横浜スマートシティプロジェクトの仮想巨大蓄電池「SCADA」

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蓄電池SCADAは監視制御システムで多数の蓄電池をひとつの巨大な蓄電池と見立てて蓄電、放出するシステムです。
横浜スマートシティプロジェクト(YSCP)で採用されており、穏やかな需要応答(DR)が可能になります。蓄電池SCADAは3つの機能を備えています。1つめは日間運用、2つめは短周期需給調整、3つめは予備力の運用です。日間運用とは発電量の空き容量とインセンティブに見合ったビルや家庭を、日々更新される需給データから割り出すことで効率的に電力を購入する方法です。蓄電池に貯蔵しておき、ピーク時に不足する分を供給できるようになります。2つ目は出力変動の大きい再生可能エネルギーの導入によって不足する電力量を火力発電や水力発電が賄っていた容量を蓄電池で補います。蓄電池は放電指令を受けてからすぐに反応するため、蓄電率の高い蓄電池に放電命令をかけ、蓄電率の低い蓄電池に充電命令を優先するシステムになっています。3つ目は電力系統の事故発生などの緊急時に需給調整用蓄電池から放電することで事故の影響を最低限に食い止めるという運用方法です。
プロジェクトには東芝、東京電力、日立製作所、明電舎、NEC,ソニーエナジーデバイスが参加しており、家庭や電気自動車などが普及するにつれて蓄電池がいたるところに存在する未来を見越して研究に取り組んでおり、技術実証でも現実的利用の可能性が見えてきたと発表しています。
需給調整の必要が発生した場合に、蓄電池とインターフェイスとがメーカーや機種によって異なっていると制御が困難になることが予想されており、国際電気標準会議(IEC)の規格に沿ったインターフェイスを統一化するという初の試みも行われています。

参考