三菱電機はエフパワーと共同で地域PPSの運営支援

東芝の新電力参入発表が記憶に新しい中、家電メーカーや太陽光発電メーカーなどが新電力(PPS)事業に参入するケースは珍しくない昨今ですが、大手家電メーカーで太陽光発電システムメーカーとしても実績の高い三菱電機は電力の販売に関してはより間接的な支援に徹する意向のようです。(あくまで現時点での話ではありますが)

三菱電機がスマートコミュニティーの事業戦略として掲げるのは地元のPPSを主体とした地産地消モデルの構築で、新電力のF-Power(エフパワー)との連携で実現を計画しています。

具体的には、実際の事業主体を地域PPSとし、電力の販売も地域の需要家を中心としたものにすることでエネルギーの地産地消を図りますが、新電力の運営に際して不可欠でありながら実際は自前で行うにはハードルが高い電力需給の管理システムの構築を、三菱電機のクラウドシステムの提供で支援、さらに地域電源で足りない電力は、新電力シェア2位であるエフパワーの電源から調達できる形で支援を行うとしています。

先駆けとして秋田県鹿角市と北海道士幌町の2地域で上述のモデルを実践する計画だということです。

地域のスマートコミュニティ構築というと、大手家電メーカーによる市街の総プロデュースといった事例も目立つものの、三菱電機のより地に足のついたビジネスモデルが地域の活性化に与える影響は少なくなさそうです。

参考

東京都の交通局、3つで最大36.5MW出力の水力発電所の売電先をエフパワーに切り替え

東京都の交通局は多摩川の上流で3つの水力発電所(多摩川第一発電所・最大出力1万9000kW、多摩川第三発電所・最大出力1万6400kW、白丸発電所・最大出力1100kW)を運営しており、現在はすべての電力を東京電力に売却していますが、この売却先を新電力のF-Power(エフパワー)に切り替えます。

期間は2013年4月から2015年3月までの2年間で、約2億4000万kWhの電力を見込んでいます。単価は、1kWhあたり14.5円となり、2年間で約34億4000万円の収入を見込んでいます。ただし、東京電力とは2018年度までの10年契約を結んでおり、これを途中解約して切り替えることになります。そのため、東京電力からは総額52億円の解約金を請求されています。

参考

経済産業省、エフパワーから買電で年間163万円削減

企業が大手電力会社以外のPPS(特定規模電気事業者)から電力供給を受ける動きを強めており、電力調達が多角化してくる様子です。

そんな中、経済産業省が2012年度に総合庁舎で使用する電力の調達先を、PPSのFパワー(東京都品川区、洞洋平社長)に決定したと発表しました。

経済産業省がFパワーと契約した電力は、年間3200kW。年間の予定使用電力量は1007万9769kWhを税抜きで1億8652万円ということ。

計算すると約18.5円/kWhという単価が割り出されますが、これは東京電力の1kWh当たりの電力単価は約16銭割安となるということ。割引率としては1%未満ですが、契約の電力量が多いだけに年間の予想電気代削減量は約163万円にものぼります。

一般家庭でいうと1%の電気代削減効果があったところで、せいぜい100円前後毎月安くなるかならないかというところです。2016年に電力小売自由化が始まり、一般家庭も今回のエフパワーのような新電力に切り替えができるようになりますが、割引率が同程度で収まっているうちは、切り替えにあまりメリットを感じないのが正直なところでしょう。

参考