大京、2015年度以降のマンションに「ライオンズパッシブデザイン」を標準採用

不動産会社の大京は、2015年4月以降に着工する全てのマンションを対象に「パッシブデザイン」を採用することを決めました。パッシブデザインは、太陽や風の自然エネルギーをそのまま生かして室内の気温や湿度を調整する方法です。

大京は2009年に横浜市のマンションからパッシブデザインの実証を始め、2013年の夏に行った東京都内のマンションの分析から、冷房の電気代を大幅に削減できることが分かりました。

この時に導入した装備は、換気機能付玄関ドア、通気レーバー扉、給気口、自然換気ストッパー付きサッシ、グリーンカーテンフックの5種類です。これらの装備は、通風効果や遮断効果を発揮するもので、このようなパッシブデザインを施した南向きの3LDKの住居を対象に、3人家族が生活をする条件を設定して解析しました。夏季の6~9月を対象に行い、室温が最も高かった7月下旬には4.9度も低くなることが確認できました。また、室温27度・湿度60%の状態を保つようにエアコンを稼働させると、パッシブデザインの効果で冷房代が3390円も安くなり、削減率が31%になることも分かりました。

自然エネルギーを生かしたパッシブデザインはゼロエネルギー住宅(ZEH)に採用されることも多く、LED照明や太陽光発電などと組み合わせれば、光熱費をゼロ以下に抑えることも可能になります。

参考

サンヨーホームズ、足立区に40戸のスマートハウス集合体

2015年1月、足立区竹ノ塚にサンヨーホームズが「スマeタウン足立竹ノ塚~芽ぐみの杜~」の販売を開始します。

総量129kWの太陽光発電、売電収入は”山分け”

このタウンハウスの特徴は、10棟の屋根に太陽光発電モジュールを設置していることとHEMSシステムを搭載していることです。

太陽光発電システムは129kWの容量で年間総発電量12万kWを想定しており、固定価格買取制度(FIT)によって売電収入412万円が見込まれ、各住戸に還元する予定です。

ざっと計算すると1戸あたり年間10万円の売電収入の配当がありそうです。
全量対象のシステムなので20年間は安定した売電収入が得られることが予想されます。

日立と共同開発したHEMSを全戸に設置

各家庭に備えられている「スマeHEMS」は、日立コンシューマ・マーケティング日立マクセルの技術を活かしてサンヨーホームズが開発した最新のシステムです。スマeHEMSには、エネルギーの見える化・見守り・気付き・ECHONET Lite対応の4つの機能が付いています。

エネルギーの見える化は、一つの画面で電力状況、水道使用量まで把握することができます。

このシステムの最も特徴的な機能が見守りで、テレビやトイレの使用状況、空調機などを利用して住んでいる人を見守ります。
気付き機能は、省エネに役立つ情報を教えることで省エネに気付いてもらおうというものです。また、雨の予報や緊急地震速報とも連動しています。ECHONET Lite対応の機器を導入することでスマートフォンやタブレット、自宅のテレビから機器の操作をすることができます。

サンヨーホームズが初めて開発するスマートタウンに

スマeタウン足立竹ノ塚~芽ぐみの杜~は、サンヨーホームズ初のスマートタウン(スマートシティ)としており、低層マンションの集合体と似ているという特徴をもっています。

専用部分と共有部分が存在していることから一般車両の通り抜けを防ぐことができ、サンヨーホームズの係員が常駐するというコンシェルジェ棟に集会所が設けられているので住民同士の交流に生かすことができます。

各住宅メーカーからスマートシティ、スマートタウンの構想実現が今後も続くことが予想されます。

サンヨーホームズのものは特に住宅ごとに電力融通などといったより実験的で先進的な試みを採用しているわけではなく、これまでの集合住宅に太陽光発電の売電収入とHEMSが加わったという程度ではありますが、多様化するライフスタイルの中によりスマートでエコな選択肢が増えていくのは間違いなさそうですね。

参考