住友商事が東芝の蓄電池システムで米国の周波数調整市場に参入

住友商事と米国子会社の米州住友商事は、米国の蓄電池会社Willey Battery Utility(WBU)社の株式を、英RES社の米国法人より取得しました。

住友商事は今後、WBU社を通じて、米国最大クラスの独立系統運用機関であるPJM Interconnectionが運営する周波数調整市場向けに、蓄電池を使った需給調整サービスを提供します。出力変動を吸収して電力網を安定化する手法の一つとして、蓄電池を使った電力網の需給調整サービスへの需要は高まっています。

WBU社は、東芝製の蓄電池システム(出力6MW、容量2MWh)をPJM Interconnection向けの需給調整サービスに使います。このサービスでは、東芝が蓄電システムの納入とメンテナンスを、再生可能エネルギー開発事業者RES社の米国法人が、変圧器などの供給・設置やシステム管理・操作・制御を担当し、オハイオ州ハミルトン郡で、4月に着工12月に運用開始予定です。

東芝のLiイオン蓄電池に関する技術力、RESグループの開発・設計・建設能力、住友商事グループの電力事業運営ノウハウを融合し、今回を皮切りに他州市場への参画も検討する予定です。

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米メーカー、ハワイに蓄電システム提供でマイクログリッド構築

独自の蓄電池を持つアメリカのエネルギー貯蔵システムメーカーAqunion Energy社はハワイに構築される予定のマイクログリッドに自社のシステムを供給することを1月7日に発表しました。

太陽光発電をベースとする容量1MWhの独立型のタイプで太陽光発電で得られた電力を蓄電し、構築される予定のハワイ島Bakken Haleのすべての消費電力を賄えるとされています。

太陽光発電の経験が豊富な米Renewable Energy Services社が設計と施工を行い、年間発電量350MWhを見込んでいます。
太陽光発電システムは出力176kW、蓄電池システムは容量1MWh、さらに非常用のプロパンガス発電機という構成です。
(ちなみに太陽光発電のキロワットあたりで見込まれている年間発電量は1988kWhで、日本の2倍弱というなんともうらやましい気候です。)

日中8時間の発電と充電、夜間16時間の放電サイクルに同社の蓄電池が向いていると言われています。

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アメリカでPG&EとBMWが提携、EVを使ったデマンドレスポンスなど

PG&E社(パシフィック・ガス・アンド・エレクトリック・カンパニー。米国の電力ガス会社)が1月5日電気自動車の蓄電池を電力系統の運用制御に利用する事業を開始すると発表しました。この事業はドイツのBMW社と提携して行われます。この事業によって、電力が最もよく使われる時間帯に必要な電力を少なくすることが期待されるため、従来よりも送電線や変圧計にかかる負担は減少します。そのため太陽光発電などの再生可能なエネルギーをより多く取り入れることが可能となります。

BMW社はまず、アメリカカリフォルニア州にある技術開発の拠点に大規模なエネルギー貯蔵システムを導入します。この貯蔵システムを利用し電力需要の少ない時間帯に価格の下がった電力を貯め、電力を良く使う時間帯に貯蔵した電力を使用します。

準備が整い次第BMW社は顧客に対しBMWi3(電気自動車)の次期モデルを提供します。その提供したBMWi3の蓄電池をPG&E社の電力系統と連携させます。そうすることでPG&E社は電力需要の多い時間帯の、BMWi3への充電状況を把握できるようになります。その情報をもとにBMW社は蓄電池の充電を遠隔制御して、消費電力の削減を行います。

PG&E社はこうした取り組みへの対価をBMW社に支払い、BMW社はこの資金で電気自動車の所有者の購入及び運用のコストを下げる取り込みを行います。このプログラムの参加者への報酬の支払いもこの資金で賄われ、参加者は携帯電話のアプリケーションでどの程度の報酬が受けられるかを確認することが出来ます。

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