放射性物質による放射能汚染

放射性物質による放射能汚染

「放射能汚染」とは、大気や大地、水や食物そして体内などが放射性物質によって汚染される事です。原発事故や原爆により放出された様々な放射性物質が、風に飛ばされたり水に運ばれたり、または雨雲に交じって事故の周辺地域に降り注ぎ、広範囲で影響を与えます。

汚染された地域では、大気や大地などに含まれる放射性物質から放出される放射線に当たる外部被曝に危険に加え、汚染された水や食物の摂取や、大気の放射性物質の吸入による内部被曝の危険にさらされています。(それぞれの被曝の内容とその危険性については下記のリンクを参照)

放射線の種類とその影響

それぞれの放射性物質によって出される放射線に種類があります。主な放射線の種類にアルファ線・ベータ線・ガンマ線があります。

アルファ線・ベータ線は外部被曝による影響はほぼありませんが、内部被曝によって健康被害をもたらす恐れがあります。食物や飲料の放射性物質の含有量を知ることに加え、可能であればそれらを除染して接種する事で、その影響を最小限に減らすことができます。

ガンマ線は外部被曝の影響が大きく、ガイガーカウンター(測定器)によってその場所の線量を計ることで望まぬ被曝を防ぐことができます。

福島第一原発事故で放出された放射性物質と、その影響

原発事故で一番多く放出される核種は、キセノン133です。福島第一原子力発電所事故で放出された放射性物質の98%以上がこのキセノン133でした。
しかし希ガスでであるキセノン133は体内に蓄積しにくく、内部被曝の影響も少ないため、放射能汚染物質として扱われることはありません。

一方以下の放射性物質は、人体への影響の大きさゆえ放射能汚染の主な原因となっています。

放射能汚染の主要三核種

ヨウ素131、セシウム137、セシウム134は、放射能汚染の原因となる主要な三核種と言われています。軽い水溶性の性質は、大気や水流に容易に漏れ出したのち、体内に取り込まれやすいため、健康被害をもたらす確率が高くなります。

その他に検出された放射性物質

この三核種以外にも、福島第一原発事故の直後にはストロンチウムや、プルトニウムが検出されています。

これらは健康被害に大きな影響を及ぼしますが、事故による放出量は主要三核種と比べて多くありません。平成25年5月に福島県で行われたモニタリング調査においてもストロンチウム90を除いて不検出となっています。検出されたストロンチウム90の量も、検出下限値にほぼ近い数値でした。

またヨウ素131は半減期が8.04日と短く、事故で放出されたヨウ素は既に大半が崩壊を終えていると考えられます。これらの理由から、今の時点で一番気にするべき数値は、食品中および水道水に含まれる放射性セシウムの量であると考えられます。

放射性核種 事故での
放出量
(1015Bq)
主に放出される
放射線の種類
半減期
(物理的)
生物学的半減期 人体への影響
キセノン133 11,000 β線 5.25日 - 希ガスのため内部被曝の危険は薄い。
ヨウ素131 160 β線
γ線
8.04日 138日 ガンマ線による外部被曝および、経口摂取などで甲状腺に蓄積された後、ベータ線による内部被曝で発がん率が高まる恐れ。
セシウム137 15 β線
γ線
30年 70日 甲状腺や臓器、筋肉に蓄積され、ベータ線による内部被曝で甲状腺がんの増加・筋力の低下・心不全や突然死の臨床例。
セシウム134 18 β線
γ線
2年 70日 セシウム137と同様の影響を与える。
ストロンチウム90 0.14 β線 29年 50年 骨に蓄積され、ベータ線による内部被曝により骨髄腫や造血器に障害を引き起こす恐れ。
ストロンチウム89 2 β線
γ線
5.05日 50年 ストロンチウム90と同様の影響はあるが、半減期が短いことから医療の場で骨腫瘍の治療に使用されることもある。
プルトニウム
238・239・240
0.0000254
(合計)
α線 88~24065年 200年 大量の吸入で内部被曝により呼吸機能の失調や肺繊維症障害など死に至る被害。微量の吸入では骨肉腫や肺ガンの可能性。

環境・健康・美容の改善に、きれいな空気環境をつくりましょう

Google+