NTTドコモ、太陽光と蓄電池制御の「ダブルパワー制御グリーン基地局」

環境負荷の少ない電力で基地局の運用に必要な電力の95%以上をまかなうことが可能になる「ダブルパワー制御」の実証実験に成功したことをNTTドコモが発表しました。

「環境負荷の少ない電力」って?

NTTドコモの発表に「環境負荷の少ない電力」という表現がありましたが、これは再エネ発電を示すものではないところに注意が必要です。

同実証実験では昼間の太陽光発電の余剰電力と夜間電力を蓄電地に貯め、環境負荷の高い電力を使用する夕方から夜間電力が開始される23時までの時間帯に蓄電池の電力を優先的に使用するという技術です。

太陽光発電の自活率は30%と、従来のグリーン基地局と変わりません。ここに蓄電池を加えることで、太陽光発電の余剰を吸収しながら夜間に需要が減る時間帯の電力消費を増やしています。つまり、ピークカットです。

NTTドコモでは基地局の環境負荷を低減させることができるこの技術の早期商用化をめざして10局あるグリーン基地局のうち3局でこの技術を導入し、品質に関する検証や地域別の特性評価を実施する予定です。

参考

積水ハウス、宮城県工場で「防災未来工場化計画」の設備詳細など

積水ハウスは、2014年から宮城県の色麻町で住宅用の部材を製造する東北工場で「防災未来工場化計画」を進めています。
太陽光パネルを工場敷地内に設置すると共に、大容量の蓄電池とガスコージェネレーションシステムを新たに導入することで、災害に強い電力供給体制を確立することができます。

電力と温水を同時に作れる、出力225kWのガスコージェネと太陽光発電の3種類を組み合わせ最大1445kWの電力供給ができ、ピーク時の購入電力を700kWも引き下げることができます。

災害時に停電になった場合でも3種類の電源を使って地域防災活動の拠点となる町の対策本部として、積水ハウスの東北工場内に設置し、250人分の電力7日間供給することができる避難所にもなります。電力需給状況の最適状態に保つ為にFEMS(工場向けエネルギー管理システム)で、3種類の電源を制御し、PHV(プラグインハイブリッド車)やLP(液化石油)ガスタンクなどを備え供給手段を多重化し、東北工場を手始めに「防災未来工場」として全国の積水ハウスの工場と物流拠点を進化させていく計画をしています。

参考1

今回各設備の設置は日本GEがおこなったということで、GE側からのリリースもご紹介します。

日本GEは、この平常時の電力ピークカットと災害時の電力供給を実現するために、同工場に大容量蓄電池と低NOxで熱電併給(コジェネ)運用のガスエンジンを設置し、工場建屋と事務棟にはLED照明機器を設置しました。すでに設置されている太陽光発電機器(出力720kW)と、今回設置した大容量蓄電池およびガスエンジンとの連携は、第2期工事の予定となっています。これら3種類の電源システムを統合した工場は国内に無く、完成すれば同工場が日本初となります。「平常時にはエコ、そして災害時にはタフ、という防災未来工場のコンセプトを実現させ、地域社会やオーナー様に安心・安全を提供するため、GEの各製品によるソリューションは最適でした」と、積水ハウス東北工場長は語っています。
東北工場は、積水ハウスが東北工場のある宮城県の色麻町と、官民連携で取り組んでいる地域防災の拠点として、2015年3月開催予定の「第3回国連防災世界会議」の関連事業である「スタディツアー(被災地公式査察)」の視察先に決定しています。報道関係者および同国際会議参加者向けに実施されるスタディツアー後については、随時、施設見学を受け付けています。

参考2