イーロン・マスク(テスラ・モーターズCEO)、「燃料電池車(FCV)は極めてばかげている」

2015年1月13日、米デトロイトで開催中の北米国際自動車ショーのさなか行われた記者会見にて、米電気自動車(EV)ベンチャー・テスラ・モーターズのCEOイーロン・マスク氏の発言が波紋を広げることになっています。その内容とは水素を用いる燃料電池車(FCV)について水素の貯蔵と管理の厳しさを理由に、極めてばかげていると批判したものであり、この発言の背景には電気自動車と燃料電池車という次世代カーの主役の座を獲得するための激しい争いがあり、今回の発言をきっかけにさや当てが激しくなるものと予想されています。

波紋を広げることとなった発言をしたマスク氏は、淡々とした口ぶりであるものの、物議を醸しだすような発言は今回がはじめてではなく、西海岸シリコンバレー発の著名な起業家で、この日はショー関連の講演会出席のために敵地デトロイトに乗り込む格好となったのです。講演後の記者会見では波紋発言に加えて、米電気自動車の生産を2015年は5万台計画し、10年後までには数百万台を生産するとEV市場の拡大予測も行いました。

一方で、昨年12月に燃料電池車ミライを発売したトヨタ自動車のジェームス・レンツ専務はこれに先立って記者団に、マスク氏の製品は素晴らしいと前置きしたうえで、EVは必ずしも長く走れる車ではないと発言しており、燃料充電の時間を引き合いに出して、同社の製品の優位性を強調する形となりました。

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