長崎ハウステンボス、スマートハウスならぬ「スマートホテル」?

長崎県佐世保市のハウステンボス社長の沢田秀雄氏が来年7月にホテルを新設すると発表、コンセプトは「スマートホテル」なんだとか。
面白いですね、スマートホテル、ですって!

BEMSの一種のようなものと思いきや、エネルギーマネージメントに対するスマート要素よりも、経営に際して効率的で生産性の高いものにできる、という意味でのスマート要素が強いようです。

具体的には「ロボットホテルマンを採用」して人件費を減らすというアイデア。ロボットにお願いしても同じような単純作業(荷物運びや客室案内、掃除など)はロボットにしてもらいましょう、ということですね。精度はいかほどのものになるのでしょうか?ちょっと気になります。

savione
と思ったら、実際にそうした業務をこなせるロボットが既に販売されているみたいですよ。
Savioke(サヴィ・オーク)というカリフォルニアはサンタクララ郡の企業が開発したSaviOne(サヴィワン?)というロボット。
ハウステンボスで使われるのもこれなのでしょうか?ちょっとかっこいいですね、見てみたいです。

「スマート」なアイデアはロボットだけではありません。施設の壁などには廃材を利用して建設費を抑えながら再利用を促し、さらに太陽光発電で光熱費も下げることも考えているのだそう。
ハウステンボスではメガ規模の太陽光発電所も建設し、売電事業も行っていますが、今回の発表内容から推測するにこの太陽光発電は自家消費用でしょうか。

参考

中部大学×清水建設が、キャンパスのスマート化をさらに拡大

震災後から始まった中部大学のスマート化

清水建設による中央大学春日井キャンパスのスマート化に関する共同実証実験は2012年6月から続けられています。
前年3月の震災後、電力不足が続いた時期と、学部・学科新設による電力需要の増加が重なったことも、共同実験の発端となったようです。

分散型電源を活用した電力ピークカットと、電力需給逼迫時のデマンドレスポンス制御(自動)、さらに自動制御の範囲外の設備において、メールで節電行動喚起を行う、といった方法で行われた、エネルギーマネージメント。
昨年1月に出されている発表内容からは詳細がご確認いただけます。

キャンパス内の10棟の施設でスマート化が行われた同実験はピークカット25%、電力使用量15%を達成し、
この結果を踏まえてより広域で多棟にわたるエネルギー効率化を図ることを決定。

主要40施設まで範囲を広げ、2016年度中にも全学部のキャンパスのスマート化が達成する見込みです。

目標は契約電力総量を20%(1110kW)、CO2排出量でいうと25%(3,368t/年・電力量換算で6GWh)削減を掲げています。

官民学一体となった事業

計11ものスマートグリッドによって構築される同システムには太陽光発電230kw、コージェネ設備85kw、蓄電池234kwhが連系され、これらの電力需給を制御するのが、清水建設によって開発されたスマートBEMSです。

約10億円にのぼる総工費は環境省からの補助金も利用し、節電・省エネによる経済効果で8~10年の初期投資回収を見込んでいるということ。

スマートシステムの構築は清水建設が担うことになりますが、中部大学は電力消費のスマート化に加えて、「循環型キャンパス構想」による廃棄物の再利用や、学校備品の有効活用(専用サイトを通して教職員が利用できる)など、エコ循環型キャンパスの再現を多角的に模索しています

スマートグリッドによる消費電力の削減も、自動の電力需給制御だけでは完結しない点に注目したいです。
大学の構成員によるこまめな節電努力(ひっ迫時のメールを配信)が加わることで、より高い目標が実を結ぶのかもしれませんね。

さらに今後は、キャンパスの枠を超えて春日井市の地域全体のスマート(低炭素)化を進めるためにグリーンプラン・パートナーシップ事業として自治体と連携事業に取り組んでいくそうです。

参考