによって天然林をそのままの状態にしておくよりも多くの二酸化炭素を吸収できます。このサイクルのスピードを崩さない限り、フローリングなどの素材を使うことは自然にも優しい選択と言うことができますが、こうしたサイクルを無視して違法に伐採された木を使うことは、必ずしも環境保護にはつながりません。

責任をもって製造された木材の普及を促すための認証で有名なものにFSC(Forest Stewardship Council・森林管理協議会)認証があります。1993年に創設されたこの制度はWWFなども普及を後押ししており、伐採から流通の全行程において環境保全はもちろん、労働者の権利や地域社会の持続可能性までを考慮した世界的基準を定めています。フランスのボルドーパイン(マリティムパイン)などがFSC認証のフローリング材としては有名です。日本の林業界では同認証の普及がなかなか進まない状況だと言いますが、岐阜県の東白川村などにはFSC認証の森があるようです。

FSC認証の付いていない製品が必ずしも環境に良くないというわけではありません。特に国産の間伐材や地域材などは、流通面で海外製品と比べてよりCO2排出量が少なく抑えられている可能性が高いです。また成長の遅い広葉樹のフローリングを使う場合は、一枚で切り出したものよりも突板部分にのみ無垢材を使い、合板部分にはより成長の早い木材などを使用したものを利用する方が森林保護の面では有効なのではないかという議論もあります。

こうした議論に一つの絶対的な回答を得ることは難しいものの、これまでインテリア性だけで選ばれることが多かったフローリング材を選ぶとき、環境面、社会面でより正しい選択はどれか、ということを自分なりに一度考えてみるのもいいかもしれません。

無垢材フローリングは施工の質も重要

材木によって膨張や伸縮などの「動き」が出やすい無垢材は、そうした傾向も考慮した施工が求められます。例えば施工後の材木の「動き」を前もって計算し、紙切れ程度の隙間をわざと空けて並べるような場合もあります。業者を選ぶ際は価格だけでなく、施工技術や知識の豊富さにも目を向けてみることをお勧めします。業者探しは一括見積などの利用が便利です。

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