東北電力、再エネ関連の事業を統合した「東北エネルギー」7月に設立

5月28日、東北電力が、7月に設立する水力・地熱系の「東北エネルギー」に、東北自然エネルギー開発と、東北ソーラーパワーの2社を追加統合すると発表しました。これにより、新会社は水力・地熱に加え、風力・太陽光の発電所も持ち合わせた再生エネルギーの総合会社となります。これで、合計26箇所の出力である約150MW(15万kW)を保有することになりました。このうち、太陽光発電は、東北ソーラーパワー所持の7箇所で焼く8.8MWです。

新会社は調査、開発、建設、運転・保守を一貫して行う、専門企業として再出発をするわけですが、二酸化炭素排出係数が平均値より若干上回っている東北電力電力小売自由化に向けて環境面での強みを高めていきたい意向があると見えます。

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ウエストホールディングス、山口県で1.5MWの風力発電所を取得

ウエストホールディングスグループは太陽光発電システムの開発など多分野に事業を展開し専門子会社も設立、広島県安芸高田市と太陽光発事業での協定を結んだ後2015年3月までに43市町村と結んでいます。
そんな同社は地域に根差した電力方法を考えた時に、油谷風力発電の強みである風力発電に着目。風力発電にはまだまだ大きく成長できる事業と感じて参入を決意し、定格出力1,500kW、年間CO2削減量1723.5tの規模を持つ油谷風力発電の株式を購入したと発表しました。

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ポーランド風力発電増設で、系統安定の実証実験に日立ら参加

2020年度までに再生可能エネルギーの比率を15%まで上げることを目標としているポーランドでは風力発電施設を倍増させる計画が進められ、日本の日立製作所グループを中心とした4社が電力系統の安定化技術の面で貢献する予定です。

風力発電の出力変動対応のために日立製作所開発のSPS(Specail Protection Scheme)を導入します。鉛電池とリチウムイオン電池を合わせたハイブリット型で、万一事故が発生しても発電設備の出力を抑制し、安定稼働が続けられるというものです。

11月まで事前調査を行い2016年から3年間実証実験が行われる予定ですが、現地企業もポーランド政府の支援を受け参画します。実証の行われるポーランド北部は年間の平均風速が秒速6メートルを超える恵まれた風況であるため特に風力発電に力を入れ、2013年当時で3400MWだった風力発電導入量を2020年には6600MWに倍増させることを目標としています。

ポーランドではすでにJ-Powerと三井物産が24基で48MWの発電能力を有するザヤツコボ風力発電所の開発に協力しており、年間の発電量としては1億kWhにも達しています。しかしポーランドの電力系統設備は40年以上前に建設されたものも多く安定稼働が課題であり、日本の安定化技術でポーランドの電力系統更新・増強が望まれます。

こうしたポーランドの課題は日本にも当てはまり、国内でも実証プロジェクトが進められています。現在はポーランドに比べて2割少ない2710MW程度ですが、今後ポーランドでの実証結果が日本でも活かせると考えらえています。

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岩手県、11基25.3MWの風力発電施設は蓄電池つき

岩手県は、高森高原の一帯に11基の大型風車と蓄電池1台の岩手県営風力発電所を新設する予定です。風車1基は2.3MWの発電能力で、合計で25.3MWに達し年間5300万kWhの発電量と見込んで、一般家庭1万5000世帯分の使用量に相当します。

高森高原は風況に恵まれ、平均風速6.5メートル/秒に達し、風力発電設備利用で28%程度が予想され、現在の計画で24%の低めの設定の為、実際の発電量予想値より上回る可能性は大きいです。

東北地方での太陽光や風力の導入量の拡大で,新設の発電所には出力制御が求められ、高森高原風力発電所では天候による出力の変動の対応と、余剰電力を充電できるように蓄電容量1万7280kWhの鉛蓄電池の導入の予定で、想定発電量に対し約0.1日分を充電することができる大型の蓄電池を併設します。風力発電所を2017年11月の運転開始予定に伴い、環境影響評価の手続きを完了した後に、2016年4月から工事に入る予定です。岩手県は再生可能エネルギーの電力自給率を2020年に35%までに引き上げる目標ですが、2013年度時点では18.6%にとどまっている為、県が率先して導入量の拡大をしていきます。

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北海道で補助事業、風力で環境負担ゼロの水素エネルギーを

北海道の苫前町では、NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)の補助の元、風力発電所を用いた新たな燃料活用事業を2017年度までの完成を目指し、推し進めることを発表しました。

国は将来的に水素をメイン燃料とする構想を打ち出していますが、苫前町のこうした施策は国の方針と一致するもので、町の経営する温泉施設の燃料に、町営の風力発電所で生成した水素を利用しようというものです。この動きに対し、同じく北海道を拠点とする札幌のフレインエナジーや神戸の川崎重工業、名古屋の豊田通商などが既に賛同を表明し、それぞれの持つ水素や電気に関する技術による、風力を基にした新たなエネルギー変換技術の取り組みに期待が持たれています。

作られた水素は液状の有機ハイドライドに変換された後、再び気体に戻され、最終的に燃料電池の燃料となります。

苫前町の所有する苫前夕陽ケ丘風力発電所は、計3基で出力合計2200kWとなっており、実験はこの敷地内で行う予定で、実用的なものとしては北海道では初の試みです。

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