京セラとIBM、デマンドレスポンス効果を自動報告できるシステムの実証試験を開始

京セラと日本アイ・ビー・エム(IBM)、東急コミュニティーの3社は自動デマンドレスポンス(ADR)に関する実証実験を10月から開始すると発表。

関東の各所で2015年3月までの半年間にかけて行われるこの実証実験では、一連のデマンドレスポンスと、実際に要請(デマンド)に応えた(レスポンス)結果を報告するまでを、すべて自動で行うシステムの有効性を確かめるという内容。
自動デマンドレスポンス(ADR)の国際標準規格OpenADR2.0 Profile bを採用して本実験は行われるということ。

この実証実験は早稲田大学がEMS新宿実証センターで実施するADR連携実証の一環とされるそうで、関東地区の京セラ横浜事業所、商業施設9店舗、一般住宅15世帯の計25ヵ所を使って行われるのだそう。

前回ご案内したエナリスと日産のデマンドリスポンス実証実験同様、電力自由化後の電力サービスの多様化に向けて各社準備を進めている模様ですね。

今回関わっている3社はいずれも、電力アグリゲータとしての各種認証を取得しているということで、新電力もしくは新電力と消費者の仲介のようなサービスの提供は視野に入っていることが伺えます。

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京セラ、IBM、東急コミュニティが自動デマンドレスポンスの実証実験開始

2014年10月から2015年3月にかけて、京セラ株式会社、日本アイ・ビー・エム株式会社、株式会社東急コミュニティーの三社により、自動デマンドレスポンス(以下ADR)の実証試験を実施します。

デマンドレスポンスとは、電力逼迫時に発電事業者が家庭や企業等の需要家側に協力を求めて電力使用量を減らし、電力需給バランスを調整する仕組みです。東日本大震災以降、電力逼迫時にも電力の安定供給が可能な体制が求められていますが、現段階における日本では、発電事業家が需要家側に電話やメールで節電要請を出すケースが多く、電力需給のバランスを調整する体制が十分整っているとは言えません。そのような状況を背景に、発電事業者が電力使用量をリアルタイムかつ正確に算定可能となるようなADRの仕組みづくりが求められています。また、ADRの仕組みが確立すれば、電力需要家も節電要請への対応等に応じてインセンティブを受けることが出来、電力小売市場の活性化も期待されています。

今回の実証試験は、京セラ横浜事業所、商業施設9店舗、一般住宅15世帯の計25か所を対象としています。試験自体は、発電事業者より出される節電要請の受発信から、各施設における証明、空調、蓄電池等のエネルギーマネジメントシステム対応機器を制御することにより電力の抑制、最適化を図ることで、節電要請にそれぞれの施設が自動で対応し、その結果を取りまとめ、それらを節電要請をした発電事業者への実績報告としてフィードバックするという日本初の取り組みとなっています。

今回実証試験を実施する三社は、発電事業者と需要家側をとりまとめ、仲介として重要な役割を果たすアグリゲーターの各種認証を取得しており、今回の試験を通じてADRの技術やノウハウを蓄積するとともに、アグリゲーター事業の強化に取り組んでいきます。

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