日立マクセルの蓄電池新製品は壁掛けタイプで太陽光、HEMSとも連携

2月4日、日立マクセルは「エンジーステーションタイプH」(壁掛けタイプの屋内用Liイオン蓄電池システム)の受注を開始すると発表しました。同社は2014年8月に、室内の限られたスペースにも横置きで設置可能なコンパクトサイズのHEMS(住宅エネルギー管理システム)対応の「タイプC」の受注を開始しました。

今回の「タイプH」は「タイプC」の壁掛け設置へのニーズに答えたもので、厚さ155mm、質量約30kgのコンパクトサイズとなっており専用の取り付け金具が同梱されています。
近年、蓄電池システムは非常時の予備電源、深夜電力や太陽光発電の有効活用手段として注目されています。専用コントローラーを接続し、HEMSと併せて使用することで蓄電システムの制御が可能となり、日々の消費電力の削減をすることが可能となります。
製品の小型化は、集合住宅や既築住宅、寒冷地では屋外に設置することができないことから室内でも設置可能な小型のものへのニーズが高まっているという背景があります。

参考1

サンヨーホームズ、足立区に40戸のスマートハウス集合体

2015年1月、足立区竹ノ塚にサンヨーホームズが「スマeタウン足立竹ノ塚~芽ぐみの杜~」の販売を開始します。

総量129kWの太陽光発電、売電収入は”山分け”

このタウンハウスの特徴は、10棟の屋根に太陽光発電モジュールを設置していることとHEMSシステムを搭載していることです。

太陽光発電システムは129kWの容量で年間総発電量12万kWを想定しており、固定価格買取制度(FIT)によって売電収入412万円が見込まれ、各住戸に還元する予定です。

ざっと計算すると1戸あたり年間10万円の売電収入の配当がありそうです。
全量対象のシステムなので20年間は安定した売電収入が得られることが予想されます。

日立と共同開発したHEMSを全戸に設置

各家庭に備えられている「スマeHEMS」は、日立コンシューマ・マーケティング日立マクセルの技術を活かしてサンヨーホームズが開発した最新のシステムです。スマeHEMSには、エネルギーの見える化・見守り・気付き・ECHONET Lite対応の4つの機能が付いています。

エネルギーの見える化は、一つの画面で電力状況、水道使用量まで把握することができます。

このシステムの最も特徴的な機能が見守りで、テレビやトイレの使用状況、空調機などを利用して住んでいる人を見守ります。
気付き機能は、省エネに役立つ情報を教えることで省エネに気付いてもらおうというものです。また、雨の予報や緊急地震速報とも連動しています。ECHONET Lite対応の機器を導入することでスマートフォンやタブレット、自宅のテレビから機器の操作をすることができます。

サンヨーホームズが初めて開発するスマートタウンに

スマeタウン足立竹ノ塚~芽ぐみの杜~は、サンヨーホームズ初のスマートタウン(スマートシティ)としており、低層マンションの集合体と似ているという特徴をもっています。

専用部分と共有部分が存在していることから一般車両の通り抜けを防ぐことができ、サンヨーホームズの係員が常駐するというコンシェルジェ棟に集会所が設けられているので住民同士の交流に生かすことができます。

各住宅メーカーからスマートシティ、スマートタウンの構想実現が今後も続くことが予想されます。

サンヨーホームズのものは特に住宅ごとに電力融通などといったより実験的で先進的な試みを採用しているわけではなく、これまでの集合住宅に太陽光発電の売電収入とHEMSが加わったという程度ではありますが、多様化するライフスタイルの中によりスマートでエコな選択肢が増えていくのは間違いなさそうですね。

参考