積水ハウス・東芝・ホンダでスマートハウス・スマートコミュニティの実証実験

より快適で便利な、また、楽しくなる未来の暮らしを実現することを目指したスマートコミュニティへの取り組みを積極的に展開してきた、積水ハウス株式会社と株式会社東芝、本田技研工業株式会社の3社は新たに、さいたま市に実際に人が暮らせる二世帯住宅を実証実験ハウスとして建設し、先進の暮らし検証を開始しました。

二世帯住宅のうち、昼間は外出の多い子世帯の太陽光発電での余剰電力を親世帯で使うなど、世帯間での共有が可能になっていたり、ケーブルを使わずに電気自動車への充電を行う非接触充電などが特徴です。
パーソナルモビリティーを使いやすくした住空間づくりという試みを通じて未来の暮らしを支える技術をリアルな環境で磨いています。

先進の技術で豊かな暮らしを実現するための取り組みを推進し、グリーンファーストゼロを提供する積水ハウスとエネルギーの安定供給と効率的な生活や住空間づくりに向けて、家庭用のソリューションサービスをも展開する東芝、エネルギーマネジメント技術や将来のパーソナルモビリティーの在り方を検証するHonda、この3社は2013年11月には東京モーターショー内で住まいと家電とクルマがつながる未来の新しい暮らしを業界を超えた協議で提案しています。また、今回3社は2020年の暮らしを想定した二世帯住宅を具現化し、技術の確立と実用化めざし、同ハウスを活用した様々な検証を行う予定です。

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宮城県東松島市、積水ハウスと「東松島スマート防災エコタウン」

宮城県東松島市では2015年8月に柳の目北地区に入居を目指す災害公営住宅を整備しています。そして積水ハウスと共に周辺の病院等と戸建住宅が敷地を超えてエネルギー総合融通を行うマイクログリッドによって電力供給する本格的なスマートタウンを実現する予定です。

東松島市は復興計画で「環境未来都市」構想を掲げて安心して暮らせる街づくりを行い、積水ハウスは「グリーンファースト」と呼ばれる環境配慮型住宅、およびそうした住宅が集まる「スマートコモンシティ」を推進しています。この両者が協力して造る「東松島スマート防災エコタウン」では公共施設や病院と戸建70戸・集合住宅15戸の合計85戸になる災害公営住宅を結ぶ自営線のマクログリッドを構築します。電力供給は太陽光発電47kWの自営線特定規模電気事業者(自営線PPS)がCEMSによって最適制御しながら行い、年間256t-CO2の二酸化炭素排出削減とエネルギー地産地消を実現します。

蓄電池を用いて系統内の太陽光発電を安定化させ大型バイオディーゼル発電機と組み合わせるため系統電力が遮断した場合でも3日間は通常の電力供給が可能であり、大震災のような長期停電の場合も病院や集会所など最低限の電力供給を継続させることができます。そのため災害活動拠点地への電力供給ができることで災害対応力や防災力の向上にも寄与することができるのです。東松島市では環境省の「自立・分散型低炭素エネルギー社会構築推進事業」事業の補助金を受け、分散型地域エネルギー自立都市を掲げています。また、平成23年12月には「環境未来都市」にも選定されています。

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積水ハウス、宮城県工場で「防災未来工場化計画」の設備詳細など

積水ハウスは、2014年から宮城県の色麻町で住宅用の部材を製造する東北工場で「防災未来工場化計画」を進めています。
太陽光パネルを工場敷地内に設置すると共に、大容量の蓄電池とガスコージェネレーションシステムを新たに導入することで、災害に強い電力供給体制を確立することができます。

電力と温水を同時に作れる、出力225kWのガスコージェネと太陽光発電の3種類を組み合わせ最大1445kWの電力供給ができ、ピーク時の購入電力を700kWも引き下げることができます。

災害時に停電になった場合でも3種類の電源を使って地域防災活動の拠点となる町の対策本部として、積水ハウスの東北工場内に設置し、250人分の電力7日間供給することができる避難所にもなります。電力需給状況の最適状態に保つ為にFEMS(工場向けエネルギー管理システム)で、3種類の電源を制御し、PHV(プラグインハイブリッド車)やLP(液化石油)ガスタンクなどを備え供給手段を多重化し、東北工場を手始めに「防災未来工場」として全国の積水ハウスの工場と物流拠点を進化させていく計画をしています。

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今回各設備の設置は日本GEがおこなったということで、GE側からのリリースもご紹介します。

日本GEは、この平常時の電力ピークカットと災害時の電力供給を実現するために、同工場に大容量蓄電池と低NOxで熱電併給(コジェネ)運用のガスエンジンを設置し、工場建屋と事務棟にはLED照明機器を設置しました。すでに設置されている太陽光発電機器(出力720kW)と、今回設置した大容量蓄電池およびガスエンジンとの連携は、第2期工事の予定となっています。これら3種類の電源システムを統合した工場は国内に無く、完成すれば同工場が日本初となります。「平常時にはエコ、そして災害時にはタフ、という防災未来工場のコンセプトを実現させ、地域社会やオーナー様に安心・安全を提供するため、GEの各製品によるソリューションは最適でした」と、積水ハウス東北工場長は語っています。
東北工場は、積水ハウスが東北工場のある宮城県の色麻町と、官民連携で取り組んでいる地域防災の拠点として、2015年3月開催予定の「第3回国連防災世界会議」の関連事業である「スタディツアー(被災地公式査察)」の視察先に決定しています。報道関係者および同国際会議参加者向けに実施されるスタディツアー後については、随時、施設見学を受け付けています。

参考2

積水ハウスのゼロエネ住宅が省エネ大賞受賞

2013年4月より発売されていた積水ハウスゼロエネルギー住宅、グリーンファーストゼロが平成26年度省エネ大賞の審査員委員会特別賞を受賞したことを同社が発表しました。

グリーンファーストゼロは政府が2020年度の標準化を目指しているネット・ゼロ・エネルギー・ハウスの普及を目指して開発された住宅商品であり、断熱性能を高めるためにアルゴンガス封入複層ガラスや高断熱サッシなどを採用しています。また、LED照明や高効率エアコンなどの省エネ設備も採用しています。

さらに、同社では新築戸建て住宅によるグリーンファーストゼロの割合を2014年度は60パーセント、2015年度は65パーセント、2017年度には70パーセントと段階的に増やしていくという目標を掲げています。

参考

2015年スマートハウスの市場インサイト、各業界からの参入で市場は大幅に拡大の見込み

ITを活用し、家庭内のエネルギーの消費を抑える省エネ住宅、スマートハウスと呼ばれるものが大きな市場となってくるという、産経による記事をご紹介します。

調査会社の富士経済によると、平成32年のスマートハウス関連市場は約2兆9000億円で、25年比で4割伸びる見通しです。成長市場を舞台に住宅や家電、自動車メーカー各社が事業の拡大を急いでいる状況でもあります。

エネルギー効率が高いのは、コージェネレーションや太陽光発電などの新しいエネルギー管理システムなどで、家電などの消費電力はこれらを利用すると数値で把握する事ができます。

住宅メーカーによる先導

当たり前に聞こえるかもしれませんが、スマートハウス市場を先行するのは住宅メーカー。

大和ハウス工業は26年4月からすべての戸建て住宅にHEMSや太陽光発電を標準搭載しており、HEMSと家電をつなぐことで、スマートフォンでエアコンなどの制御、玄関施錠も可能なシステムを提供しています。

積水ハウスではグリーンファーストゼロシリーズの販売比率を27年度は戸建て住宅の65%に高める事を考慮しています。

家電メーカーも負けていない!

家電メーカーも省エネ機器と住宅の融合を急いでいるということです。
パナソニックは27年の春までにHEMSに繋がる機器を最大250機種に拡大し、昨年の11月にはHEMSと連動して家電の制御ができるスイッチや天井埋め込み型の空気清浄機などを発売しています。

パナソニックに関しては家電にとどまらず、グループに住宅メーカーのパナホームを抱え、神奈川県の藤沢市では街ごとスマート化を試みるなど、存在感を強めています。

自動車メーカーからのアプローチも

これまで住宅とは別個の商材であった自動車も、EV(電気自動車)が出てきてからは住宅とのエネルギー連携で一つのシステムとして提供可能なものとなってきています。

V2H、H2Vなどと呼ばれる、電気自動車と家屋でのエネルギー交換が、自動車メーカーから主に提案されているアプローチとなります。
日産自動車のリーフをはじめとし、トヨタ自動車など各メーカーがこの分野に取り組み始めています。

日本にとどまらない市場拡大

記事ではこうした日本のスマートハウス技術はすでにシンガポールの高級マンションなどでも採用されており、今後は海外も含めて重要な市場になってくると締められています。